粉体は密度が低い場合は通常の流体のように流動するが、密度がある値を超えて 高くなると流動性を失い、固体のように振る舞う。この転移現象は、ジャミング転移 と呼ばれ、臨界現象との対応から、その重要性が広く認識されている。 近年、波多野によって、ジャミング転移点の近傍で、臨界現象で知られているような 美しいスケーリング則が成立する事が示された[1]。我々は、このスケーリング則に あらわれる臨界指数を、平均場的な理論によって決定した。さらにこの結果を、複数 の次元の分子動力学シミュレーションで検証し、平均場理論で決定した指数の値が、 全ての次元で妥当である事を示した[2]。 [1] T. Hatano, arXiv:0803.2296 [2] M. Otsuki and H. Hayakawa, arXiv:0809.0171