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wien2k:scf計算

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wien2k:scf計算 [2017/10/28 01:11]
koudai [SCF計算の実行]
wien2k:scf計算 [2017/10/31 16:14]
koudai [CIFファイルからstructファイルを生成する方法]
Line 123: Line 123:
  
 実際にWIEN2kを使った第一原理計算を行うときは、対話形式でstructファイルを作成するよりもCIFファイルから生成することが多くなると思います。 実際にWIEN2kを使った第一原理計算を行うときは、対話形式でstructファイルを作成するよりもCIFファイルから生成することが多くなると思います。
-上記のサイトからCIFファイルをダウンロードし、作業ディレクトリに保存します。+上記のサイトからCIFファイルをダウンロードし、ファイル名をTiC.cifに変更して作業ディレクトリに保存します。
  
 用意ができたら、プログラムcif2structを使ってstructファイルに変換します。 用意ができたら、プログラムcif2structを使ってstructファイルに変換します。
  
 <code> <code>
-\ cif2struct 5910091.cif+\ cif2struct TiC.cif
 </code> </code>
  
-5910091.structというファイルができますので適当な名前に変更しておきます。+これで入力ファイルTiC.structができます。 
 +ただしこのままだとマフィンチン半径$R_{\rm MT}$が正く設定されいないので計算します。
  
 <code> <code>
-$ mv 5910091.struct TiC.struct+\ setrmt_lapw TiC
 </code> </code>
 +
 +マフィンチン半径が正しく設定された入力ファイルTiC.struct_setrmtというファイルができるので、さきほどの入力ファイルに上書きします。
 +
 +<code>
 +\ mv -f TiC.struct_setrmt TiC.struct
  
  
Line 149: Line 155:
 </code> </code>
  
-ここでオプション-bはバッチモードで、これをつけることで指定のもの以外はすべてデフォルトの値に設定されます。 +ここでオプション-bはバッチモードで、これをつけることで指定のもの以外はすべてまとめてデフォルトの値に設定されます。 
-なお、他の設定はオプション-hにより参照できます。+他の設定はオプション-hにより参照できます。
  
 <code> <code>
Line 161: Line 167:
 これで準備が整いましたので、計算を実行します。 これで準備が整いましたので、計算を実行します。
 プログラムrun_lapwを使用します。 プログラムrun_lapwを使用します。
 +structファイル名などの指定は、プログラムが自動で見つけてくれるので不要です。
  
 <code> <code>
-$ run_lapw -ec 0.0001 -cc 0.0001+$ run_lapw -ec 0.0001 -cc 0.0001 -i 100
 </code> </code>
  
 ここでオプション-ecはエネルギーの収束で、オプション-ccは電荷の収束です。 ここでオプション-ecはエネルギーの収束で、オプション-ccは電荷の収束です。
 デフォルトはエネルギーの収束しか見ませんが、電荷の収束も見ておいたほうが無難です。 デフォルトはエネルギーの収束しか見ませんが、電荷の収束も見ておいたほうが無難です。
 +また、オプション-iで最大何回までSCF計算を行うかを指定できます。
 +
 他のオプションはオプション-hで確認できます。 他のオプションはオプション-hで確認できます。
  
Line 174: Line 183:
 </code> </code>
  
-実行後、いろいろファイルができますが、重要なはTiC.scfです。+実行後、いろいろファイルができますが、計算の経過や重要な情報はTiC.scfで確認できます。
 今回は金属なのでフェルミエネルギーが出力されています。 今回は金属なのでフェルミエネルギーが出力されています。
-半導体であればギャップサイズ出力されます。+半導体であればエネルギーギャップがわかります。
  
 これで電子状態が得られましたので、これをもとに状態密度やバンド分散などを計算することになります。 これで電子状態が得られましたので、これをもとに状態密度やバンド分散などを計算することになります。
  
 +
 +====== k点数の変更 ======
 +
 +計算の収束を見るために、k点数を変更したいとします。
 +再びプログラムinit_lapwを走らせると、すべての設定が初期化されますので(今はすべてデフォルトなのでさほど問題ないですが)、k点数だけ変更するためにプログラムx_lapwを使います。
 +
 +<code>
 +$ x_lapw kgen
 +  NUMBER OF K-POINTS IN WHOLE CELL: (0 allows to specify 3 divisions of G)
 +2000
 + length of reciprocal lattice vectors:   1.342   1.342   1.342  12.599  12.599  12.599
 +          72  k-points generated, ndiv=          12          12          12
 +KGEN ENDS
 +0.0u 0.0s 0:05.99 0.6% 0+0k 0+304io 0pf+0w
 +</code>
 +
 +再び計算を実行するには、TiC.broydXを削除してからrun_lapwを実行します。
 +
 +<code>
 +$ rm *.broyd*
 +$ run_lapw -ec 0.0001 -cc 0.0001
 +</code>
 +
 +なお、case.broydXを削除せずにrun_lapwを実行した場合は、60秒後に自動で削除してSCF計算がスタートします(その間にジョブのキャンセルが可能です)。
 +
 +
 +====== ジョブの一時停止 ======
 +
 +ジョブを一旦止めたい時には、作業ディレクトリに.stopという名前の空のファイルを置けばよいようになっています。
 +
 +<code>
 +$ touch .stop
 +</code>
  
wien2k/scf計算.txt · Last modified: 2023/04/23 19:47 by koudai