粉粒体物理に関する簡単なイントロダクションと、二次元円盤媒質を物理実験で 取り扱う際に、平均接触点数をより正確に測定するための新しい解析手法につい てお話したい。 粉粒体の物理においては、平均接触点数や充填率は最も基本的な状態量としてみ なされている。しかし、実際に物理実験を行う際に、粒子サイズが厳密には同一 でなく、直径の一パーセント未満の非常に小さい範囲で揺らいでいるために、正 確に平均接触点数を測るのはとても難しい。 我々は、粒径の揺らぎの分布から簡単なモデルで平均接触点数をより正確に求め るための解析手法を提案する。さらに、離散要素法による数値計算で、微小な揺 らぎを与えた粒径分布を持つ円盤媒質に対し、数値計算によって厳密に計算でき る真の平均接触点数と我々の計算結果を比較して、この手法の有効性を検証する。