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wien2k:scf計算

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wien2k:scf計算 [2020/03/31 20:47]
koudai [k点数の変更]
wien2k:scf計算 [2021/04/03 05:17]
koudai [SCF計算の実行]
Line 137: Line 137:
 これで入力ファイルTiC.structができます。 これで入力ファイルTiC.structができます。
 ただし、このままだとマフィンチン半径$R_{\rm MT}$が正しく設定されていないので計算します。 ただし、このままだとマフィンチン半径$R_{\rm MT}$が正しく設定されていないので計算します。
 +拡張子の.structは不要です。
  
 <code> <code>
Line 163: Line 164:
 $ init_lapw -b -numk 1000 -rkmax 7.5 $ init_lapw -b -numk 1000 -rkmax 7.5
 </code> </code>
- +  * ここでフラグ -b はバッチモードで、これをつけることで指定のもの以外はすべてまとめてデフォルトの値に設定されます。 
-ここでフラグ -b はバッチモードで、これをつけることで指定のもの以外はすべてまとめてデフォルトの値に設定されます。 +  * 最後に init_lapw finished ok と出たらうまく行っています。このメッセージが出てこなかった場合、どこかで問題が起こっているので修正します。 
 +  
 オプションの意味は次のとおりです オプションの意味は次のとおりです
  
Line 201: Line 202:
  
 実行後、いろいろなファイルができますが、計算の経過や重要な情報は TiC.scf で確認できます。 実行後、いろいろなファイルができますが、計算の経過や重要な情報は TiC.scf で確認できます。
- +<code> 
-  $ grep ":ENE" TiC.scf     # 全エネルギー +$ grep ":ENE" TiC.scf     # 全エネルギー 
-  $ grep ":FER" TiC.scf     # フェルミ準位。単位は Ry です。 +(略) 
-  $ grep ":GAP" TiC.scf     # エネルギーギャップ。金属の場合は0になります。+:ENE  : ********** TOTAL ENERGY IN Ry =        -1783.96056300 
 +$ grep ":FER" TiC.scf     # フェルミ準位。単位は Ry です。 
 +(略) 
 +:FER  : F E R M I - ENERGY(TETRAH.M.)=   0.7492912035 
 +$ grep ":GAP" TiC.scf     # エネルギーギャップ。金属の場合は0になります。 
 +(略) 
 +:GAP (global)   :    0.0    Ry =     0.0   eV (metal) 
 +</code>
  
 これで電子状態が得られましたので、これをもとに状態密度やバンド分散などを計算することになります。 これで電子状態が得られましたので、これをもとに状態密度やバンド分散などを計算することになります。
 +
 +
 +===== SCF計算の再実行 =====
 +
 +SCF計算を再度実行したい場合は、フラグ-NIをつけて run_lapw を実行します。
 +
 +<code>
 +$ run_lapw -cc 0.0001 -ec 0.00001 -i 100 -NI
 +</code>
 +
 +もしrun_lapwのフラグに変更がある場合は、ブロイデン法の履歴を削除してから再実行します。
 +(電子密度の分布は前回の計算のものが引き継がれます)
 +
 +<code>
 +$ rm *.broyd*
 +$ run_lapw -cc 0.0001 -ec 0.00001 -i 100
 +</code>
  
  
Line 212: Line 237:
  
 計算の収束を見るために、k点数を変更したいとします。 計算の収束を見るために、k点数を変更したいとします。
-再び init_lapw を走らせると全ての設定が初期化されますので、k点数だけ変更するために x_lapw kgen を使います。+再び init_lapw を走らせると全ての設定や計算結果が初期化されますので、k点数だけ変更するために x_lapw kgen を使います。
  
 <code> <code>
Line 228: Line 253:
 $ run_lapw -cc 0.0001 -ec 0.00001 -i 100 -NI $ run_lapw -cc 0.0001 -ec 0.00001 -i 100 -NI
 </code> </code>
- 
-あるいはブロイデン法を使ってSCF計算を収束させているので、その計算履歴を削除して 
-<code> 
-$ rm *.broyd* 
-$ run_lapw -cc 0.0001 -ec 0.00001 -i 100 
-</code> 
-でも可能です(電子密度の分布は前回の計算のものが引き継がれます)。 
  
 最初は少ないk点数(それこそ10くらい)から初めて、徐々に増やしていきましょう。 最初は少ないk点数(それこそ10くらい)から初めて、徐々に増やしていきましょう。
-全エネルギーやフェルミ準位(半導体の場合はエネルギーギャップの大きさ)が、k点数に対して収束しているか必ず確認しましょう。+k点数に対して全エネルギーやフェルミ準位(半導体の場合はエネルギーギャップの大きさ)をプロットしてみて、収束しているかどうか必ず確認しましょう。
  
  
Line 244: Line 262:
  
  
-====== SCF計算結果の保存 ======+====== 計算結果の保存 ======
  
 計算の入出力ファイルを残しておきたい場合は save_lapw を使用します。 計算の入出力ファイルを残しておきたい場合は save_lapw を使用します。
Line 270: Line 288:
 プログラム名の最後に _lapw をつけていましたが、これを省略しても良いようになっています。 プログラム名の最後に _lapw をつけていましたが、これを省略しても良いようになっています。
 例えば x_lapw は単に x だけで実行可能です。 例えば x_lapw は単に x だけで実行可能です。
 +
 +
 +====== エラーや警告への対処 ======
 +
 +===== atom 1 has a large sphere , consider setting HDLOs and/or larger LVNS =====
 +
 +init_lapw を実行したとき、lstartの段階でこのようなメッセージが出たときは、オプション -LVNS X (Xは4から10までの整数)をつけて、エラーが消えるまでXを増やしてください。
 +<code>
 +$ init_lapw -b -numk 1000 -rkmax 7.5 -lvns 5
 +</code>
 +
wien2k/scf計算.txt · Last modified: 2023/04/23 19:47 by koudai