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Brief Summary of Each Supplement


Progress of Theoretical Physics Supplement No. 133



Gravitational Lensing and the High-Redshift Universe


冨田 憲二、二間瀬 敏史 編集

重力レンズ現象と high redshift の 天体の進化と分布に関する研究は、宇宙 論、宇宙物理学における様々な分野の中で最も活動的な部分を占めている。重 力レンズ現象は、銀河、銀河団をレンズ天体とするクエーサーの多重像、アー ク、リング等の銀河の変形像をもとにして、これらの天体の進化、構造につい ての情報をもたらすとともに、重力は光で見えない物質を感知するので、 dark matter の分布に関する貴重な情報をもたらす。また、レンズ天体は暗い 天体の光度を増す働きを持つので、一種の望遠鏡としての役割を果たす。近年、 マゼラン雲 および 銀河系のバルジの中の星状の天体によるマイクロレンズ現象 が発見され、研究が蓄積されるにつれ、銀河系の構造、謎のレンズ天体について の研究が急伸しつつある。一方、光、X線等による銀河、銀河団についての観測 的研究の進歩とともに、high redshift の 天体の進化と分布に関する情報が豊 富になり、銀河形成の詳細な理論的研究が飛躍的に進みつつある。

この号は、1997, 1998年に、京都大学基礎物理学研究所において開催された研究 会での講義 、研究発表をもとに、より最近の研究成果を取り入れ、上 記の多様な項目についてのレビュー論文をまとめたものである。この号は宇宙論、宇 宙物理学の研究を始めようとする若い学生はもちろん、この分野の現状と展望 を得たい研究者にとっても、非常に良い座右の書となろう。


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