Brief Summary of Each Supplement
Progress of Theoretical Physics Supplement No. 136
Black Holes and Gravitational Waves
— New Eyes in the 21st Century —
Proceedings of the 9th International Seminar
中村 卓史、 小玉 英雄 編
強い重力場の物理はブラックホールの研究に代表されるように、今までは理
論的なものが中心であった。しかし21世紀初頭にも、TAMA300, GEO600, VIRGO, LIGO
等の長基線レーザー干渉計が動き出すと、重力波から観測的なデータが
得られることが期待されている。すなわち我々は自然を認識する手段としての
新しい目を持つ前夜にいると言える。
このような状況の中で1999年7月に京都大学基礎物理学研究所で
湯川国際セミナー「ブラックホールと重力波 — 21世紀の新しい目 —」
が開催された。
本研究集会は、世界的に著名な研究者による講演を中心として、今までの
理論的進歩をレビューするとともに将来の展望を予測し、来るべき重力波検出
時に世界の理論家が準備を整えることを目的とした。
主なテーマは、数値相対論、ポストニュートン展開、ブラックホールの
摂動論、コンパクト星及び連星系の平衡解、活動銀河とブラックホール、ガンマ
線バースト、宇宙初期に形成されるブラックホール、ホーキング放射、ブラック
ホールの熱力学、臨界現象、特異点の性質、統一理論とブラックホールであった。
本号には、これらのテーマに関して世界的に著名な研究者による現状のレビュ
ーが集録されている。
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