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Brief Summary of Each Supplement


Progress of Theoretical Physics Supplement No. 185



Hypernuclei and Baryon-Baryon Interaction


肥山詠美子、元場俊雄、山本安夫 編集

この巻は、最近のハイパー核物理の研究進展を理論、実験の両面からレビュー したものである。

1980年代に入って、ハイパー核のクラスター構造の研究プロジェクトが始まり、 そのプロジェクトで得られた研究成果を Prog. Theor. Phys. Suppl. No. 81 (1985) に掲載されたことを初めとして、その後、ハイパー核の研究は急速に 発展を遂げた。この発展について、Prog. Theor. Phys. Suppl. No. 117 (1994) にその成果を掲載している。1990年に入って、次世代の中間子理論に基づく ハイペロン−核子 (YN) 相互作用やハイペロン−ハイペロン (YY) 相互作用 が Nijmegen グループによって構築されてきた。さらには、厳密少数多体系計 算理論も発展してきて、様々なハイパー核の構造に適用できるようになってきた。

実験的には、ラムダハイパー核の高精度のガンマ線分光実験やエマルジョンに よるダブルラムダハイパー核のスペクトロスコピー実験など多くの画期的な 実験結果が得られてきた

この巻では、(1) 実験と理論からどういう新しい物理的知見が得られたか、 (2) 未だに残されている重要課題は何か、(3) J-PARCに向けてどういう実験が なされるべきか、という3点に重点をおいて、レビューを行う。


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