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quantumespresso:構造緩和

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quantumespresso:構造緩和 [2020/10/07 21:36]
koudai [注意]
quantumespresso:構造緩和 [2024/03/30 23:58] (current)
koudai
Line 10: Line 10:
  
 以下ではケイ素を例に構造緩和計算を行います。 以下ではケイ素を例に構造緩和計算を行います。
 +
 +
 +===== 注意 =====
 +
 +  * 現在(2024年3月)のところ、noncolin=.true.のときは原子に加わる力の計算ができません
 +
  
 ====== 原子位置の構造緩和 ====== ====== 原子位置の構造緩和 ======
Line 83: Line 89:
  
 Siの格子定数はボーア半径単位で10.2程度ですが、ここから少しずらして構造緩和をさせてみます。 Siの格子定数はボーア半径単位で10.2程度ですが、ここから少しずらして構造緩和をさせてみます。
 +Si.relax.inをコピーしてSi.vc-relax.inを作成します。
 +以下の変更を行います
 +  * calculation='vc-relax'に変更
 +  * <nowiki>&cellフィールド</nowiki>を追加
 +  * (任意)press_conv_thrを指定
  
 <file - Si.vc-relax.in> <file - Si.vc-relax.in>
Line 103: Line 114:
 / /
 &cell &cell
 +  press_conv_thr = 0.1
 / /
 ATOMIC_SPECIES ATOMIC_SPECIES
Line 113: Line 125:
 </file> </file>
  
-今度はcalculation='vc-relax'とします。 ま、新しい項目&cellが必要で+^変数^初期値^説明^ 
 +|press_conv_thr|0.5 (kbar)|構造緩和の各ステップで、単位胞に加わる力がこの値よりも小さくなったきに収束したと判断る|
  
 実行は次のようにします。 実行は次のようにします。
Line 150: Line 163:
   * vc-relax計算は原子位置の緩和も同時に行っています。同時緩和はうまくいかないことがあるので、先にrelax計算を行った上でvc-relaxを実行しましょう。   * vc-relax計算は原子位置の緩和も同時に行っています。同時緩和はうまくいかないことがあるので、先にrelax計算を行った上でvc-relaxを実行しましょう。
   * vc-relax計算で構造緩和を行うとき、計算に必要なパラメータは最初の格子定数と原子位置の計算から出したものを使い続けます。結果が変わらなくなるまでvc-relax計算を繰り返してください。   * vc-relax計算で構造緩和を行うとき、計算に必要なパラメータは最初の格子定数と原子位置の計算から出したものを使い続けます。結果が変わらなくなるまでvc-relax計算を繰り返してください。
-  * ecutwfcやk点数は多めに必要ですので、収束を確認するようにします。+  * ecutwfcやk点数は多めに必要ですので、これらのパラメタについて収束を確認するようにします。
   * conv_thrが大きいと、出力ファイルに"SCF correction compared to forces is large: reduce conv_thr to get better values"と注意が出てくるので小さくしましょう。   * conv_thrが大きいと、出力ファイルに"SCF correction compared to forces is large: reduce conv_thr to get better values"と注意が出てくるので小さくしましょう。
   * 構造緩和の結果、結晶が別の対称性になってしまう場合、プログラムが以下のエラーを出して止まってしまいます。その場合は&systemに対称性を考慮しないというオプションnosym=.true.を加えてください(ただし計算時間が非常に増大します)。   * 構造緩和の結果、結晶が別の対称性になってしまう場合、プログラムが以下のエラーを出して止まってしまいます。その場合は&systemに対称性を考慮しないというオプションnosym=.true.を加えてください(ただし計算時間が非常に増大します)。
Line 185: Line 198:
 ====== 擬ポテンシャルについて ====== ====== 擬ポテンシャルについて ======
  
-一般に構造最適化で得られた格子定数は、PZ型などのLDA計算では過小評価され、PBE型などのGGA計算では過大評価されます。 +  * 一般に構造最適化で得られた格子定数は、PZ型などのLDA計算では過小評価され、PBE型などのGGA計算では過大評価されます。 
-最近ではPBEを改善したPBESOLという交換相関ポテンシャルが実験の格子定数をよく再現するうことで、構造最適化計算に使われること多いです。+  最近ではPBEを改善したPBESOLという交換相関ポテンシャルが実験の格子定数を比較的よく再現しま。 
 +    * 格子定数を求めのはろいろな困難があるので、実際の運用では格子定数は測定値を使用し、内部座標についてのみ最適化を行うこと多いです。
quantumespresso/構造緩和.1602074185.txt.gz · Last modified: 2021/06/27 22:00 (external edit)