原子核物理学1 (4回生前期)


○講義時間:木曜日、第2時限(10:30-12:00)
○講義室 :6号館207号室
○講義の概要:
  現代の原子核物理は核子・中間子の多体系からクォーク・ハドロンの多体系まで
  扱う広大な分野となって著しく発展している。この講義では,このような現代
  原子核物理への入門として,原子核物理学の歴史的発展の経緯と原子核に対する
  基本的な概念を易しく解説する。原子核という奇妙な物質に対する描像の変遷を
  たどり,最新の描像を紹介し,将来を展望する。
      1. 核構造物理学とは.....................................その概観
      2. 前史......... 原子核とその構成要素の発見 .........(1896-1935)
      3. 複合核モデルと核分裂の発見 .....................,,(1936-1945)
      4. j-j結合シェルモデルの成立 ........................(1947-1953)
      5. 原子核の変形と集団運動 ........対称性の破れと回復 (1950-1959)
      6. 対相関と凖粒子.............量子多体系としての原子核 (1960 --)
      7. 多様な集団現象の発見.......巨大共鳴、高速回転、超変形 (1970 --)
      8. シェル構造の非線形力学.............超低温状態における秩序形成
      9. 高励起状態の探求 ..................原子核におけるカオスと秩序
     10. 不安定核研究の始まり ........................................
○参考図書:
  * 杉本健三、村岡光男、原子核物理学(共立出版、1988)
  * X線からクオークまで -- 20世紀の物理学者たち、エミリオ.セグレ、
     久保亮五、矢崎裕二訳(みすず書房、1982)
  * 野上茂吉郎、原子核(基礎物理学選書13)(裳華房、1973)
  * 永江知文、氷宮正治、原子核物理学(裳華房テキストシリーズ,2000)
  * 市村宗武、坂田文彦、松柳研一、原子核の理論(現代物理学叢書)
     (岩波書店、2001)  
  * 朝永振一郎、スピンはめぐる -- 成熟期の量子力学、
     (中央公論社、1974)

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