非平衡物理学グループセミナー 2008

2月 27日(水) 16:00-

発表者
有賀 隆行 (所属:京都大学 理学研究科)


題目(title)
生体分子モーターの協同的な働きによる力発生と制御機構

概要(abstract)
生命は、蛋白質や核酸などから成るさまざまな分子機械が働くことによって生命機能を
構成している。そのなかでも私は、生体内でのエネルギー通貨である ATPを加水分解す
ることによって運動機能を発生する分子モーターと呼ばれる蛋白質酵素(F1-ATPase, 
Myosin V)について、顕微鏡下で1分子の運動を直接観察することにより力生成や運動
機能制御のメカニズムを明らかにしてきた[1]。これらの知見をもとに、1分子の生体
分子モーターで行われている化学?力学エネルギー変換機構を、非平衡開放系条件下で
自己組織化されたシステムという観点から考察する。分子機械スケールでの普遍的な
数理モデルの構築を目指して、非平衡物理や非線形科学からのアドバイスを期待したい。


[1] Ariga et al. Nat. Struct. Mol. Biol. 14, 841-846 (2007) 



場所
京都大学基礎物理学研究所 研究棟・講義室K102
地図 (Map)

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セミナー係 : 中島 千博
E-mail: nakajima@yukawa.kyoto-u.ac.jp
tel: 075-753-2930