====== 概要 ====== * 管理ノードのIPアドレスを、インターネット側とプライベートネットワーク側の両方で設定します。 * 外部からクラスタ計算機にアクセスできるようにするためには、グローバルIPアドレスが必要です。 * グローバルIPアドレスを使用しない(IPアドレスは外部のDHCPサーバから付与される、管理ノードを直接操作して運用する)予定であれば、プライベートLAN側の設定のみ行ってください * OSは Ubuntu 18.04 LTS を使用します(Desktop版かServer版に依存しないようにしています) ====== 設定手順 ====== ===== 必要な情報の取得 ===== 研究室などに設置する場合、大学のネットワーク管理者に問い合わせて次の情報を得てください * IPアドレス * 完全修飾ドメイン名 (Fully Qualified Domain Name, FQDN) * サブネットマスク * ゲートウェイ * DNSサーバー このページでは以下のIPv4のアドレスを付与された場合について解説します。 * IPアドレス ... xxx.xxx.xxx.xxx * FQDN ... toaru.daigaku.ac.jp * サブネットマスク ... 255.255.255.0 (ビット表示で/24となります。対応関係は[[https://www.ahref.org/subnet.php|サブネットマスク早見表|IPアドレスサブネットマスク早見表|AHREF]]などを参照してください) * ゲートウェイ ... yyy.yyy.yyy.yyy * DNSサーバー ... aaa.aaa.aaa.aaa および bbb.bbb.bbb.bbb 自宅に外部から接続可能なサーバーを設置する場合は、固定IPに対応したインターネットサービスプロバイダ(ISP)と契約する必要があります(月額料金が普通のISPより1000円くらい高いです)。 DNSサーバは、冗長性を持たせるために複数指定するのが一般的ですが、一つだけでも構いません。 ===== 固定IPアドレスの設定 ===== Netplanを使ったIPアドレスの固定方法を説明します。 * 設定ファイルは /etc/netplan/ にあります。 * Ubuntuのインストール方法で設定ファイル名が異なります。 * 01-network-manager-all.yaml ... Ubuntu Desktop版 * 50-cloud-init.yaml ... Ubuntu Server版を Live CD でインストールした場合 * 01-netcfg.yaml ... Ubuntu Server版を mini ISO でインストールした場合 * Netplanは *.yaml という名前のファイルをアルファベット順にすべて読み込みます。 * 競合する設定が複数あった場合、あとで読み込まれた設定のものに上書きされます。 - 管理ノードにインターネットとつながるLANケーブルを接続します - 管理ノードにディスプレイとキーボードを接続して、管理ノードの電源を入れます - 以下のコマンドを使って、LANケーブルがつながっているポートのデバイス名を確認します $ ip link 1: lo: mtu 65536 qdisc noqueue state UNKNOWN mode DEFAULT group default qlen 1000 link/loopback 00:00:00:00:00:00 brd 00:00:00:00:00:00 2: enp5s0: mtu 1500 qdisc mq state DOWN mode DEFAULT group default qlen 1000 link/ether 04:d9:f5:80:8e:c9 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff 3: eno1: mtu 1500 qdisc fq_codel state DOWN mode DEFAULT group default qlen 1000 link/ether 04:d9:f5:80:8e:ca brd ff:ff:ff:ff:ff:ff 4: enp1s0f0: mtu 1500 qdisc mq state UP mode DEFAULT group default qlen 1000 link/ether a0:36:9f:3f:b9:30 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff 5: enp1s0f1: mtu 1500 qdisc mq state DOWN mode DEFAULT group default qlen 1000 link/ether a0:36:9f:3f:b9:32 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff * LANケーブルが刺さっているポートには state UP と表示され、刺さっていないポートには state DOWN と表示されます * この場合だと enp1s0f0 という名前のポートにLANケーブルが刺さっていることがわかります。 * LANケーブルを抜き差ししながらipコマンドを使って、どのデバイスがどのポートに対応するかを調べます - Netplanの設定ファイルを作成します。空白には半角スペースを使います(Tabは使えないので注意してください) $ sudo vi /etc/netplan/99-netcfg.yaml network: version: 2 renderer: NetworkManager ethernets: enp1s0f0: dhcp4: no dhcp6: no addresses: [xxx.xxx.xxx.xxx/24] gateway4: yyy.yyy.yyy.yyy nameservers: addresses: [aaa.aaa.aaa.aaa, bbb.bbb.bbb.bbb] enp1s0f1: dhcp4: no dhcp6: no addresses: [192.168.0.1/24] * enp1s0f0 をインターネットに、enp1s0f1をプライベートLANにつなぐように設定しました * 後述するDHCPサーバの設定で、プライベートLAN内での管理ノードのIPアドレスとサブネットマスクを192.168.0.1/24に設定しますので、それに合わせます * 管理ノードをインターネットにつなぐときにDHCPサーバから動的にIPアドレスが付与される場合は、enp1s0f0のdhcp4およびdhcp6をyesにして、addresses, gateway4, nameserversの行を削除してください - Netplanの設定ファイルを読み込みます$ sudo netplan apply - IPアドレスが正しく設定されているか確認します $ ip address - ping を使ってインターネットにつながってるか確認します(IPアドレス 8.8.8.8 はGoogleの無料DNSサーバー) $ ping 8.8.8.8 PING 8.8.8.8 (8.8.8.8) 56(84) bytes of data. 64 bytes from 8.8.8.8: icmp_seq=1 ttl=55 time=2.37 ms 64 bytes from 8.8.8.8: icmp_seq=2 ttl=55 time=2.17 ms ... *pingコマンドはCtrl+Cで終了します *もしインターネットにつながらない場合は、次のことを試してください * LANケーブルが緩んでないか抜き差ししてみる * Netplanの設定ファイルに打ち間違いがないかよく確認する * 管理ノードを再起動する * それでも問題が解決しない場合は、ネットワーク管理者に問い合わせてください。 - インターネットに繋がったら、すぐにOSをアップデートしましょう $ sudo apt update $ sudo apt upgrade -y