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quantumespresso:respack [2020/08/14 13:35] koudai [分極関数の計算] |
quantumespresso:respack [2020/12/31 18:10] koudai [概要] |
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Line 8: | Line 8: | ||
* https:// | * https:// | ||
* 日本語および英語のマニュアルでは使用例とその結果が充実しているので、初心者でも特に困ることはないと思います | * 日本語および英語のマニュアルでは使用例とその結果が充実しているので、初心者でも特に困ることはないと思います | ||
- | | + | |
+ | * arXiv: https:// | ||
+ | * 出版されたもの: https:// | ||
+ | * 計算は非常に重いので、研究室にあるような普通の計算機ですとユニットセルに原子が5, 6個くらいの物質が限界かと思われます。スパコンを使えば10数個くらい行けるかもしれません | ||
* f電子系やスピン軌道相互作用がある系には非対応 | * f電子系やスピン軌道相互作用がある系には非対応 | ||
- | * 擬ポテンシャルはノルム保存型のものにのみ対応しています。例えば以下のサイトからダウンロードできます | + | * 擬ポテンシャルはノルム保存型を使用する必要があります。例えば以下のサイトからダウンロードできます |
* http:// | * http:// | ||
* https:// | * https:// | ||
Line 115: | Line 118: | ||
1 2 3 4 5 6 7 8 9 !o: N_write_wannierを指定したときの、計算したいワニエ軌道の番号 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 !o: N_write_wannierを指定したときの、計算したいワニエ軌道の番号 | ||
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- | Ecut_for_eps | + | Ecut_for_eps |
Num_freq_grid | Num_freq_grid | ||
N_CALC_BAND | N_CALC_BAND | ||
Line 126: | Line 129: | ||
ttrhdrn_dmna | ttrhdrn_dmna | ||
ttrhdrn_dmnr | ttrhdrn_dmnr | ||
- | flg_cRPA | + | flg_cRPA |
flg_calc_type | flg_calc_type | ||
& | & | ||
Line 145: | Line 148: | ||
たとえばPWscfの入力ファイルが prefix.scf.in だった場合、次のようにします。 | たとえばPWscfの入力ファイルが prefix.scf.in だった場合、次のようにします。 | ||
< | < | ||
- | $ mpirun -n 24 < prefix.scf.in > prefix.scf.out | + | $ mpirun -n 2 < prefix.scf.in > prefix.scf.out |
</ | </ | ||
* 既約k点の情報が必要なので、SCF計算 (ネームリスト< | * 既約k点の情報が必要なので、SCF計算 (ネームリスト< | ||
Line 186: | Line 189: | ||
* MPI_num_proc_per_qcommには、qの各点の計算に使用するスレッド数を指定します | * MPI_num_proc_per_qcommには、qの各点の計算に使用するスレッド数を指定します | ||
* MPIのプロセス数は MPI_num_proc_per_qcomm * MPI_num_qcomm に一致させます | * MPIのプロセス数は MPI_num_proc_per_qcomm * MPI_num_qcomm に一致させます | ||
- | * この計算に一番時間がかかります | + | * 励起状態の計算になるので、多くの非占有バンドを取り入れる必要があります |
- | * バンドの数、カットオフ、k点数、ユニットセルの体積に比例して非常に多くのメモリを消費します | + | * バンドの数、エネルギーカットオフ、k点数、ユニットセルの体積に比例して非常に多くのメモリを消費します |
* 観測される物理量としての光学応答を調べたければ通常のRPAを、相互作用パラメータを求めたければ制限RPAを使用します。それぞれ収束に必要なパラメータは異なるので注意してください。 | * 観測される物理量としての光学応答を調べたければ通常のRPAを、相互作用パラメータを求めたければ制限RPAを使用します。それぞれ収束に必要なパラメータは異なるので注意してください。 | ||
* 一般に、通常のRPAの方が計算コストが大きいです | * 一般に、通常のRPAの方が計算コストが大きいです | ||
Line 194: | Line 197: | ||
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- | 事前に制限RPA法(calc_chiqw で flg_cRPA=1)を使った計算が必要です。 | + | 事前に制限RPA法(calc_chiqw で flg_cRPA=1)を使ったすべてのq (flg_calc_type = 0) での計算が必要です。 |
* 直接相互作用< | * 直接相互作用< | ||
Line 208: | Line 211: | ||
====== 計算の収束 ======= | ====== 計算の収束 ======= | ||
- | 分極関数の計算で収束させなければならないパラメータは次の2つです | + | 分極関数の計算で収束させなければならないパラメータは次の3つです |
- | * k点数 | + | * k点数(SCF計算) |
* N_CALC_BAND ... バンドの数 | * N_CALC_BAND ... バンドの数 | ||
* Ecut_for_eps ... 分極関数のカットオフ (Ry) | * Ecut_for_eps ... 分極関数のカットオフ (Ry) | ||
Line 216: | Line 219: | ||
最初は次の値を使用します | 最初は次の値を使用します | ||
- | * k点数 ... SCF計算で全エネルギーを収束させたもの | + | * k点数 ... ワニエでバンドが再現できる最低限の数 |
- | * Ecut_for_eps ... ecutwfcの1/ | + | * Ecut_for_eps ... 3, 4, 5 Ryあたりで計算して様子を見る |
- | 次の手順で収束させます(flg_calc_type=1としてEELSの結果をプロットして収束を確認するのが便利です) | + | 次の手順で収束させます |
- | - 多めの数のnbndでSCF計算を実行する(最初は非占有状態のバンドが50本くらいになるか、あるいはフェルミ準位より2,30eV程度上のバンドが入るくらいで試すと良い) | + | - 多めの数のnbndでSCF計算を実行する(最初はフェルミ準位より50eV程度上のバンドが入るくらいで試すと良い) |
- | - (制限RPAの場合)相互作用の大きさを求めたい軌道のワニエ基底を計算する。 | + | - 相互作用の大きさを求めたい軌道のワニエ基底を計算する。 |
- | - N_CALC_BAND に関して分極関数を収束させる。足りなくなったらnbndを増やしたSCF計算を再び行う | + | - N_CALC_BAND に関して計算を収束させる。足りなくなったらnbndを増やしたSCF計算を再び行う |
- | - Ecut_for_eps に関して計算を収束させる。 | + | - Ecut_for_eps に関して計算を収束させる |
- | - SCF計算でk点数を増やし、分極関数を収束させる | + | - N_CALC_BANDの収束をチェックする |
+ | - SCF計算でk点数を増やし、計算を収束させる | ||
- | 有効相互作用を求める場合は、さらに Num_freq_grid(周波数のグリッド数)を増やして有効相互作用の値の収束を確認しましょう。 | + | |
+ | * 有効相互作用を求める場合は、さらに Num_freq_grid(周波数のグリッド数)を増やして有効相互作用の値の収束を確認しましょう。 | ||
+ | * 計算が重いので、有効相互作用の有効数値は2桁出すのが精一杯かもしれません | ||