摩擦、レオロジー、地震の新展開 −異なる階層と舞台をつなぐ− 2012-11-06 ― 2012-11-08 |
日時、場所 | 2012年11月6日(火) - 8日(木)
京都大学基礎物理学研究所パナソニックホール |
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趣旨 | 摩擦は最も身近な物理現象の一つであり、古くから多くの研究が行われてきたが、多くの未解決の基本的問題が残っている。
固体間の滑り摩擦の場合、摩擦の発生原因は固体表面のマイクロメータースケールの凸と凸によって形成される”真実接触点”での凝着とその破壊であると考えられている。 このため摩擦はナノからマイクロスケールでの固体、あるいは滑り面間に存在する液体の力学物性、特にレオロジー特性に強く依存する。 また、摩擦は多様なスケール、舞台で起こる現象である。 地球での最大規模の摩擦現象が地震であり、地震分野でもこれまで多くの研究が行われてきており、現在でもなお重要な問題である。 3.11以降、改めて基礎的な立場からの地震の研究の必要性、地震研究者と物理研究者の交流の必要性、が強く認識されるに至った。 本研究会は物理学の立場からも近来、強く興味がもたれている摩擦、レオロジー、地震および関連諸分野の研究者が集い議論することにより問題を掘り下げ、 それに対する意識を高め、ひいては我が国の研究者がこの分野の研究のイニシアチブをとる契機とすることを目指すものである。 |
プログラム |
11月6日
13:00〜13:05 松川宏 はじめに 13:05〜14:05 森 誠之 工学的な立場からミクロな摩擦・潤滑挙動を理解する 14:05〜14:35 八木 和行 直鎖系潤滑油における弾性流体潤滑油膜の特異形状 15:00〜16:00 平塚 健一 摩耗機構の解析 16:00〜17:00 大槻 道夫 マクロな弾性体の滑り摩擦 17:00〜17:30 中野 健 スティックスリップ再考:ミスアラインメント角の効果を中心に 11月7日 8:50〜9:40 藤田 博之 ナノ物体を見ながら擦り、その摩擦を測る 9:40〜10:10 川勝 英樹 元素コントラストAFMにおけるラテラルモード 10:10〜10:40 佐々木 成朗 ナノスケール接着・剥離における摩擦の科学 11:00〜11:50 大熊 哲 超伝導ボルテックス系のピン止めと運動: 新しい非平衡ダイナミクスと動的相転移 11:50〜12:20 野村 竜司 乱れのもとで進行する4He量子結晶の雪崩的成長と冪乗則 13:30〜14:30 山田 真爾 固体平板間における液体超薄膜の構造化とナノトライボロジー機構 14:30〜15:00 平山 朋子 摩擦低減に寄与する添加剤吸着層の物理化学物性評価 15:15〜16:45 ポスタートーク 16:45〜18:15 ポスター 18:30〜 懇親会 11月8日 9:00〜10:00 波多野 恭弘 断層の摩擦法則へむけて 10:00〜11:00 廣野 哲朗 断層掘削計画の最前線:地震性滑り時の物理化学 11:20〜12:20 川村 光 地震の統計物理的モデル ー その臨界性と固有性 12:20〜12:50 柳谷 俊 地震現象の解明をめざした岩石の摩擦実験の問題点:歴史的な回顧 |
ポスター |
1 Damiron Denis AFM with chemical contrast and its application in
lateral force microscopy
2 中野 憲 TEMAFMを用いた摩擦研究−垂直振動印加による摩擦低減のその場観測− 3 鳥山 陽平 ラテラル液中AFMによるフォースカーブを用いた固液界面の計測 4 村上 弘明 液中AFMにおけるラテラルモードと垂直モードの比較 5 加藤 弘気 ナノスケール突起間の凝着、引っ張り・剪断破壊、摩擦 6 一ノ瀬 祥一 Geometric Approach to Quantum Statistical Mechanics and Application to Casimir Energy and Friction 7 糸魚川 文広 単分子吸着膜の繰返し摩擦による力学応答挙動 8 宇都宮 翔 剪断されたナノスケール潤滑剤層の計算機シミュレーション 9 井上 大輔 水晶振動子により滑り距離を制御した動摩擦力の測定 10 藪中 俊介 分子の配向自由度を取り込んだミクロ相分離系の構造レオロジーの理論 11 堤 貴明 高分子の摩擦発光に対する雰囲気圧力効果 12 田所 千治 液晶の特異なレオロジーを利用した摩擦損失の最小化 13 江端 宏之 懸濁液界面における孤立パターンの粒径依存性について 14 山口 哲生 ハイドロゲルのすべり摩擦における応力‐拡散結合 15 山口 哲生 凝着摩耗の動力学理論 16 前川 覚 弾性体の摩擦における局所すべりと最大静摩擦力 17 片野 祐 弾性体の滑り摩擦実験 18 桃園 聡 エラストマーの凝着を考慮した摩擦モデル構築の試み 19 長澤 光晴 摩擦に対する縦波振動の効果 20 野村 健斗 ヴァイオリンの弦の振動と弓との摩擦 21 稲垣 紫緒 回転する二重円筒系での粉粒体の自発的分離の時空間パターン 22 吉岡 直樹 粉体の蠕動輸送における相転移 23 佐野 友彦 粉体ジェット衝突における摩擦現象 24 嵐 博隆 回転型実験装置による摩擦実験とStick-Slip運動 25 西尾 幸祐 粉体の摩擦シミュレーション 26 佐藤 大介 速度状態依存摩擦則に従う粘弾性層付き1次元バネ-ブロックモデルによる地震の数値シミュレーション 27 植田 祐史 速度状態依存摩擦則を用いたバネ-ブロックモデルにおける破壊核形成過程 28 内出 崇彦 自然地震における破壊成長のスケーリング則 29 光藤 哲也 簡単な地震のモデルにおける大地震の起こり方 30 津川 暁 地震統計におけるマルチフラクタル関係式 31 三井 雄太 東北地震直後に破壊域北側で生じた余効的断層すべりの速度 ポスター講演の方は一人3分(時間厳守)でポスタートークをお願いします。 11月5日15時までにpdf file(A4横置きで最大3枚まで)をお送り下さい。 1枚目には講演番号(上記プログラム中の番号)、講演題目、講演者のお名前を必ず記して下さい ポスターは1515mm × 868mm (A0ポスターが貼れます)に収まるようにご準備下さい。 マグネットは準備いたします。 |
概要集 |
こちらのリンクから概要集がダウンロードできます。
概要集 |
参加・講演申し込み |
ポスターセッション、または聴講のみでの参加をご希望の方はまだ受け付けております。 参加をされる方は、お早めに
申込者氏名、所属、身分、講演の希望の有無、講演タイトル、講演要旨、懇親会の出欠を下記アドレスあて御連絡下さい。講演を希望されない場合でも、人数把握のために登録をお願いいたします。
friction@yukawa.kyoto-u.ac.jp |
宿泊、懇親会 |
この時期の京都はハイシーズンのため、参加を予定される遠方の方は、早めにご自身による宿泊の手配をお勧めします。
北白川学舎 バストイレ付11/6,11/7 2泊 7室 同上 バストイレ共同利用 11/6,11/7 2泊 1室 宿泊を希望される方(学生のみ)は参加・講演申し込み時に、フォームの該当欄にチェックを入れてください。 希望者多数の場合は、旅費等を考慮し選ばせて頂きます。 また、11月7日のプログラム終了後、懇親会と予定しております。 ふるってご参加下さい。(予算4000円程度を予定) |
招待講演者 | 森 誠之(岩手大工)
山田 真爾 (花王安全性評価研究所) 平塚健一(千葉工大) 藤田 博之 (東大生産研) 波多野 恭弘(東大地震研) 大熊 哲(東工大院理工) 佐々木 成郎(成蹊大理工) 大槻 道夫(青山学院大理工) 平山 朋子(同志社大工) 川村 光 (阪大院理) 廣野 哲朗(阪大院理) 八木 和行(九大院工) |
世話人 | 川村光(阪大院理)
早川尚男(京大基研) 山口哲夫(九大工) 波多野恭弘(東大地震研) 三浦浩二(愛知教育大) 鈴木勝(電通大) 佐々木成郎(成蹊大理工) 大槻道夫(青山学院大学理工) 松川 宏(代表、青山学院大学理工) |