PTP
 


Brief Summary of Each Supplement


Progress of Theoretical Physics Supplement No. 155



Stellar-Mass, Intermediate-Mass, and Supermassive Black Holes


Proceedings of the International Workshop

嶺重 慎、牧島 一夫 編集

この号は 2003年10月28日〜31日に京都市国際交流会館で開催された国際研究集会「恒星 質量、中間質量、巨大質量ブラックホール」のプロシーディングである。しかし、単なる 会議の講演の記録であるだけでなく、現在大きく発展しつつあるこの分野を勉強しようと する研究者へのガイドとなることを目的として編集されている。

歴史的にいうと、天体物理学的ブラックホールは二つのカテゴリーに分類されていた。主 にわれわれの銀河系にある恒星質量ブラックホールと、系外銀河の中心核にある巨大質量 ブラックホールとである。しかし、そのような古典的描像は、近年の多波長観測や理論・ 計算の急速な進歩のため、この10年間で大幅な修正を余儀なくされている。例えば、あす か、ローサット、チャンドラ、XMMニュートンなどの衛星観測は、近傍銀河に中間質量の ブラックホールがあるらしいことを発見した。これらは明るいコンパクトなX線源でULX( 高光度X線源)と呼ばれている。狭輝線セィファート1型銀河(NLS1)もまた興味深い天体 である。というのもこれは、巨大ブラックホールの下限近くの質量をもつブラックホール だからである。さらに、ある種の球状星団の中にも中間質量のブラックホールがあるらし いという話もあるが、この真偽については現在論争中である。

会議では、これら急速に進歩している天体物理学ブラックホール研究のさまざまな側面の 中でも、特に最近進展の著しいトピック、すなわち

- エディントン光度で光る系内天体の物理
- 高光度X線源の性質
- 狭輝線セィファート儀振箍呂瞭団
- われわれの銀河系中心の場合
- 電磁流体力学降着流とジェット
- 相対論的効果の観測可能性
- ブラックホール研究のための新しい装置

に集中して議論した。

このサプルメントには、これらのトピック全体を包括するレビュー、個々の話題をやや詳 しく突っ込んだレビュー、また若手研究者による最新の研究成果の報告などが多く含まれ ている。ブラックホールの天体物理学全般を勉強したいと考える若い研究者、学生が机上 に置くべき一冊である。


  Copyright © 2008 Progress of Theoretical Physics