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wien2k:scf計算

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wien2k:scf計算 [2017/10/28 01:44]
koudai
wien2k:scf計算 [2018/07/15 21:44]
koudai [計算の設定の初期化]
Line 20: Line 20:
  
 作業ディレクトリTiCを作成し、その中で作業します。 作業ディレクトリTiCを作成し、その中で作業します。
 +作業ディレクトリ名は必ずプロジェクト名と同じにします。
 ターミナルを立ち上げて、次のように入力します。 ターミナルを立ち上げて、次のように入力します。
  
Line 38: Line 39:
  
 基本的には質問に答えていくだけで完了します。 基本的には質問に答えていくだけで完了します。
-SPHERE RadIIやRMTの設定はとりあえず無視で+SPHERE RadIIやRMTの設定はとりあえずデフォルトのままにします
  
 <code> <code>
Line 123: Line 124:
  
 実際にWIEN2kを使った第一原理計算を行うときは、対話形式でstructファイルを作成するよりもCIFファイルから生成することが多くなると思います。 実際にWIEN2kを使った第一原理計算を行うときは、対話形式でstructファイルを作成するよりもCIFファイルから生成することが多くなると思います。
-上記のサイトからCIFファイルをダウンロードし、作業ディレクトリに保存します。+上記のサイトからCIFファイルをダウンロードし、ファイル名をTiC.cifに変更して作業ディレクトリに保存します。
  
 用意ができたら、プログラムcif2structを使ってstructファイルに変換します。 用意ができたら、プログラムcif2structを使ってstructファイルに変換します。
  
 <code> <code>
-cif2struct 5910091.cif+cif2struct TiC.cif
 </code> </code>
  
-5910091.structというファイルができますので適当な名前に変更しておきます。+これで入力ファイルTiC.structができます。 
 +ただしこのままだとマフィンチン半径$R_{\rm MT}$が正く設定されいないので計算します。
  
 <code> <code>
-$ mv 5910091.struct TiC.struct+$ setrmt_lapw TiC 
 +</code> 
 + 
 +マフィンチン半径が正しく設定された入力ファイルTiC.struct_setrmtというファイルができるので、さきほどの入力ファイルに上書きします。 
 + 
 +<code> 
 +$ mv -f TiC.struct_setrmt TiC.struct
 </code> </code>
  
Line 144: Line 152:
 k点数を増やせば計算の精度はあがりますが、計算時間もかかるようになります。 k点数を増やせば計算の精度はあがりますが、計算時間もかかるようになります。
 最終的にほしい物理量がk点数に対して収束しているか、確認する必要があります。 最終的にほしい物理量がk点数に対して収束しているか、確認する必要があります。
 +
 +ここではk点数を1000にしてみましょう(ちなみにデフォルトも1000です)。
  
 <code> <code>
Line 149: Line 159:
 </code> </code>
  
-ここでオプション-bはバッチモードで、これをつけることで指定のもの以外はすべてデフォルトの値に設定されます。 +ここでオプション-bはバッチモードで、これをつけることで指定のもの以外はすべてまとめてデフォルトの値に設定されます。 
-なお、他の設定はオプション-hにより参照できます。+他の設定はオプション-hにより参照できます。
  
 <code> <code>
Line 163: Line 173:
  
 <code> <code>
-$ run_lapw -ec 0.0001 -cc 0.0001+$ run_lapw -ec 0.0001 -cc 0.0001 -i 100
 </code> </code>
  
 ここでオプション-ecはエネルギーの収束で、オプション-ccは電荷の収束です。 ここでオプション-ecはエネルギーの収束で、オプション-ccは電荷の収束です。
 デフォルトはエネルギーの収束しか見ませんが、電荷の収束も見ておいたほうが無難です。 デフォルトはエネルギーの収束しか見ませんが、電荷の収束も見ておいたほうが無難です。
 +また、オプション-iで最大何回までSCF計算を行うかを指定できます。
 +
 他のオプションはオプション-hで確認できます。 他のオプションはオプション-hで確認できます。
  
Line 174: Line 186:
 </code> </code>
  
-実行後、いろいろファイルができますが、重要なはTiC.scfです。+実行後、いろいろファイルができますが、計算の経過や重要な情報はTiC.scfで確認できます。
 今回は金属なのでフェルミエネルギーが出力されています。 今回は金属なのでフェルミエネルギーが出力されています。
-半導体であればギャップサイズ出力されます。+半導体であればエネルギーギャップがわかります。
  
 これで電子状態が得られましたので、これをもとに状態密度やバンド分散などを計算することになります。 これで電子状態が得られましたので、これをもとに状態密度やバンド分散などを計算することになります。
Line 200: Line 212:
 <code> <code>
 $ rm *.broyd* $ rm *.broyd*
-$ run_lapw -ec 0.0001 -cc 0.000+$ run_lapw -ec 0.0001 -cc 0.0001
 </code> </code>
  
-なお、case.broydXを削除しなかった場合は、60秒後に自動で削除してSCF計算がスタートします(その間にジョブのキャンセルが可能です)。+なお、case.broydXを削除せずにrun_lapwを実行した場合は、60秒後に自動で削除してSCF計算がスタートします(その間にジョブのキャンセルが可能です)。 
 + 
 + 
 +====== ジョブの一時停止 ====== 
 + 
 +ジョブを一旦止めたい時には、作業ディレクトリに.stopという名前の空のファイルを置けばよいようになっています。 
 + 
 +<code> 
 +$ touch .stop 
 +</code>
  
wien2k/scf計算.txt · Last modified: 2023/04/23 19:47 by koudai