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Brief Summary of Each Supplement


Progress of Theoretical Physics Supplement No. 127



Recent Developments of the Theory of Tunneling


青山 秀明、 原野 敏幸、菊池 尚志、大河内 郁雄、佐藤 昌利、和田 真也

量子力学・場の量子論におけるトンネル現象の扱いには虚時間の経路線分法と 複素時間法が有効であることが知られている。この論文では、この分野におけ る最近の発展を完備な形でレビューする。 トピックとしては、虚時間での固有谷法とその各種の量子系への応用、複素時間法、 摂動論の漸近的振舞に関するアシンプトンの理論がカバーされている。


Dynamical Symmetry Breaking in Curved Spacetime
Four-Fermion Interactions


稲垣 知宏、牟田泰三、Sergei D. Odintsov

統一理論における対称性の自発的破れの研究は、宇宙初期のシナリオ を描く上で重要である。本総合報告では、素粒子としてのヒッグス粒 子を仮定しないで動的に起こる対称性の破れを中心とした研究につい てまとめる。初期宇宙に関する研究では、時空曲率や温度等の外的影 響を無視することができない。ここでは、動的対称性の破れが起こる 最も簡単な模型としての4体フェルミ相互作用模型及びそれを拡張し たいくつかの模型の曲がった時空中での振舞いについて議論する。ま ず、D 次元 (2 \leq D \leq 4) のミンコフスキー時空を出発点と して、いくつかの曲がった時空中で、1/N 展開によって有効ポテン シャルを求め、曲率による相転移の可能性を調べ、理論の相構造を明らか にする。さらに、曲率と温度、曲率と時空のトポロジー、曲率と 弱い磁場の無視できない環境下で、相転移の可能性と理論の相構造を 調べた研究を紹介する。最後に、量子重力に関連した4体フェルミ相 互作用模型のいくつかの応用例について簡単に触れる。


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