日記(6月)


6/30:

6月も終り。

午前から昼過ぎにかけてDEMのノートを作っていた。 松山さん から頼まれた原稿を考えて自己完結させようとすると図も一杯いるし、文章も 長くなる。余り時間をかけすぎても集中講議に間に合わなくなるが、、。

3時過ぎから5時間以上に渡って金君と議論。気体分子運動論と温度の話。ど うやらJouはずぼらである事だけは確かである。あんなので論文を書け てある程度有名になれるのであれば自信がついてしまうな。と言ってもまだ何 も生んでいないのであるが、最低でもJouは間違っていたとは言えそうだ。金 君もこんなの(Jouとか僕、SST)につきあわされて可哀想だと思うが、頑張れ。

Jouみたいに孔と垂直に温度勾配をかけると部屋を隔てる壁を相当に厚くしな いといけない(断熱剤の効く厚さが必要)。


6/29:

今日はPeralta-Fabiの話が使えないことを確認した後、Evesqueの変分法の議 論をまとめ、Bagnold's lawのquick derivationを考えた。気体力学は何をや るか試行錯誤する。Noije and Ernstのcorrelationの話は今一理解できていな い。分布関数の話は細かくなりそうだし。やはりclassicalなSavage, Jeffrey, Jenkinsで攻めるか。あまりdetailに拘っても聴衆はおろか講師が理 解できないのではしゃれにならない。

昨日、蜂が部屋に入ってきたので追い出そうと窓を開けたらすぐ外に巣があっ た(ブラインドを下しているから気がつかなかった)。殺虫剤と鎌で即刻駆除した。

TG'01の〆切。 人は集るのだろうか。

DEMのあたりからTexにするか。


6/28:

集中講議(7/11-13茨城大) の件で長谷川さんと連絡がつく。どうやらTexasにメールを送ってし まったみたいだ。講議プランを送る。基本的に古い話はやらない予定なので 破綻の可能性あり。

  1. : 粉体とは何か(ビデオと概論:特徴)
  2. : DEM(離散要素法)入門
  3. : 非弾性衝突と散逸の起源
  4. : 粉体気体力学と流体力学の関係
  5. : 粉体流の境界条件について
  6. : 極性流体力学の応用
  7. : 静力学と極限応力解析
  8. : 砂山の解析或は極性弾性論と粉体層の破壊
さてどうなるか。それはともかく日記を見て関東の他大学の人から講議の問い 合わせがあった。有難い事である。

講議の準備ということで砂山を久し振りに考えるがどうもすっき りしない。密度揺らぎだけでdipを作るというのは真中が密度が高い方に振れたら 必ずしも自明ではない。FPAも講義用に計算するがどうも計算が合わない。情 けない。


6/27:

Power Pointを使ったセミナーは眠くなる。

熱力学。補講必至と思ったが、どうやら7月18日も授業ができるようだ。と いうことは流体も17日もしなくてはならないということか。教務主任は何も 分っていないというお話。

やはりSavage and Jeffreyは重要な結果を含んでいる。shearも完璧に書き直 すとなると大変なので、夏迄にはまずMicropolarと密度の効果を論じた研究を 完成させたい。Boltzmann-Enskogで境界条件と回転と非弾性をsystematicに入 れた論文を書くとcollisional shear flowは終りだが、そんな論文は誰も読ま ないという気がしないでもない。それよりshearの後はpipeだな。


6/26:

授業も今日が終ったら残り2回か。1、2コマとも今日から新しい話になるの は困ったものだ。

午後は申請書類の完成。意外と時間がかかった。

さすがに後2週間しかないのでそろそろ集中講議の構成を考えないといけない。 論文にまとまっていない雑多な話を思い出して説明できる様にしておく必要が ある。それにしても何も連絡がない。


6/25:

ずっと考えていたずり流での密度分布の問題にはどうやら大きな勘違いがあっ た様である。非弾性性が本質的だと思ったらどうもそうではなく平衡系でも類 似の現象があり、また解くべき方程式も明示されていた。間違った方向での時間の浪費 が甚しかった。かなり脱力。粉体流の本質に迫る必要がなかったのは残念だっ たが、これでずり流の基本的な諸問題は押えた事になっている筈。後は、例え ば、密度を求める方程式の解析解があるとか、そういう話になる。流れ、回転の 解析解は前と同様に求めればいいし、 今回は境界条件もfitting parameterではなくなる。

ここいらで財団の申請、集中講議の準備、原稿書きもしないといけない。


6/24:

子供が寝た後に The Music of Heart を見る。頗る良かった。Isaac Sternが御茶目。 御陰で夜更し。


6/23:

財団申請モード。エンジンのかかりは遲いがかかると早い。1個はどうみても 当らないが、もう1個は(客観的には当らないと思うが)当る気分で書いてい る。7月にも2つ出す。いろいろ計画があるとお金がいる上に科研費がないか ら大変だ。


6/22:

非弾性粒子の存在のために壁が有効的に軟らかくなるというイメージを数学に 載せようとするがうまくいかず。等方的な散乱と壁があるためにその垂直方向 への散乱がうまく繋げて表現できればいいのだろう。多体衝突の問題である。 いつもの事だが共同研究者の意見の方が大抵正しい。間違った事をどれだけ沢 山言えるかが研究の進展には必要だと開き直ってみる。

学会をどうするか迷ったが結局出すことにした。日帰りかな。

妙な処(静電気学会)から原稿を頼まれる。結局説得されてしまった。どっち みちまとめないと授業が出来無い様な話なのでそれほどの手間ではないと思う。

会議にて「大学のトップ30というのは分野毎に評価する」という報告。する と京大の中では我々の研究科だけ入らないという事もあり得る。


6/21:

不調。真字面に考えるならば粒子2つと壁の3体問題を考えないといけない。 しかしこれはとても解けそうもない。壁に粒子を1つ固定して散乱を考えるの は解けそうだが納得して貰えそうもない。因みにBumpy boundaryにしたからと いってあまり圧力には影響が現れない様だ。胸つき8丁の正念場。この問題を クリアに解決するかしないかは僕個人の問題としてだけでなく粉体物理として 重要な事だと思うが、久し振りに弱気モードになっている。

砂糖水やかき氷のことは本で調べたり考えたりしたのだが、結末が これでは ちょっと好村さんが可哀想。テレビ局はひどいね。

イタリア行きの手続きがいろいろ進む。


6/20:

熱力学:等温サイクルと広義の等温過程がすっきりしないという質問。それは そうだ。

天羽セミナー:タイムリーな水の話。不勉強だったが水には面白いことが一杯 ある。オーロラ三人娘の2人が入った論文が今頃役に立つとは。

飯間セミナー:ようやくまとまって聴く機会が持てた。渦の乖離が大事なのは 確かだが、ミニマルモデルとして情報を落しすぎているのが気になる。 少なくとも現実の蝶々のモデルではない。原稿の方はよく調べていて面白そう。


6/19:

授業は無難にこなす。2 soliton迄具体的に求めて、それから流体力学に移る というのはちょっと構成が変かな。文系は一般相対論が終わる。そういえば ガモフの「トムキンス」の復刊案内が出ていたな。

午後は大量にメールを書いていた. 宇宙(小惑星形成)の人に 話を頼む。その人が関西にいるだけに今後が楽しみ。 もうそろそろ宇宙も鬼門ではなくしていいだろう。

共同研究者とのメールでは僕のイメージが伝わらない。 僕の研究はイメージという曖昧な物をどうやって数学に載せて 記述するかにかかっているから、客観化できるいい機会である。 因みにイメージは粒子付近では非弾性衝突で圧力が下がる、 そのため壁付近でちょっと密度が上がる。更にそこに粒子が飛び込み 散乱されると横方向へ運動量がより逃げやすくなり、また圧力が 下がる。その結果、更に壁付近で密度が上がる。というもの、 完璧だと思うのだが、いかんせん数学がない。

伊東四郎はてんぷくトリオだよな。戸塚さんは人気が出る前に死んじゃったし、 三波伸介も早々に死んだ。お笑いは辛いのかな。伊東四郎が映画に出たのは 「マルサ」が最初か?パチンコ屋の親父役で脱税を挙げられるちょい役だった。 それにしても砂糖と水はよく分からない。明日は水のセミナーと蝶々のセミナーが あるから考える材料には事欠かない。


6/18:

どうも教育モードへの頭の切替がうまくいかない。講義のネタがきれたので明 日の流体力学の用意をしなければ、と思いつつ、研究ネタに振り回されたり、 また事務書類に時間を潰されたり、はてさて休みぼけがあったりではかどらず。

休みぼけついでに: 僕を知っている人は驚く事ではないが高校迄は社会、特 に歴史の成績は物理や数学よりずっと良かった。そちらの方に進まなかっ た理由は単純ではないが語学(古文を含む)が壊滅的に出来なかったのも一つ の理由であった。

歴史に関しては従兄の影響も強いと思う。いわゆる城キチであった彼の影響で 私も城に関しては一家言を持つ。何しろ城郭体系を全巻持っている位だから (何たるお金の無駄。書棚の場所も取るし、評判は悪い)。もう一人、影響を与えて いるのは網野善彦である。この有名な歴史学者は近所に住んでいて、夫人が母と 同窓である関係と子供の年齢が近い(長男が一つ上、長女が同じ、次男はだいぶ下な) のでよく家に遊びに行った。網野さんは、長い事不遇で30年程前でも 名大の助手をやっていた。家の中は 鉄筋のアパートといえども軒が傾く位、本に溢れていた。そこで本屋では 簡単に手の入らない準専門的な 本を借りた事もあったが、所詮限界がある。むしろ、本に囲まれて うず高く積まれた本の中で熱心に勉強する長男を羨ましく 思ったりしたものである。ちょっと検索してみると 長男は駒場にいる 事が判明。今度行ったら寄ってみるか。長女も専修にいるな。次男の名前を 忘れたので検索はかけられないが, 彼が 東北大の院にいるときに会った。東洋史だったかな。あの暮らしをしていて 子供が学者にならないのは許されない様な雰囲気はあった。

話は変わるが、歴史好きにとって京都はまことに住みやすいところだ。例えば全国に 国宝は1000件程しかないが、その大半は京都、奈良、それから東京の博物館にある。 京都の国宝の件数は都道府県別では最多で 300件は下らないであろう。一方、前に住んでいた 宮城はわずか5件、愛知県も10件なかった。宮城に住んでいる時、歴史的な面での 物足りなさ は感じざるを得なかった。 もっとも京都と奈良を比較すると質の点では絶望的になる位に差がある。何しろ 京都の文化財(特に建物)は殆んど室町後期以降であるからその新しさにがっかり してしまう。

昨日は共同研究者と計算が一致しなかったのでTex noteを急拠作って送る。珍しく 僕の計算の方が正しかった。


6/16:

今日はこの人 とK大学のCさんと妙心寺、龍安寺に行った。妙心寺の東林院では沙羅双樹の花 を愛でる。退蔵院では珍しい庭に感嘆。 Cさんは日本建築史が専門なので 普段聞けないような解説をしてもらって楽しい一時を過した。物理より日本建 築史を研究した方が良かったのではなかったかと一瞬思ったが、それは錯覚だ ろう。


6/15:

午前中は境界の影響を考える。午後はJenkinsの論文の復習をして、昔の我々 の計算の誤りを訂正した。境界での圧力の値が確定。しかし本質的な問題には 肉薄できていない。


6/14:

雨の中で基研迄物性研究編集会議のため歩く。雑談の中で 研究会の事が話題 に上ぼる。面白そうな研究会であるが殆ど聴けそうもない 特に火曜の午前とか水曜とか物理的に聴く事が不可能な時間に面白そうな講演 が並んでいる。飯間君のはまともに聞いた事がないのにまたチャンスを逸した か。僕は(ふつうの)蝶は3次元性をうまく利用している事を知っており、そ のことを講義もした。それだけに 彼の2次元蝶が可能かどうかに興味があり、理論的にどうなっているのかを 整理して貰う意味で原稿を頼んだ。彼の日記 を見ると府大でもセミナーをする様だが、水曜の研究会の後に彼が時間が取れるな ら原稿の経過も含めて、会って議論 をしたいものだ。

今日はひたすら考えながら原稿を書いていたが、進まない。先週の金曜の議論 はいいのだが、土曜のはそのままでは矛盾してしまいそうだ。この問題は粉体 流の本質に関わる重要な問題なのでそんなに簡単に解決して貰っては困まると いう意識も片隅にはある。とりあえず原稿を送る。

大信田君が悩んでいる様だが、渦は境界からだったら完全流体でも発生する (Saffmannの本のChap.6を見るまでもなく、飯間君の話はまさにその事実を利 用している)。 そんなに悩む様な話には見えないのだが。(ただ同じバルクの式を扱って、一 方では渦が許されて、一方ではそうでないというのは確かに気持悪い。)彼が 何をどうしてどこで本当に詰っているのか分らないのでこれ以上のコメントは 出来無い。


6/13:

Rikvoldさんの セミナーと夕食会。彼と最初に会ったのはいつか覚えていないが(91年の 東和か?)しばしば日本に来る。Illinoisでも会った。彼は大学院の時、九大 の森研に留学しており、冨田さん、藤坂さんと共同研究をしている関係で何年 かに一回京都に長く滞在する。昨晩、九大に留学したいきさつを初めて聞いた。 修士卒で就職するつもりだった処、たまたま日本への留学生募集の案内を発見 し、(それも〆切2日前)、論文でよく知っている森研への留学を申請したと ころ採用された。九大への滞在によって初めてプロの研究者になろうと決意し たというから、運命は本当に微妙な処で決まる。

家の前に蛍。光が例年のものより強いか?家の近くの疎水から来たのであろう が、数はそれほどいない。数年前に高台寺にいったがあそこでは捕まえた蛍をわざわざ 池とかに放していた。高台寺よ りはUrabana-Champaignの方がずっと蛍が多かったが、まわりの人は気にとめている様子 はなかった。子供はfireflyではなくlighting bugと呼んでいたのが印象的で あった。実はもっと遥かに沢山の蛍を沢山見たのはAtlantaにおいてである。Emory大 学はAtlanta東南の丘陵地にあり(Atlanta自身はアパラチア山脈の南端にあた る)、至る処に蛍の成育に適した creekがあった。夕方に大学からアパートにとぼとぼ歩いて帰 える頃には文字通り乱舞していたのが強く印象に残っている。


6/12:

授業。相対論は調子に乘りすぎたかな。理系と同じではしんどいかもしれない。 理系的には丁寧ないい説明だったが彼等にはちんぷんかんぷんだったかも。流 体はsolitonの話。広田微分を使った証明にちとつまる。そこ以外は問題なし。

トリエステから連絡あり。ひどく混乱している様子である。御手洗さん のApplicationは受理されず、もう一回送れというメールが来るが僕と中西さ んを間違えていた。そもそも中西さんのApplicationは受理されたが御手洗さ んのは同じ封筒に入っていたのである。当事者ではないのでItalyらしい応対 を楽しんでいる。

shear flowのノートをTex化しつつある。間に合えばTriesteの内容はこっちに 変える。今日は5 page打ち込んだ。明日は時間が取れないから木曜に頑張るこ とにしよう。週末には共同研究者に初稿を送りたい。多分先週末の話の様にう まくは事が運ばないだろうが整理は必要である。


6/11:

昼に理学部の4年が訪ねてくる。彼は1998年の シミュレーション概論 の受講者で、当時1回生でありながら一番熱心で 優秀だった学生である。僕の授業を気にいってくれたみたいでその後にも何回 かメールをくれた。今回は大学院の進学に関する研究室訪問であった。 彼みたいな学生が進学してくれると嬉しいが, 多分理学 部に行ってしまうのであろう。

Refereeを2つ仕上げてようやく借金を返した気分。授業準備は相対論はかな り真面目にやったが連続体(ソリトンをやる予定)は前に書いたノートにあま り手を加えない。折角頭が研究モードになっているのでそれを執筆モードにす るのが嫌だからである。(そんな事を言っていると永久に本が書けない気もす るが)。

工事が五月蝿いので学生部屋で金君と議論。普通気体分子運動論では濃度展開 をしないし、すると既存の流体力学と矛盾する。ところがそのため温度勾配が ある場合には状態方程式は成り立たない。またエントロピーで定義した温度も 運動エネルギーで定義した温度も空間的に一定となってしまい観測される経験 温度(温度勾配あり)とは違う。こんな事すらすっきりと分らないのは驚くべ き事である。SSTに価値があるかどうかは分らないが、世間と我々の無知を自覚させ るのには役に立っている。Energy flux balanceで温度を定義すべきか?そん なものバランスする理由もないしなあ。

好村 さんが片岡日記 リンクに登場したので早速メールを送った(7日)。随分変なメールだったが、 主旨はsoft matter同士でもっと交流をしようという事である。もともと soft matterが研究分野といってもいいし、粉体はそのsubsetである。94年に 複合系という研究会を主宰したが、そのとき'soft matter'にしようという案 を出したが却下された。その後、お互いの多忙であまり交流がなくなってしまっ た。この状況はちょっと変である。本当は彼のイスラエル日記を物性研究に載 せる際に、彼のsoft matter観がもっと出てくれると良かったのであるが、岩 波の人はあの方が非専門家向きになって良かったと言っていた。Post Granular(今、御手洗さんとやっている話が目論見通り展開できたら、その後、 やめても構わないかもしれない)でsoft matter一般の動向を知るのが必要だと思う。

好村さんが「現代の凝縮系物理学」を誉めていたし、大信田君等も買って読ん でいる様なので、生協で眺める。しかしたいした事は書いていない印象。買う かどうか思案中。

明日の午後に金、土の話が破綻していないか確かめるためにノートをまとめる 予定。


6/9:

御手洗さんとの議論。密度profileはごく自然に説明できることが分った。ま た接線方向の静水圧にも考察を加えた。大筋はほぼ解決。後は具体的に解を求 め、数値計算の結果と比較するだけ。多分、これで粉体のずり流とpipe 流は 本質的に解決(ほんまかいな)。Micropolarの有効性を示すにはいい練習問題 になる。(大信田君のもどうみてもMicropolarだな。箸が回転できるから局所 的なtortionがかかったらMicropolar的な考察が絶対に必要になる)。 対等(以上?)の議論の相手がいると仕事が 進む。

何故かルイセンコ。物理学概論用に用意 したがどうもやる時間はなさそうだ。殆ど他人の話の受け売りだし、 物理と関係ないか。

やることが指数関数的に増大しかねないので整理すると

という風になっていて、やっぱり全部はとても出来そうもない。これでアメリ カ行きの話やそのための財団への申請とかやっていたら、やはり大変。ここ 3週間程研究に頭を集中できたのは例外的な幸せな日々だった。
6/8:

御手洗さんと議論。壁が大事なんだ。という事でまたまたかなり本質的な進展 があり。一体、今迄何をしていたのかと聞くのはなしにしましょう。

昼休みに某所で雨粒の大きさの限界が話題になっていた。これはCapillary waveが走ってこわれるのであるが、そのことを思い出すために修士の頃に買っ た「雲の物理」を久し振りに見る。結論、やっていることは昔とあまり違わな いなあ。(衝突、合体、分裂の話があって楽しいし、よく書けている)。実は 高橋さんは当時ハワイ大の教授だったが、私が九大にいくちょっと前に九大教 授として赴任された。その前から論文を送ったりしてやりとりはあったが、 残念ながらそっちの方向で論文を書く迄には至らなかった。勿体ないな今から 考えると。


6/7:

御手洗セミナー:1時半〜 . 3時間で終了。問題点をいろいろ指摘して貰う。 セミナー後、ずり流でストレステンソルの密度依存性と非等方性を物理的に考 えようという事になった。非弾性Boltzmannから計算できるかもしれないがそ れは金君の宿題。

Congress on Particle Technology の案 内が来る。魅力的ではないので行かない。

國仲君に教えて貰った 論文でPoisson比が-1〜0.5の範囲をはみ出す弾性体があることを論じてい る。面白いと思い中身を見てみるとMicropolar mediaではその制限が外れると いう事のようだ。 引用文献をたどって R. Lakesにたどりつく。PRLやScience,Natureでも話題になっているのか。知らん かった。


6/6:

研究会3日目。粉体セッション。午前は(駄洒落ではなく)粒揃い。御手洗さ んの発表は緊張して聴いていたがうまくこなしていた。中西さんのは確かに SSTと関連づきそう(ほんまかいな)。小松君の実験はきれい。本職はもう実 験ですな。午後では大信田君のが秀逸。いろいろ考えさせられたし、今後も考 える価値がありそうだ。気体分子運動論の議論はまだ続き、宿題がいっぱい出 た。ちゃんと意味がある話になりそうで面白くなってきた。


6/5:

研究会2日目。ポスターセッション。午前は三村さんの講演のうまさばかり印 象に残った。ポスターは説明する気力がなく少数の人に説明したのみ。むしろ SSTの議論をしたりしていた。しかし夏までには何とかしないといけないな。 量子ホール系も粉体と同じ問題意識で捉えうる と分ったのが収穫だった。


6/4:

研究会1日目。午前予行演習。午後SSTセッション。飛び入り?

前の発表の延長に消耗してSST自体はmildな反応。肝心な僕が発表と時間が気 になってcritical commentsが出来なかった。発表は時間ばかり気になった。何 せだいぶ押していたので。もっと議論が白熱してもよかったがdetailを議論す る程聴衆がexpertではなかったし、聴衆がポイントが掴める程のいい発表でもなかっ た。 興味をもって何人かは詳細を訊い て来たから無関心とか無視されたという訳ではない。中年組と飲み会。


6/3:

京都市民管弦楽団 のコンサート( プログラム)。


6/2:

午前は昨日のノートについての議論。よく考えないといけない。 それから研究会の発表の準備。飛び入り用のOHPを作る。ポスターはPG2001の OHPの下地。Referee1つ終了。

午後は御手洗さんが来て研究会の打ち合わせ。やはり真面目だな。僕だったら 風呂敷を広げて法螺話にするのに。

金君が「Momentum Fluxの計算で温度勾配の1次が残る」と言い出した。確か に積分範囲を0から∞にしたらそうなるかも。そうするとSSTとは合わない可 能性も出て来た?うーん。


6/1:

疲れ気味。先週の疲れが取れていないのか。

SST:深夜迄議論があった。結局、密度の低下を補ってあまりある圧力の上昇 があるという事か。そう思い計算をチェックすると確かに圧力P_{zz}が上がるか ら不思議だ。つまりSSTとconsistentになった。 だからまだ結果を100 %信用している訳ではないし、所々既存の 論文の結果を拝借した処もある。しかしとりあえず大急ぎでノートを作って、 佐々、田崎、大信田の各氏に送る。研究会で飛び入りをする材料は出来た訳だ。 ともかく金君には頑張って貰った。しかしこれで彼もkinetic theoryのexpert になっただろうし、本職に戻った時にこの経験が生きると思う。だけど kinetic theoryの結果が出せるのであればほんまに粉体に使えないのかとも 思う。彼等は確信があるだろう。僕は何しろSSTが見えていないのでどの位使 えるのか見当もつかないが。

Gordon conference . 行きたいけど時期が悪いかな。授業があるし。 しかし顔ぶれが似ている。友人になるのはいいが、そのSocietyに属して抜け られなくなるのも嫌だから難しい。この時期にもCornellに寄るのは可能か?