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quantumespresso:構造緩和 [2020/06/27 15:53] koudai [注意] |
quantumespresso:構造緩和 [2021/06/27 22:04] 127.0.0.1 external edit |
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Line 15: | Line 15: | ||
格子定数はそのままに、単位胞内の原子の位置を緩和させます。 Siの単位胞内における原子の位置は、格子定数を単位として安定な構造で(0, | 格子定数はそのままに、単位胞内の原子の位置を緩和させます。 Siの単位胞内における原子の位置は、格子定数を単位として安定な構造で(0, | ||
- | <file - si.relax.in> | + | <file - Si.relax.in> |
& | & | ||
| | ||
- | | + | |
- | | + | |
- | | + | |
| | ||
| | ||
Line 59: | Line 59: | ||
実行は次のようにします。 | 実行は次のようにします。 | ||
- | $ pw.x < si.relax.in > si.relax.out | + | $ pw.x < Si.relax.in > Si.relax.out |
結果は次のようになります。 | 結果は次のようになります。 | ||
- | <file - si.relax.out> | + | <file - Si.relax.out> |
(略) | (略) | ||
Begin final coordinates | Begin final coordinates | ||
Line 84: | Line 84: | ||
Siの格子定数はボーア半径単位で10.2程度ですが、ここから少しずらして構造緩和をさせてみます。 | Siの格子定数はボーア半径単位で10.2程度ですが、ここから少しずらして構造緩和をさせてみます。 | ||
- | <file - si.vc-relax.in> | + | <file - Si.vc-relax.in> |
& | & | ||
| | ||
- | | + | |
- | | + | |
- | | + | |
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Line 117: | Line 117: | ||
実行は次のようにします。 | 実行は次のようにします。 | ||
- | $ pw.x < si.vc-relax.in > si.vc-relax.out | + | $ pw.x < Si.vc-relax.in > Si.vc-relax.out |
結果は次のとおりです。 | 結果は次のとおりです。 | ||
- | <file - si.vc-relax.out> | + | <file - Si.vc-relax.out> |
(略) | (略) | ||
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Line 150: | Line 150: | ||
* vc-relax計算は原子位置の緩和も同時に行っています。同時緩和はうまくいかないことがあるので、先にrelax計算を行った上でvc-relaxを実行しましょう。 | * vc-relax計算は原子位置の緩和も同時に行っています。同時緩和はうまくいかないことがあるので、先にrelax計算を行った上でvc-relaxを実行しましょう。 | ||
* vc-relax計算で構造緩和を行うとき、計算に必要なパラメータは最初の格子定数と原子位置の計算から出したものを使い続けます。結果が変わらなくなるまでvc-relax計算を繰り返してください。 | * vc-relax計算で構造緩和を行うとき、計算に必要なパラメータは最初の格子定数と原子位置の計算から出したものを使い続けます。結果が変わらなくなるまでvc-relax計算を繰り返してください。 | ||
+ | * ecutwfcやk点数は多めに必要ですので、これらのパラメタについて収束を確認するようにします。 | ||
* conv_thrが大きいと、出力ファイルに" | * conv_thrが大きいと、出力ファイルに" | ||
- | * 構造緩和の結果、結晶が別の対称性になってしまう場合、プログラムが以下のエラーを出して止まってしまいます。その場合は& | + | * 構造緩和の結果、結晶が別の対称性になってしまう場合、プログラムが以下のエラーを出して止まってしまいます。その場合は& |
< | < | ||
%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% | %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% | ||
Line 166: | Line 167: | ||
金属の場合はフェルミ準位の情報が必要ですので、& | 金属の場合はフェルミ準位の情報が必要ですので、& | ||
- | occupations=' | + | occupations=' |
を追加してください。 | を追加してください。 | ||
+ | degaussの値はk点数に応じて適切な値を入れてください。 | ||
+ | |||
+ | また、k点数が十分たくさんとれる場合は | ||
+ | |||
+ | occupations=' | ||
+ | |||
+ | を使用することもできます。 | ||
+ | |||
* http:// | * http:// | ||
Line 176: | Line 185: | ||
====== 擬ポテンシャルについて ====== | ====== 擬ポテンシャルについて ====== | ||
- | 一般に構造最適化で得られた格子定数は、PZ型などのLDA計算では過小評価され、PBE型などのGGA計算では過大評価されます。 | + | * 一般に構造最適化で得られた格子定数は、PZ型などのLDA計算では過小評価され、PBE型などのGGA計算では過大評価されます。 |
- | 最近ではPBEを改善したPBESOLという交換相関ポテンシャルが実験の格子定数をよく再現するということで、構造最適化計算に使われることが多いです。 | + | |
+ | * 格子定数を求めるのはいろいろな困難があるので、実際の運用では格子定数は測定値を使用し、内部座標についてのみ最適化を行うことが多いです。 |