====== 概要 ======
* LaTeXで文章を作成する際、\usepackageにより各種パッケージ(スタイルファイル)を導入していると思います。
* TeXLiveをインストールすると、よく使われているパッケージはだいたい同梱されています。
* [[https://ctan.org/|CTAN]]では、それら以外にもさまざまなパッケージが登録されており、必要に応じて自分でインストールします。
* ここでは physics2 パッケージを例に、パッケージを追加する方法を紹介します。
* Ubuntu 22.04 を使用しました。
====== 手順 ======
===== パッケージの場所の確認 =====
パッケージをどこに設置すればよいか確認します。
kpsewhichコマンドで適当なパッケージの場所を教えてもらいます(ここではamsmathパッケージの置いてある場所を調べました)。
$ kpsewhich amsmath.sty
/usr/share/texlive/texmf-dist/tex/latex/amsmath/amsmath.sty
これで/usr/share/texlive/texmf-dist/tex/latex/にスタイルファイルを置けば良いことがわかります。
===== スタイルファイルの入手 =====
今回は physics2 パッケージを利用します。
* [[https://www.ctan.org/pkg/physics2|CTAN: Package physics2]]
(念のため、physics2パッケージがインストールされていないことを確認してください)
$ kpsewhich physics2.sty
$
ダウンロードしたzipファイルを解凍します。
$ unzip physics2.zip
できたディレクトリの中に入り、スタイルファイルを作成します。
作成には拡張子が.insのファイルを使用します。
ディレクトリ内に拡張子が.styのファイルがすでに入っており、拡張子が.insのファイルが存在しない場合は、この作業は不要です。
$ cd physics2
$ latex physics2.ins
$ cd ..
===== スタイルファイルの設置 =====
さきほど調べたスタイルファイルの置き場所にファイルを移動させます。
$ sudo mv physics2/ /usr/share/texlive/texmf-dist/tex/latex/
スタイルファイルをLaTeXに登録します。
$ sudo mktexlsr
mktexlsr: Updating /usr/local/share/texmf/ls-R...
mktexlsr: Updating /var/lib/texmf/ls-R-TEXLIVEDIST...
mktexlsr: Updating /var/lib/texmf/ls-R-TEXMFMAIN...
mktexlsr: Updating /var/lib/texmf/ls-R...
mktexlsr: Done.
ちゃんと登録されたか確認します。
$ kpsewhich physics2.sty
/usr/share/texlive/texmf-dist/tex/latex/physics2/physics2.sty
===== physics2パッケージについて =====
* physics2は物理分野の文章を作成するときに便利なパッケージです。
* 主に以下の機能があります
* 自動でカッコの大きさ調整
* ディラックのブラケット記法に対応(ただしこれは[[https://ctan.org/pkg/braket/|braket]]パッケージを使ったほうが便利な気がします)
* 簡単に行列を作成可能
* 詳しい使い方は、同梱されているphysics2.pdfを読んでください。
* 従来は[[https://ctan.org/pkg/physics/|physics]]というパッケージが使われていましたが、現在はいろいろ問題があるため(例えばカッコのサイズを自動調整する\qtyコマンドがよく使われる[[https://ctan.org/pkg/siunitx/|siunitx]]パッケージのものと衝突することなど。同梱のphysics2-legacy.pdfに詳細が書いてあります)、新しく登場したパッケージです。
====== 参考文献 ======
* [[https://texwiki.texjp.org/?LaTeX%E5%85%A5%E9%96%80%2F%E5%90%84%E7%A8%AE%E3%83%91%E3%83%83%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%81%AE%E5%88%A9%E7%94%A8|LaTeX入門/各種パッケージの利用 - TeX Wiki]]