素粒子論グループの皆様、 「離散的手法による場と時空のダイナミクス」をタイトルとする、以下の趣 旨の小規模国内研究会を、京都大学基礎物理学研究所において、2010年 9月27日(月)−10月1日(金)に行います。今回は、非可換時空上の 場の理論、格子上のフェルミオンと超対称性、量子重力の離散的模型、行列 模型の数値的解析などを中心テーマとして開催する予定です。具体的プログ ラムについては、現在のところ、主に世話人による講演を軸として、比較的 ゆったりとしたプログラム編成により、お互いの研究内容の詳細を理解しな がら議論をするという形式をとる予定にしています。開催趣旨に賛同し、議 論に参加して頂ける参加者を募りますので、下記の要領でお申し込み下さい 。予算が限られていますので多くの人は補助できませんが、旅費補助が可能 です。ただし、旅費補助は全期間参加者でかつ科研費などの研究費の無い方 に限らせていただきます。また、講演の希望も世話人内にて検討致しますの で、希望する場合には下記締め切りにご注意の上申し込んでください。 申し込み締め切り: ・旅費補助希望者、講演希望者、北白川学舎宿泊希望者  締め切り:2010年6月27日(日) ・上記以外の参加者  締め切り:2010年8月22日(日) 申し込み方法: 研究会ホームページ参照 研究会ホームページ: http://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~sasakura/risan/risan.htm 世話人: 浅川嗣彦(東北大理)、河本昇(北大院理)、笹倉直樹(京大基研)、 鈴木博(理研)、土屋麻人(静大理)、西村淳(高エネルギー研)、 藤博之(名大理)、綿引芳之(東工大物理)、綿村哲(東北大理) 研究会趣旨: 現在の理論物理において、時空の離散的量子的取り扱いは重要である。例え ば、場の量子論を正確に定義するためには、離散的時空間上に定義された格 子場の理論が必要である。また、量子重力的な観点からも、プランク長程度 の最小長の存在が示唆されており、自然自身が、そのような時空間の離散的 量子的性格を有している可能性もある。また、最近の弦理論の非摂動的側面 の発展からも、そのような時空間の離散的描像が示唆されている。本研究会 は、このような離散的量子的時空描像に基づいた物理の研究者を、横断的に 集めて、お互いの研究内容の情報交換を促し、その問題点、解決策、将来の 方向性などについて突っ込んだ議論をしようとするものである。具体的な研 究テーマとしては、格子重力、格子上の場の理論、格子上の超対称性、非可 換時空上の場の理論、行列模型、量子重力の離散的アプローチなど、離散的 手法を使った場と時空のダイナミクスに関連する諸研究を考えている。これ らのテーマを主要テーマとして、相互の関連性を深く議論する機会はこれま であまりなかった。しかしその一方で、そのような交流の重要性がうかがわ れるケースも、多々見受けられる。例えば、非可換時空上の場の理論と格子 上の超対称性場の理論の構成との密接な関係や、格子上の超対称ゲージ場の 理論の構成と弦理論におけるゲージ・重力対応(AdS/CFT対応)の数値的解析 との関係などが挙げられる。本研究会は、ある程度定期的に行って、上記の ような交流例を更に増やすことにより、離散的量子的時空に基づく物理の継 続的発展を促そうとするものである。本研究会においては、上記の開催趣旨 を実現するために、お互いに詳細な研究内容にも踏み込めるようにし、研究 会としては、少数の人数で、日数を比較的長期にとる。