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quantumespresso:構造緩和

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quantumespresso:構造緩和 [2018/11/25 19:12]
koudai [原子位置の構造緩和]
quantumespresso:構造緩和 [2020/06/27 15:13]
koudai [原子位置の構造緩和]
Line 2: Line 2:
  
 構造緩和計算により、結晶の安定な構造を求めます。 構造緩和計算により、結晶の安定な構造を求めます。
- 
 構造緩和には次の2通りの方法があります。 構造緩和には次の2通りの方法があります。
  
-  - 格子定数はそのままで、単位胞内の原子の位置について構造緩和 +  - 格子定数はそのままで、単位胞内の原子の内部座標最適化 
-  - 単位胞の原子位置はそのままで、格子定数についての構造緩和+  - 内部座標とともに格子定数も変化させる構造緩和
  
 通常は2つを繰り返すことで、安定な結晶構造を探します。 通常は2つを繰り返すことで、安定な結晶構造を探します。
Line 48: Line 47:
 ^変数^初期値^説明^ ^変数^初期値^説明^
 |etot_conv_thr|1.d-4|構造緩和の各ステップで、エネルギーの変化がこの値よりも小さくなったときに収束したと判断する。初期値のままだと粗いので小さくする。| |etot_conv_thr|1.d-4|構造緩和の各ステップで、エネルギーの変化がこの値よりも小さくなったときに収束したと判断する。初期値のままだと粗いので小さくする。|
-|forc_conv_thr|1.d-3|構造緩和の各ステップで、原子に加わる力の変化がこの値よりも小さくなったときに収束したと判断する。こちらも初期値だと粗い。|+|forc_conv_thr|1.d-3|構造緩和の各ステップで、原子に加わる力の変化がこの値よりも小さくなったときに収束したと判断する。こちらも初期値だと粗いので小さくする。|
  
 +DFTで求められる程度の原子位置の精度なので、多くの場合は収束の厳しさはここで指定した値で十分です。
 また、relax計算の際は&ionsという項目が必要です。 ここに必要に応じて構造緩和計算のオプションを書き加えますが、今はデフォルトのままとします。 また、relax計算の際は&ionsという項目が必要です。 ここに必要に応じて構造緩和計算のオプションを書き加えますが、今はデフォルトのままとします。
  
Line 149: Line 149:
  
   * vc-relax計算は原子位置の緩和も同時に行っています。ほとんどの場合は同時緩和はうまくいかないので、先にrelax計算を行った上でvc-relaxを実行しましょう。   * vc-relax計算は原子位置の緩和も同時に行っています。ほとんどの場合は同時緩和はうまくいかないので、先にrelax計算を行った上でvc-relaxを実行しましょう。
-  * vc-relax計算で構造緩和を行うとき、計算に必要なパラメータは最初の格子定数と原子位置の計算から出したものを使い続けます。収束するまでvc-relax計算を繰り返してください。+  * vc-relax計算で構造緩和を行うとき、計算に必要なパラメータは最初の格子定数と原子位置の計算から出したものを使い続けます。結果が変わらなくなるまでvc-relax計算を繰り返してください。
   * conv_thrが大きいと、出力ファイルに"SCF correction compared to forces is large: reduce conv_thr to get better values"と注意が出てくるので小さくしましょう。   * conv_thrが大きいと、出力ファイルに"SCF correction compared to forces is large: reduce conv_thr to get better values"と注意が出てくるので小さくしましょう。
   * 構造緩和の結果、結晶が別の対称性になってしまう場合、プログラムが以下のエラーを出して止まってしまいます。その場合は&systemに対称性を考慮しないというオプションnosym=.true.を加えてください。   * 構造緩和の結果、結晶が別の対称性になってしまう場合、プログラムが以下のエラーを出して止まってしまいます。その場合は&systemに対称性を考慮しないというオプションnosym=.true.を加えてください。
Line 164: Line 164:
 ====== 金属の場合 ====== ====== 金属の場合 ======
  
-金属の場合はFermi面の情報が必要ですので、+金属の場合はフェルミ面の情報が必要ですので、&systemに
  
   occupations='tetrahedra_opt'   occupations='tetrahedra_opt'
  
-使用してください。 +追加してください。
-このときのk点は、原点を含む +
-  K_POINTS automatic +
-    12 12 12 0 0 0 +
-などとします+
  
 * http://qe-forge.org/pipermail/pw_forum/2017-October/114051.html * http://qe-forge.org/pipermail/pw_forum/2017-October/114051.html
  
 +
 +
 +====== 擬ポテンシャルについて ======
 +
 +一般に構造最適化で得られた格子定数は、PZ型などのLDA計算では過小評価され、PBE型などのGGA計算では過大評価されます。
 +最近ではPBEを改善したPBESOLという交換相関ポテンシャルが実験の格子定数をよく再現するということで、構造最適化計算に使われることが多いです。
quantumespresso/構造緩和.txt · Last modified: 2024/03/30 23:58 by koudai