「総合ゼミI・II」科目紹介
1.授業のテーマ・目標:「現代と科学」
このゼミでは、毎年、科学と社会にかかわるいろいろなテーマに取り組んでいます。
最近では、3年以上もかかって「理解嫌いアンケート」を完成させました。きっかけは、なぜ今理科嫌いが起こっているのか、という議論がまきおこったからです。この出発点から始まって、アンケートの項目作成から、アンケート回収、そしてアンケート分析などのさまざまな作業を通じて、統計の勉強も進めながらのみんな大奮闘しました。1つのことをやり遂げるということは、どんな仕事をするときにも大切で、協力関係を作る、仕事の段取りをたてる、議論の中から新たな方針を立てる、実行する・結果を評価するなど、いろいろな訓練をすることができます。そして、昨年度は、このまとめを一般教育論集に論文として発表しました。これは、立派な論文で、物理学会でも評判になり、いろいろな機会に紹介をしてきました。こういう作業を通じて、みんなが協力しあい、自分の力を発揮することができるようになります。
今年度は、名古屋市環境局からのお誘いがあって、愛知大学と名古屋市との共催で、
市民・行政・企業が一緒に環境を考える企画、「なごやエコネット」という環境問題の
シンポジウムを8月の土曜日日曜日を使ってやりとげましたが、ゼミ生たちが最初から
この企画にかかわり、分科会のテーマを決め、その中で発表するための準備をし、当日企業や市民に向けて問題提起をすることができました。そして、行事の企画から実行まで立派にやり遂げ、名古屋市から「学生さんに」ということで図書券をいただきました。この
エコネットでは、1日目は、子供たちと一緒に環境を考えるリーダーに教職課程を取っている学生たちが「車に乗ってはいけないの?地球温暖化と排気ガス」というクラスを開き、「愛知大学のお兄さんお姉さん」の先生は評判がとてもよかったのです。また、2日目は、「名古屋市のごみ問題を考える」というテーマ分科会と車社会を考える」という分科会で問題提起をし、トヨタ自動車・いすゞ自動車、サークルKジャスコなど企業の取り組みに鋭い問題提起をしました。リハーサルもやり一生懸命に取り組んだ発表は、名古屋市のみなさんに「感激しました」といわれるくらい、学生らしいとても鋭い問題提起でした。トヨタ自動車は、ゼミ生の問題や質問に、この会が終わった後まで、丁寧な回答をくださいました。今、これらの取り組みのビデオを作製中です。もうすぐできますので、ゼミ生だけでなく見せてあげようと思っています。ビデオ作りもまた新しい経験になっています。
来年もこの取り組みは続くことになると思いますが、ゼミでの学習が単に、お勉強ではなく、実際に社会に発信する生きた学習は、ゼミ生の目を見張るような成長につながります。
こういう行事に主体的に参加できることは、学生に皆さんにはとても貴重なチャンスです。
これからも創意工夫した面白い取り組みを皆さんと一緒に企画したいと思っています。
ゼミ生たちが、ぐんぐん成長していく姿を見るのは、とても楽しいものです。
自分の得意なところを生かしながら、絵の好きな人は絵をかいて、調査が好きな人は調査やアンケートをとったりして、まとめのうまい人はその技術を生かして、写真の好きな人はそれを取り入れて、コンピュータが好きな人はそれをホームページ用にアレンジしたり、
と分担しながら結果を世に発表するのは楽しいことです。
2.授業の形態
討論と実習が中心です。
3.授業の内容
メールを使えること、ワープロが使えることを基本とします。もちろん、経 験のない場合でも、熱心な学生ならすぐ覚えると思うので、何といっても
やる気のある人を望みます。
4.評価方法
毎回の討論や実習の成果をその都度評価、2回程度のレポートの提出によって評価
5.その他
この授業は、出席が前提であるが、単に授業中だけでなく、ゼミ仲間と一緒に調査にいったり、夏休みに作業したりといった、共同作業に参加することの好きな人を求めます。コンピュータは、慣れていなくても、やる気のある人を求める。このゼミは、私の他の授業や総合科目「環境1」との連携も考えていて、しっかりした研究がまとまったら、授業で発表してもらうつもりです。ゼミの受講生は、前期と後期とは連動しているので、両方とってください。せっかく、いろいろ訓練して後期やめるのはもったいないし、後期から入ってくると、訓練の差がでてくるので、お互いに困ると思います。
総合ゼミII
1 授業のテーマ・目標:「現代と科学」
総合ゼミ1と基本的に同じ。ここでは、1で企画したことを、仲間と共同して実際に物を作り、成果をお互いに評価しあう。なお、ホームページは全員に開設してもらうつもりである。
4.評価方法
総合ゼミ1と基本的に同じ。
5.その他
受講者は総合ゼミI修了者に限る。
総合ゼミ(坂東)の受講登録をした皆さんの数が多いときは、ゼミ形式のため25名が限度ですので、何らかの形でゼミ受講生を選考することになります。昨年度も、ゼミ長などと相談して、面接をしました。今回で定員に達するときは、来年度4月の募集はやりません。熱意のある人は、今回の募集にぜひ応じて下さい。