====== 概要 ====== * QuantumESPRESSOは擬ポテンシャル法による第一原理計算を行うので、その名の通り擬ポテンシャルが必要である。 * 内殻の電子状態は固体中だろうが単一原子中だろがほとんど変わらないという仮定を置くのが擬ポテンシャル法である。 * 単一原子で内殻の電子状態の計算を先に行っておいて、固体の電子状態計算では価電子の計算だけで済ませることができるため、計算コストが低い。 * 対して、固体の電子状態計算で内殻電子を含めてすべて計算を行うのが全電子法である。 * 内殻の電子状態が必要な計算(例えば内殻X線分光)には全電子法による計算が必要である。 * 擬ポテンシャルにはいろいろな作成流儀があるので、ソフトを使いながらそれぞれの長所短所を覚えていきたい。 * 擬ポテンシャルは次の2つの方法で入手可能である。 - インターネットからダウンロードしてくる。 - QuantumESPRESSOに付属のパッケージで作成する。 ====== インターネットから入手する方法 ====== いくつか配布しているサイトがありますので、好きなところからダウンロードしてください。 * [[https://www.quantum-espresso.org/pseudopotentials|Pseudopotentials - QUANTUMESPRESSO]] * QuantumESPRESSO公式の擬ポテンシャル配布サイト。だいたい必要なものはここから手に入る。 * 見つからなければ左にあるリンク集から探すと良い。 * [[http://nninc.cnf.cornell.edu/|Search NNIN/C Pseudopotential Virtual Vault]] * わりと豊富にそろっている。 ====== 自分で作成する方法 ====== * QuantumESPRESSOに付属の ld1.x を使って、自分で作成することもできます。 ===== PSlibrary ===== PSlibraryからファイルをダウンロードします。 最新版は1.0.0です。 * [[https://dalcorso.github.io/pslibrary/|Welcome to pslibrary | A library of ultrasoft and PAW pseudopotentials]] * あまり活発に更新されていないので、QEのバージョンが新しいと一部の原子でエラーが出ます。その際はQEをバージョンダウンして試してください。 * 擬ポテンシャルの間違った使用を避けるために、必ず https://dalcorso.github.io/pslibrary/PP_list.html を一読してください。 端末を開いて、設定を行います。 QE_pathという名前のファイルにQuantumESPRESSOをインストールしたディレクトリのパスを指定します。 $ tar -xzvf pslibrary.1.0.0.tar.gz $ cd pslibrary.1.0.0 $ vim QE_path #!/bin/bash PWDIR='~/q-e/' よく使うPZ型 (LDA) とPBE型 (GGA) の擬ポテンシャルを作成します。 すべての元素で作成するため、しばらく時間がかかります。 $ ./make_all_ps もし、特定の種類の擬ポテンシャルだけを作成したい場合(例えばPZ型のみ)は、次のようにします。 $ cd pz $ . ../make_ps