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Brief Summary of Each Supplement


Progress of Theoretical Physics Supplement No. 125



Microscopic Studies of the Interacting Boson Model


水崎 高浩、 大塚 孝治 編集

原子核の低励起状態を振動的な様相から回転的な様相までを1つの枠 組を用いて統一的に記述する模型として相互作用するボソン模型が提唱され、 原子核の構造に対する研究の進展に大きく寄与してきた。 この寄与には主に、この模型の単純さやその群論的な側面に起因する 現象論的な研究によりもたらされたと言えよう。 しかしながら、相互作用するボソン模型は、本来核子の多体系である 原子核の集団運動をボソンの多体系問題として扱おうとするものである。 そこで、必然的に核子の多体系の自由度とボソン系との間の 関係、つまり相互作用するボソン模型の微視的な基礎付けという問題が 生ずる。この問題は相互作用するボソン模型が本当の意味で成功を収める ためには、もっとも重要な問題点の一つである。 本サプリメントは、相互作用するボソン模型のこの基本的な問題に関し て我国で行なわれた研究を中心に編纂されている。 特に、相互作用するボソン模型の原型を提出した論文の再録をはじめ、 微視的な研究の草分けとなった大塚・有馬・ヤケロ写像などのボソン 写像のレビュー、比較的に簡単な系でのボソン写像のテスト、最近の ボソン写像研究の進展、実際の原子核へボソン写像を応用した場合 の計算結果、を含む。


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