日記(3月)


3/24:

圧縮によるエネルギーの増加を見積る。また散逸力も見積る。結局エネルギー 増の考慮はあまり重要ではなかった。速度0の極限は一応矛盾がない様だが 弾性力がキャンセルする変な形。一階微分を落して散逸方程式として見る べきなのだろうが、すっきりと解決という感じではない。とりあえず2次元の処で時間切れ。3次元は学会中にホテル で考えますか。計算は難しくないだろう。


3/23:

やれやれ間に合ったかな。とりあえず2次元の計算は出来た。厳密解は使い難いか ら荒っぽい近似解を使って領域を区切って計算する。やはりsame orderになっ た。エネルギー散逸は対数補正を無視すると衝突速度に比例するので、従来 の速度の2乗(対数補正は無視)に比例する準静的な扱いより低速では重要に なる。物質パラメーター依存性がはっきりしているので公式としては使い易い だろう。特別な工夫もなく、方法はオーソドックスなんだが考えてみると変な 結果だ。速度0ではねかえり係数はsingularになる。おそらく物質の温度上昇 に伴うpotentialの上昇を考慮しないといけないが、この辺りをもう少し 考える必要がある。(結構、微妙な話ですね)。 高速衝突に繋ぐにはシミュレーショ ンが必要だが、それは後回しにして3次元をやっておくか。その方が実際上で は役に立つ。(それよりチェックが必要という話がある)。


3/22:

昨日貰った厳密解は非常にクリアでやさしい事を確認。いろいろ漸近解で試行 錯誤していたのがばかばかしくなる程だ。境界条件にまだ改善の余地があると のことなので一つ可能性を示した。それと言うのも自然な境界条件を課すとや や理論でのmicrorotationとDEMでのそれの一致に不満が残るからである。

2次元衝突は解決と思いきや、見積もりが甘く変な結果になった。仕方がな いので厳密なストレステンソルと圧縮、温度上昇を用いる。散逸率の計算はど うしようもない程繁雑になった。間に合うのか。究極の泥縄作業だな。しかし 学会に間に合わなくても(と言い訳モード)、質的に進展しつつあるのは目で たい(と思わないとやっていられない)。

科研費の報告書を提出。来年度は切替(しかも奨励は出せなくなった)なので 期待できないかもしれない。しかしいろいろあてにして計画を立ててしまった のでまずいことになるかも。


3/21:

御手洗さんよりMicropolarの厳密解のノートが来る。10日程前には漸近解もうま くいかないと嘆いていたのに厳密解を求めてしまうなんて!僕ももう少ししっ かりしないといけない。

熱による膨張から生じる散逸を考えているのだが、前(3/17)に書いた事は誤り で、内部散逸起源のものともMorgado-Oppenheimみたいな熱雑音起源のものと も違う様だ。直接は重心速度に比例する摩擦にはならない様である。散逸率は 圧縮力に比例する。衝突速度の関数としてはねかえり係数を近似的に求 めることは可能だと思う。数値解析の方法も含めて、もう少しつめないといけない。


3/19:

Traffic and Granular Flow '01の案内が来る。いろいろな意味でPG2001 よりずっとよくOrganizeされている様に思える。Registration Feeが格安なの は多くの人の参加を促すであろう。ここでは衝突ではなくて、斜面流の話をする 予定。

川崎さんより原稿への訂正メールがあった。細かい処まで見て頂いたので助か る。という訳で公開。一応川崎さんの了承を取ってある。


3/17:

熱に散逸の起源を求めても内部摩擦のときと同じ結果になることを確認。もっ とも今一歩きれいに解けない。シミュレーションをするにしてもうまくモード 解析が出来無いかもしれない。4階微分系のモードはどうなるのか?幾つかの 簡単な極限を先に論じるべきか。ちょっとシミュレーションは間に合わないか な。とりあえず無散逸系のデータの整理。重力下での振動等。

2月の研究会の原稿を書く。


3/15:

結局、弾性論が成り立つ領域では熱力学も成立するという当り前の事実を踏ま える事にした。従って温度場とカップルした方程式を解析する。散逸の起源は 諦めよう。 しかし今頃路 線変更していて間に合うのか?珍しく興に乗って計算していたら「会議に来い」 という有難い電話を頂戴してしまった。

川崎インタビューの原稿にコメントあり。やはりこっちが知っているとして書 いていない処が分らないみたいだ。という事で夕方から更に手を加える。知っ ている人にはくどいだろう。註釈が89で引用文献が58で、29ページもあるぞ。 もう論文だな。


3/14:

川崎さんのインタビューをまだぼちぼちと修正。註釈を沢山入れた。やや凝り 過ぎという気がする。御陰で時間が潰れてしまった。

1週間前の研究会での知り合い Jim McElwaineよりメールが来る。彼は間も無く帰国とのことであり、勿 体ない事をした気分である。やっている事は空気の効果が重要な斜面上の粒子流で ちょっと難しくて手が出ないかもしれない。最終的には何らかの意味で解析し たいとは思いますが。

ようやくそろりと衝突の問題を再開。ペースアップをしないといけないが 一朝一夕で片付かない問題である。今までは等温モデルだったから弾性波になった。 圧縮したって振動するのが当然である。 熱を考えたら格子が膨張するのでその影響がある。但し、熱を考えた時点で拡散が 入り、散逸は当り前になる。


3/13:

Web serverが復旧。先週は中西さんが来ていて、御手洗さんとの共同研究の議 論が進んだ。やはり間違いが発見されたが、その御陰でMicrorotationもうま くいく可能性が出て来た。もっとも計算もより複雑になった。今週は御手洗さんがい なくなったので、ちょっと調子が狂ってしまう。

3/7は阪大での研究会。自分の発表はともかく、他の発表をまずまず楽めた。 それより何より午前中に辻研を見学したのが楽しかった。何時見ても楽しい。 しかし物理として記述できる日が来るのだろうか。

川崎さんのインタビュー記事は、川崎さんがもうすぐ日本から出ることを思い 出し、急拠書き上げた。川崎さんに見せて問題がなければ公開する。引用文献 を調べる際に Web of Science を利用したが、ここで引用度数もついてくる。当り前だが大論文は沢山引用さ れている。自分の論文ははっきり言って情け無い状態である。こういうのがある と、人事の時に使われるのであろうと思う。引用数だけが意味を持つ訳ではな いが、大論文は引用されているのも事実である。残る論文を書きたいものだと 改めて感じた。

宮下さんより電話。今一歩どう書いていいのか分らないサイエンス社の本の方 向はかなりはっきりしてきた。相当長くなりそうだが、Go signが出たと思っ て突っ走ることは可能だ。


3/3:

同志社に行く。御手洗さんとの極性流は本家でも評判は上々。collisonalなも のからfrictionalなものへの遷移はどうなっているのか、固化したらどうなる のか疑問はつきない。同志社では衝突実験もはじめている。非常に面白い結果 を出しているだけに早く実験に追い付く必要がある。僕の話を紹介して私用で 先に抜けた。なかなか有意義だったがおしむらくは時間がたりなかった事。今 度はもっとしっかり議論したい。


3/2:

結局、繁雑さ故に走行方向の解析は、すぐにはできないだろうという事でとり あえず中西さんに説明するために説明/まとめモードに入る事になった。とは いえ会議とか、事務仕事、ややこしい私事等が入って何もできない日だった。

明日は同志社に行って議論。傾斜流れや極性流体の先輩だけにいろいろ聞きた いことがある。来週は殆どWebのserver machineは落ちているという話だ。だ から日記も(月曜位しか)更新できないであろう。


3/1:

酒の席が続いたせいかどうも調子が悪い。そのせいか繁雑な計算に嫌気がさし ている。方針は昨日のでいい筈だが、どうも計算できる様な気がしない。酒で 時間とお金と健康を無駄にしているようだ。自制せねば。

昨日の打ち上げでは市來のオランダ行きが公表された。 U. of Twenteである。かつて Wijingaardenがいた処だ。新しいボスは有能そうなので日本で腐っているより はいい選択だと思う。健闘を期待したい。

小田稔さんの逝去の報が入る。父のよき理解者であり、ライバルでもあった 星の王子様のやや唐突な訃報である。最近のAstro-Eの打ち上げ失敗や文部行 政の混乱をどう思われたのであろうか。哀悼の意を捧げたい。(そう言えば 昨年de Gennesが小田さんのお嬢さんの話をしていたのには驚かされた。しか し彼女は化学物理の理論家でフランスに職を持つのだから驚くには値しないの かもしれない。)