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Brief Summary of Each Supplement


Progress of Theoretical Physics Supplement No. 142



Physics of Unstable Nuclei


堀内 昶、大塚 孝治、鈴木 宜之 編集

原子核物理学の新たな基本的展開をもたらしている不安定核の研究は わが国の実験研究が切り開いた分野である。わが国においては理論的研究も また実験的研究の大きな発展と密接な交流をもちつつ著しい進展を遂げて きた。理論的研究は広く核構造と核反応のさまざまな問題に及んでいるが、 大きな特徴はいくつもの斬新な理論や計算方法が開発され、それらの具体的 問題への応用が多くの成功を収めてきていることにある。確率的変分法、 反対称化分子動力学、複素スケーリング法などがその例である。

このような理論的研究の進展の様相は現在もなおさらに進行中であるが、 現時点までの成果をまとめた形で提供することは意義深くタイムリーだと 言える。それは現在わが国を含む世界各地の有力な実験研究所における 新しい実験設備の完成が不安定核研究の前線を大きく拡大し、多くの 実験情報をもたらすと期待されているからである。

この Supplementはこの分野の理論・実験双方の研究者のみならず、 この分野を志す若手研究者にとっても有益なものと考える。


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