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wien2k:電場勾配 [2020/03/31 20:24] koudai |
wien2k:電場勾配 [2020/04/01 21:04] koudai [例:CaGa4] |
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Line 3: | Line 3: | ||
* WIEN2kではSCF計算の際に、NQR周波数を求めるのに使われる電場勾配 (EFG) の計算も同時に行ってくれます。 | * WIEN2kではSCF計算の際に、NQR周波数を求めるのに使われる電場勾配 (EFG) の計算も同時に行ってくれます。 | ||
- | ====== 注意 ====== | ||
- | |||
- | * 収束は非常に遅いので< | ||
- | $ grep ": | ||
- | * 収束してないようでしたら、run_lapwでオプション-ccを使って、電荷の収束をより厳しい条件で再計算してください。 | ||
- | * また、k点数に対しても収束が遅いので、必ずk点数を変化させて収束を確認してください | ||
- | * 周辺の原子位置に敏感な量ですので、構造最適化を行った後に計算することをおすすめします。 | ||
- | ===== 例:CaGa4 ===== | + | ====== 例:CaGa4 |
以下の論文の結晶構造から作成しました。 | 以下の論文の結晶構造から作成しました。 | ||
Line 49: | Line 42: | ||
* https:// | * https:// | ||
- | ====== 電場勾配 ====== | ||
- | case.scf0 を開いてください。 | + | 収束を厳し目にして、通常のSCF計算を実行します |
- | 以下はCaGa4の例です。 | + | |
+ | < | ||
+ | $ init_lapw -b -numk 20000 -rkmax 7.5 | ||
+ | $ run_lapw -ec 0.000001 -cc 0.000001 -i 100 -p | ||
+ | </ | ||
+ | |||
+ | ===== 計算結果 ===== | ||
+ | |||
+ | SCF計算が終了したら CaGe4.scf0 を開いてください | ||
<file - CaGe4.scf0> | <file - CaGe4.scf0> | ||
Line 73: | Line 73: | ||
: | : | ||
</ | </ | ||
- | が1番目の原子のEFG計算の結果です。 | + | が1番目(今の例ではCa)の原子のEFG計算の結果です。 |
- | ===== 電場勾配 | + | ==== 電場勾配 ==== |
: | : | ||
Line 96: | Line 96: | ||
- | ===== 電気四重極テンソル | + | ==== 電気四重極テンソル ==== |
0.01496 | 0.01496 | ||
Line 116: | Line 116: | ||
右側が主軸変換(対角化)後の結果で、固有値の絶対値が大きい順に$|V_{zz}| \geq |V_{yy}| \geq |V_{xx}|$と定義されますので、$V_{zz} = 0.65471$, $V_{yy} = -0.35714$, , $V_{xx} = -0.29757$です。 | 右側が主軸変換(対角化)後の結果で、固有値の絶対値が大きい順に$|V_{zz}| \geq |V_{yy}| \geq |V_{xx}|$と定義されますので、$V_{zz} = 0.65471$, $V_{yy} = -0.35714$, , $V_{xx} = -0.29757$です。 | ||
- | ===== 主軸回転 | + | ==== 主軸回転 ==== |
MAIN DIRECTIONS OF THE EFG | MAIN DIRECTIONS OF THE EFG | ||
Line 126: | Line 126: | ||
- | ===== 非対称パラメータ | + | ==== 非対称パラメータ ==== |
: | : | ||
非対称パラメータ $\eta = \frac{V_{xx} - V_{yy}}{V_{zz}}$ の値です。 | 非対称パラメータ $\eta = \frac{V_{xx} - V_{yy}}{V_{zz}}$ の値です。 | ||
+ | |||
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+ | ====== 注意 ====== | ||
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+ | * SCF計算の各ステップでの電場勾配の値は< | ||
+ | $ grep ": | ||
+ | * k点数に対しても収束が遅いので、必ずk点数に関する収束も確認してください。特に金属の場合はかなり多くのk点をとらないと収束しません。 | ||
+ | * 周辺の原子位置に敏感な量ですので、実験と合わないときは構造最適化を行ってから計算してみるのも一つの手です。 | ||
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