====== 概要 ======

バンド計算を行います。

  * バンドの経路を指定するためにXCrysDenが必要です。



====== バンド計算 ======

===== バンドの経路の選択 =====

作業ディレクトリで xcrysden を実行します。

<code>
$ xcrysden --wien_kpath $PWD
</code>

あるいはxcrysdenを普通に起動して、[File]->[Open WIEN2k]->[Select k-path]で作業ディレクトリを選択してください。

経路を指定できたら Total number of k-points along the path（経路上にk点をいくつとるか）を指定して、case.klist_band というファイル名で保存してください。


===== 固有エネルギーの計算 =====

  - 指定した経路上の各k点でのエネルギーを求めます。<code>
$ x lapw1 -band -p
</code>
  -（各バンドにおける軌道ごとの重みを見たい場合のみ）qtlを実行します<code>
$ x qtl -p
</code>
  - 実際にバンドを描いてみます。<code>
$ x spaghetti -p
</code>を実行すると、バンドプロット用の設定ファイル case.insp が設置されます。ファイルを開いて、フェルミエネルギーなどを入力します。<file - case.insp>
### Figure configuration
 5.0   3.0                         # paper offset of plot
10.0  15.0   3.0                   # xsize,ysize [cm], linebreak-parameter
 1.0   4                           # major ticks, minor ticks
 1.0   1                           # character height, font switch
 1.1   2    4                      # line width, line switch, color switch
### Data configuration            
-14.0  8.0  2                      # energy range, energy switch (1:Ry, 2:eV)
1      0.xxxx                      # Fermi switch,  Fermi-level (in Ry units)
1   999                            # number of bands for heavier plotting   1,1
0      1    0.2                    # jatom, jcol, size  of heavier plotting   
</file>
    * 9行目の 0.xxxx というところをフェルミエネルギーに置き換えます。
      * フェルミエネルギーは<code>
$ grep ":FER" case.scf | tail -1
:FER  : F E R M I - ENERGY(TETRAH.M.)=   0.xxxx
</code>で確認できます。
    * その他の設定は任意です。通常の使用ですとあとは energy range を適当な値に変更するくらいです。
    * 最後の2行はバンドの重み付けプロットをする際に使います。qtlの計算が必要です。
    * jatomやjcolをどうすればよいかは[[WIEN2k:状態密度]]の解説ページも見てください。
  - 設定ファイルができたら、もう一度 x spaghetti を実行します。<code>
$ x spaghetti -p
</code>
  - case.spaghetti_ps にバンドが出力されます。

自分でGnuplotなどでバンド図を作りたい場合は、同時に出力される case.spaghetti_ene の4列目（波数）と5列目（エネルギー）を使用してください。
対称点での波数の値は case.outputsp のxmaxを見ることでわかります。