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quantumespresso:構造緩和 [2020/07/27 18:38] koudai [金属の場合] |
quantumespresso:構造緩和 [2022/10/13 20:36] koudai [擬ポテンシャルについて] |
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Line 83: | Line 83: | ||
Siの格子定数はボーア半径単位で10.2程度ですが、ここから少しずらして構造緩和をさせてみます。 | Siの格子定数はボーア半径単位で10.2程度ですが、ここから少しずらして構造緩和をさせてみます。 | ||
+ | Si.relax.inをコピーしてSi.vc-relax.inを作成します。 | ||
+ | 以下の変更を行います | ||
+ | * calculation=' | ||
+ | * < | ||
+ | * (任意)press_conv_thrを指定 | ||
<file - Si.vc-relax.in> | <file - Si.vc-relax.in> | ||
Line 103: | Line 108: | ||
/ | / | ||
&cell | &cell | ||
+ | press_conv_thr = 0.1 | ||
/ | / | ||
ATOMIC_SPECIES | ATOMIC_SPECIES | ||
Line 113: | Line 119: | ||
</ | </ | ||
- | 今度はcalculation=' | + | ^変数^初期値^説明^ |
+ | |press_conv_thr|0.5 (kbar)|構造緩和の各ステップで、単位胞に加わる力がこの値よりも小さくなったときに収束したと判断する| | ||
実行は次のようにします。 | 実行は次のようにします。 | ||
Line 150: | Line 157: | ||
* vc-relax計算は原子位置の緩和も同時に行っています。同時緩和はうまくいかないことがあるので、先にrelax計算を行った上でvc-relaxを実行しましょう。 | * vc-relax計算は原子位置の緩和も同時に行っています。同時緩和はうまくいかないことがあるので、先にrelax計算を行った上でvc-relaxを実行しましょう。 | ||
* vc-relax計算で構造緩和を行うとき、計算に必要なパラメータは最初の格子定数と原子位置の計算から出したものを使い続けます。結果が変わらなくなるまでvc-relax計算を繰り返してください。 | * vc-relax計算で構造緩和を行うとき、計算に必要なパラメータは最初の格子定数と原子位置の計算から出したものを使い続けます。結果が変わらなくなるまでvc-relax計算を繰り返してください。 | ||
+ | * ecutwfcやk点数は多めに必要ですので、これらのパラメタについて収束を確認するようにします。 | ||
* conv_thrが大きいと、出力ファイルに" | * conv_thrが大きいと、出力ファイルに" | ||
* 構造緩和の結果、結晶が別の対称性になってしまう場合、プログラムが以下のエラーを出して止まってしまいます。その場合は& | * 構造緩和の結果、結晶が別の対称性になってしまう場合、プログラムが以下のエラーを出して止まってしまいます。その場合は& | ||
Line 169: | Line 177: | ||
を追加してください。 | を追加してください。 | ||
- | degaussの値はk点数によって変わります。 | + | degaussの値はk点数に応じて適切な値を入れてください。 |
また、k点数が十分たくさんとれる場合は | また、k点数が十分たくさんとれる場合は | ||
Line 184: | Line 192: | ||
====== 擬ポテンシャルについて ====== | ====== 擬ポテンシャルについて ====== | ||
- | 一般に構造最適化で得られた格子定数は、PZ型などのLDA計算では過小評価され、PBE型などのGGA計算では過大評価されます。 | + | * 一般に構造最適化で得られた格子定数は、PZ型などのLDA計算では過小評価され、PBE型などのGGA計算では過大評価されます。 |
- | 最近ではPBEを改善したPBESOLという交換相関ポテンシャルが実験の格子定数をよく再現するということで、構造最適化計算に使われることが多いです。 | + | |
+ | * 格子定数を求めるのはいろいろな困難があるので、実際の運用では格子定数は測定値を使用し、内部座標についてのみ最適化を行うことも多いです。 |