Brief Summary of Each Supplement
Progress of Theoretical Physics Supplement No. 186
New Frontiers in QCD 2010
— Exotic Hadron Systems and Dense Matter —
Proceedings of the 24th Nishinomiya-Yukawa Memorial International Workshop
大西 明、慈道 大介、土手 昭伸、藤井 宏次、比連崎 悟、兵藤 哲雄、飯田 圭、橘 基 編集
この巻は京都大学基礎物理学研究所にて、2010年1月18日から 3月19日の期間開催
された西宮湯川記念国際ワークショップ ``New Frontiers in QCD 2010
— Exotic Hadron Systems and Dense Matter —
(NFQCD 2010)" の会議録を収録したものである。
近年クォークハドロン科学の進展は著しく、この会議ではハドロン物理、QCD
の非摂動論的および凝縮体としての性質、またこれらのコンパクト天体現象と
の関連について、理論・実験・観測の側面から総合的な議論を行った。また、
格子QCDやゲージ・重力対応とそのQCDへの応用についても議論が行われた。
この巻には以下のようなテーマについての報告を含んでいる。
(1) コンパクト天体現象
低密度核物質についての最近の発展、高密度核物質の状態方程式、
爆発天体・重力崩壊天体における相転移シグナル、爆発天体現象の
数値シミュレーション
(2) エキゾチック・ハドロン
4つ以上のクォークを含むハドロン、ハドロン分子構造、軽いクォークと
重いクォークの役割、エキゾチック・ハドロンに関する散乱理論と反応動力学
(3) 原子核中のハドロン
K 中間子原子核、中間子原子核、核内中間子の性質、カイラル対称性の部分的
回復、励起ハドロンの核内での振る舞い、ストレンジネスを含む原子核
(4) QCD相図
QCD臨界点、カイラル・非閉じ込め・カラー超伝導相転移の競合と相関、
QCD相転移の実験的・観測的示唆
(5) クォーク・ハドロン物理の理論的進展
格子QCDの進展(有限温度・密度、バリオン間相互作用、ハドロン共鳴)、
ゲージ・重力対応とAdS/QCD
本ワークショップでは、ミニシンポジウムでのレビュー講演やワークショップ中の講義も行われた。この巻には、最新の話題についてのミニシンポジウム講演・いくつかのセミナー講演に加えて、これらのレビュー講演・講義の報告も含んでいる。専門家にとっては現在の旬の話題を集めたプロシーディングスとして、また非専門家にとってはよい入門書になるであろう。
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