ThinkPad 570 の 分解・修理

普段から使っているIBMのノートPC ThinkPad 570 にUSBマウスを接続しようとしたが、 うまく認識してくれない…(というよりウンともスンともいわない)。 ただ、USBポートに差し込んだUSBプラグに上下に力を加えてこじったりすると、 時々認識したりする。 これは、明らかにUSBコネクタの接触不良で、修理に出すべきものだが、 修理に出すと多分1カ月くらいは帰ってこないだろう…。 １台しか無いマシンがこれでは困るので、自分で分解・修理することにした。

• ThinkPad570 全景:
  
• キーボードの裏にあるネジを3ヶ所はずし、
• バッテリーパックの裏にあるキーボード固定用の爪を押し込んでから、
• ３ボダンの裏を押し上げるとキーボードが外れ、 金属製のシールド版に覆われたメインボードが現れる:
  
• キーボード上部のランプ板(ネジ1ヶ所)を外す。
• 液晶から伸びているフレキシブルケーブルをコネクタから外す。
• メインボードを覆っているのシールド版(放熱版も兼ねているようだ) から冷却ファン(ネジ2ヶ所)を取り外した後、シールド版(ネジ6ヶ所位)も取り外す。 すると、メインボードの部品が露わになる:
  
• 冷却ファンの右隣にCPU(インテル モバイルPentiumII 366MHz)が見える。 右下には、NeoMagicのグラフィックチップ(NM2200)がある。
  
• 問題のUSBコネクタがこれ:
  
  基盤とコネクタの間のハンダに亀裂が入っている… 肉眼でも明らかなハンダ付け不良(いわゆるテンプラハンダ)である。 導通をテスタで調べてみると、うまく力を加えた場合のみ導通している。 どうやら、USBコネクタの外線に酸化皮膜が出来ていて、 製造時にハンダが乗り切らなかった様だ…。
• IC用の低洩れ電流のハンダコテでハンダ付けをやり直す:
  
  もともと、力が加わり易い場所なので、少し多めにハンダを乗せた。 導通をテスタで確認した後、逆の手順で組み立てる。
• 電源を入れ、FreeBSDを起動後、usbdを立ち上げ、 ロジテックのUSBマウスを接続すると、

  ums0: Logitech USB Mouse, rev 1.10/6.10, addr 2, iclass 3/1
  ums0: 3 buttons and Z dir.
  

  と、ちゃんとメッセージが出る。マウスの動作確認で修理完了。

永谷幸則＠京都大学 基礎物理学研究所