湯川記念財団・木村利栄理論物理学賞


ありし日の木村利栄先生
ありし日の木村利栄先生
  1. 木村利栄先生の略歴
    大正15年8月10日生まれ。 昭和23年3月京都帝国大学卒業。 同年4月広島大学理論物理学研究所助手に着任。その後助教授・教授を経て平成2年3月定年退職。その間, 広島大学理論物理学研究所所長を歴任。平成2年4月広島大学名誉教授。 平成2年4月から平成6年3月まで広島県立大学教授。
    平成15年に素粒子メダル。平成17年には瑞宝章受章。
  2. 主な業績
    木村先生は重力理論の分野で,つねに先駆的研究をされてきた。 中でも,1969年の重力場中での量子異常の発見は大きな功績である。 重力の量子異常は,その後,超弦理論の量子論においてもっとも重要な性質の一つになっており,その意味でも木村先生の先駆性は明らかである。 また,木村先生は1973年頃から点粒子間の多体重力ポテンシャルの研究を始められ,一般相対論による2次の補正項を初めて求められた。 この業績は,現在国際的に研究が進められている重力波天文学において中心的役割を果たしている相対論的2体問題の先駆けとなった。