基研研究会

「微視的核反応理論による物理」


日時 2011年8月1日(月)-3日(水)
場所 京都大学基礎物理学研究所
湯川記念館パナソニック国際交流ホール

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研究会要旨

原子核反応理論の発展は、古くは現象論的に決められた相互作用を用いた理解が進められて いたが、近年は、核子間相互作用に基づく微視的模型の発展が目覚ましい成果を挙げている。 この核反応の微視的アプローチによって、相互作用・核反応・核構造のそれぞれをより深く 理解することが可能となりつつある。また一方で、近年は重イオン加速器などの実験施設の 発展も目覚ましいものがあり、そこから得られる実験データから物理現象を理解するためには、 核反応解析が必要不可欠である。このように原子核反応理論は、古くから培われてきた 核反応理論に近年の微視的手法が組み合わさることによって原子核物理全体の発展に大きく 貢献してきた。

本研究会では、微視的アプローチによって核反応機構そのものの解明を理論的に行う。具体的 には、分解反応における二体問題から三体・四体問題への記述、さらに、連続状態の取り扱い、 核反応特有の大きなエネルギー依存性とそこから得られる反応機構の解明、代理反応など による複合核状態を通じた核反応過程とその実用性、核融合反応や核分裂反応、 低エネルギー重イオン衝突などの量子多体系における核反応、などが挙げられる。

さらに、核反応と核構造、核反応と相互作用との関係を強く結びつける物理は、弾性散乱・ 非弾性散乱から得られる原子核の形や大きさ、核子移行反応による原子核内の核子相関・ クラスター相関の解明、多段階反応過程などの原子核構造が核反応現象に与える影響、核子・ 重水素弾性散乱などの少数粒子反応による二体力・三体力の解明、などの例が挙げられ、 微視的核反応理論の観点から見る相互作用と核構造の情報の信頼性と不定性についても 議論を行う。

本研究会の目的は、国内の原子核反応理論研究者が一堂に会し、現在の理論的成果と 問題点を議論し、原子核反応理論における問題意識をそれぞれに定め、今後の研究活動の 飛躍的な発展に繋げる。


世話人

  • 古本猛憲 (京都大学)
  • 市川隆敏 (京都大学)
  • 高階正彰 (大阪大学)
  • 緒方一介 (大阪大学)
  • 板垣直之 (京都大学)


問い合わせ先

古本猛憲 京都大学基礎物理学研究所
Tel : 075-753-7055
E-mail : furumoto_at_yukawa.kyoto-u.ac.jp (_at_ は @ に変えてください。)