July 23 (Mon) |
PM 1 (12:00-13:10) |
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初田 泰之* |
東工大 |
カスプを持つWilsonループとAdS/CFT対応 (60)
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カスプを持つWilsonループはゲージ理論において重要な物理量である。本講演では4次元N=4超対称ゲージ理論におけるWilsonループが特にカスプ(尖り)を持つ場合に、(i)グルーオンの散乱振幅との関係、(ii)カスプ異常次元の厳密な計算の2つのテーマについて、最近の進展を踏まえてレヴューする。
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PM 2 (13:40-14:55) |
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小松 尚太 |
東大総文 |
Wave functions and correlation functions for GKP
strings from integrability (20) |
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We develop a general method of computing the semi-classical correlation functions of heavy
string states in $AdS_5\times S^5$ including the contributions of the vertex operators. Our method is based on the the integrable structure of the system and requires
only the knowledge of the local behavior of the saddle point configuration around each vertex insertion point. Thus the method can be applied to cases where the precise forms of the
vertex operators are not known. As an important application, we compute
the three-point functions
of the large spin limit of the Gubser-Klebanov-Polyakov (GKP) strings in $AdS_3$ spacetime.
We obtain
finite three-point functions with the expected
dependence of the target space boundary coordinates on the conformal dimension and the spin.
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江成 隆之 |
日大理工 |
On correlation function of Wilson loop and local operator with large R charge and its gravity dual (20) |
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ゲージ/重力対応の観点から$\mathcal{N}=4$ super Yang-Mills 理論における Wilson loop operatorと大きなR-chargeを持ったlocal operator との相関関数を議論する. まずこの相関関数に対応する重力側の弦の古典解を構成する.
具体的には$AdS_5$および$S^5$上で円形に拡がった弦が収縮しながら
$S^5$上を回転している解である. 次にこの弦の古典解を用いて作用を評価し, ゲージ理論側の計算と一致することを確かめる. この結果は, 今まで知られている対応の一般化になっている.
本研究は, 日本大学理工学部の三輪光嗣氏との共同研究による.
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佐藤 勇二 |
筑波大数理 |
On supersymmetric interfaces in string theory (20) |
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共形場理論において共形不変性を保つ世界面中の界面は、Dブレインや境界のある物性
系を記述する共形境界の自然な拡張であり、弦理論や物性系の研究で興味深い役割を果
たすと期待される。しかしながら、共形界面の研究は未だ萌芽的な段階にあり、弦理論
に埋め込む際にはユニタリ性の問題が生じる可能性も指摘されていた。
我々は、物理的な空間でのユニタリ性が明白な Green-Schwarz 形式を用いて、共形界
面に対応する、時空の超対称性を保つ界面をタイプ II 超弦理論において構成した。この
界面は、時空を二倍化した空間での超曲面 (bi-brane) として解釈される。我々は、こ
の界面が T-双対性を生成し T-双対性の Buscher 則を再現することを示すと共に、界面
が Dブレインの空間に作用する際の Dブレインの変換則を導いた。また、界面を挿入し
た分配関数を求め、界面による Casimir エネルギーを得た。
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PM 3 (15:10-16:25) |
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奥田 諭史 |
立教大理 |
G/G gauged WZW Higgs system, Bethe ansatz for Q-boson
and a deformed Verlinde formula (20) |
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Gerasimov-Shatashviliが、局所化の方法を用いて位相場の理論と量子可積分模型の間に関係があることが指摘した。我々はG/G gauged Wess-Zumino-Witten模型に物質場が結合した系(G/G GWZW-Higgs模型)に局所化を用いて、量子可積分模型であるq-boson模型と関係があることを示した。さらに、最近Korffによって導かれたVerlinde公式の1パラメータ変形が、G/G GWZW-Higgs模型で実現することを示した。また、G/G GWZW-Higgs模型はある極限で、G/G GWZW模型やHitchin系の体積を記述する系に移行する。これらの極限がq-boson模型のどのような極限に対応するかについても議論した。本研究は吉田豊氏(KEK)との共同研究である。
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川口 維男 |
京大理 |
On the hybrid integrability in squashed sigma models (20) |
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We show Yangian and quantum affine symmetries are realized in
two-dimensional non-linear sigma models with squashed spheres
target spaces.
According to these symmetries, there are two descriptions for
the classical dynamics.
In each description, a Lax pair and the corresponding
monodromy matrix are constructed.
Both Lax pairs reproduce the same equations of motion and
hence they are equivalent.
We show the gauge-equivalence by constructing a map between
monodromy matrices with the relation of spectral parameters.
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畔柳 竜生 |
ハーバード大 |
String Theory on TsT-transformed Background (20) |
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We analyze string theory on a TsT-transformed AdS$_3\times S^3$ background. We discuss its implication to warped AdS3/dipole CFT dualities and back hole microstate counting.
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PM 4 (16:40-17:55) |
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横井 直人 |
東北大理 |
Making confining strings out of mesons (20) |
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カイラル対称性の自発的破れを記述するメソンの線形シグマ模型を量子色力学(QCD)に対する一つの電磁双対な理論として解釈し、その妥当性について議論する。特に、その双対な理論に存在するヴォーテックス解を数値的に解析することによりクォーク間のポテンシャルを求め、クォーコニウムや格子QCDのデータなどと比較する。また、このシグマ模型の起源として Seiberg-Duality との関係についても議論する。(東北大学の北野龍一郎氏、中村充利氏との共同研究である。)
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大河内 豊 |
京大白眉 |
Wilson-'t Hooft Loops in (Oblique) Confining Phase (20) |
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Wilson-'t Hooft loopは、ゲージ理論の相構造の分類において 強力なツールであるこ
とが知られている。 超対称性を保つ真空では、その振る舞いを定量的に議論する事が
可能である。 セミナーでは、4D N=1 pure YM理論の超対称性を保つ真空での、
Wilson-'t Hooft loop の振る舞いを明らかにし、さらに、 さまざまなヒッグス場を含
んだ、多くのクラスの理論における振る舞いを決定する。 特に超弦理論の双対性を用
いた議論に焦点をあてる。
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中村 真 |
京大理 |
非平衡相転移・非平衡臨界点のAdS/CFT対応による解析 (20) |
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本講演では、AdS/CFT対応の計算で初めて発見された新奇な非平衡相転移・非平衡臨界点について報告し、その実験的検証の可能性を議論します。一般に、電場と平行な電流が流れる物質系は、その消費電力に相当する発熱を伴う非平衡状態にあります。このような非平衡現象の記述、特に非線形電気伝導度の計算は、現代物理学の未解決問題の一つです。一方、AdS/CFT対応では、強結合ゲージ理論の非線形電気伝導度が計算可能となる例があり、強相関電荷系の非平衡現象の研究に、新手法をもたらす可能性があります。本研究では、この点に注目してD3-D7系の非線形電気伝導特性を解析し、この系が実験的にも理論的にも今まで知られていなかったタイプの非平衡相転移・非平衡臨界現象を示すことを見出しました。D3-D7系は現実の物性系とは微視的には異なりますが、臨界現象には理論の詳細によらないユニバーサリティを期待でき、発見された非平衡臨界点が微視的理論の差異を超えて、現実の強相関絶縁体でも発見される可能性が十分あると考えています。
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July 24 (Tue) |
AM 1 (9:00-10:10) |
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疋田 泰章* |
慶應大日吉 |
Higher spin gauge theories and their CFT duals (60) |
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高いスピンをもつゲージ理論は、スピン2の重力場の理論を拡張したものと解釈できる。特に、AdS空間上では非自明な相互作用を含む理論を構成することができ、Vasiliev理論と呼ばれている。最近では主に、AdS/CFT対応の文脈で興味を持たれている。4次元のVasiliev理論は3次元のO(N)ベクトル模型と双対であり、3次元のVasiliev理論は2次元の$W_N$ミニマル模型と双対であると主張されているが、ここでは特に後者に注目する。この対応がどのようなもので、どのような証拠があるかについて解説したい。時間があれば、我々の超対称性のある場合への拡張に関しても触れたい。
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AM 2 (10:40-11:30) |
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Claudia de Rham* |
Case Western Reserve U. |
Consistency of Massive Gravity (20) |
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Starting from the Fierz-Pauli theory of massive gravity, I will construct an explicit covariant generalization which remains entirely free of ghosts and thus corresponds to a promissing candidate for a tensor gravitational theory with arbitrary long but finite range. I will then discuss some phenomenological implications, as much on cosmological scales than within the solar system.
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Andrew J. Tolley |
Case Western Reserve U. |
Recent Progress in Massive Gravity (20) |
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TBA
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AM 3 (11:45-13:00) |
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木村 哲士 |
立教大理 |
Embedding tensors, dualities, and auxiliary fields
in 4D N=2 supergravity (20) |
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超重力理論をゲージ化する(非可換ゲージ対称性を付加する)ことは様々な理由で切望される。最も系統的な手法は embedding tensor formalism であろうと思われる。Embedding tensor formalism の強みは、超重力理論を形式的に双対共変に書き表すことにある。適当なフレームを選べば、電気的配位や磁気的配位を「ゲージ理論」のままで見通すことが可能となる。
超対称性を最大に持つ場合は3次元から9次元まで整備されたが、超対称性が低い場合は開発中であり、この手法が4次元${\cal N}=2$超重力理論に適用できたのは2011年である。最大超重力理論と異なり、4次元${\cal N}=2$超重力理論はベクトル場と物質場が違う多重項に属するため、非常に多様な性質を持ち、面白い。
この講演では、embedding tensor formalism 特有のテンソル補助場の扱いに注目する。電気的配位では補助場に過ぎない道具が、磁気的配位に双対変換する時にきちんと力学的場になることを追跡する。双対変換においてスカラー場がテンソル場に変換されることを、この formalism でも確認すべきであるとするのが、主たる動機である。またこの課題は、embedding tensor が弦理論のコンパクト化におけるフラックスの期待値と密接に関係するであろうことを意識している。
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安井 幸則 |
大阪市大 |
佐々木構造の変形と超重力理論の厳密解 (20) |
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真空中のブラックホール時空には、共形キリング・矢野(CKY) テンソルと呼ばれる特別なテンソル場で記述される隠れた対称性が存在する。CKY対称性は、ブラックホール時空の分類問題や時空の安定解析において重要な役割を果たすと考えられている。近年、CKYテンソルに物質場による変形の効果を導入することで、アインシュタイン重力理論だけでなく超重力理論の対称性も捕えることができるようになってきた。このような変形は、幾何学的には「トーション」として自然な解釈をもつものである。 発表の前半部分では、トーションを含むCKYテンソルを許す高次元時空の分類に関する最近の発展を arXiv:1203.0393に基づきレビューする。
後半では、トーション入りCKYの応用として佐々木構造の変形について議論する。佐々木・アインシュタイン計量と超対称ゲージ理論の関連はAdS/CFT対応の検証として近年大きく発展した分野である。本研究では、超重力理論に含まれる反対称テンソルの自由度を取り込むために、佐々木構造をトーションで変形した「拡張された佐々木構造」を提案する。具体例として、このような幾何学が5次元超重力理論や11次元超重力理論の厳密解を与えることを紹介する。
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横倉 祐貴 |
京大理 |
蒸発するブラックホールの時空構造 (20) |
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ホーキング輻射の発見以来、ブラックホールの熱力学と情報喪失問題は量子論と重力理論を結ぶ重要な鍵として多くの人々により議論されてきた。本講演では、蒸発のback reactionを含む半古典的アインシュタイン方程式のself-consistent な解について議論する。そのために、ホライズンが存在しなくてもホーキング輻射が生じることや、重力のゆらぎの効果でWeyl アノマリーがキャンセルすることなどを示す。これにより、従来のモデルとは異なり、我々のモデルではホライズンも特異点も生じることなく蒸発できるため、情報喪失は生じない。また、gray-body factor の寄与についても議論する。さらに、熱浴に浸っている定常ブラックホールに対応する解を紹介する。その場合もホライズンは存在せず、その内側のエントロピー密度を体積積分することにより、エントロピー面積則が再現できることを示す。本講演は、arXiv:1203.5719 に基づく。
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PM 1 (14:15-15:30) |
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Pawel Klimas |
サンパウロ大サンカルロス校 |
Some (3+1) dimensional exact vortex solutions of the extended $CP^N$ Skyrme-Faddeev model (20) |
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The extended $CP^N$ Skyrme-Faddeev model in $(3 + 1)$ dimensions has many interesting properties. One of them is a fact that it possesses an integrable sector which appears when some constraint on derivatives of the fields is imposed. Another its significant feature is the existence of some exact solutions. Within them there is a large family of the vortex solutions having finite energy per unit length. The novelty of these solutions is the existence of the waves that propagate along the vortices and contribute to the energy density in a very nontrivial way. This contribution leads to dependence of the energy per unit length on the mutual distance between the vortices.
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新田 宗土 |
慶應大日吉 |
場の理論や物性系におけるソリトン対消滅とソリトン生
成 (20) |
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1.We show that when a topological defect with extended world-volume with a U(1) modulus annihilates with an anti-defect, there arise topological defects with dimensions less than those of the original defects by one. Domain wall annihilations create vortices while monopole-string annihilations result in instantons. We find that twisted domain wall rings are vortices, whereas twisted monopole rings are instantons (PRD [arXiv:1205.2442]).
2.In the next, we show that when a vortex-string is stretched between a pair of a domain wall and an anti-domain wall, there remains a knot soliton (Hopfion) after the pair annihilation (PRD [arXiv:1205.2443]).
3.Finally we present an example in a condensed matter system. We show that a similar situation in Bose-Einstein condensates results in the creation of vortex rings
if no vortex strings are stretched between the domain walls (J.Low.Temp.Phys.[arXiv:1205.2328], arXiv:1205.2330),
while it results in the creation of vortons (twisted closed vortices) or Skyrmions if some vortex strings are stretched between the domain walls (PRA [arXiv:1203.4896]).
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吉田 豊 |
KEK |
Volume of Moduli Space of Domain-walls and
Localization (20) |
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インスタントンに代表されるソリトン解のモジュライ空間の体積は
場の理論における非摂動的な側面に関係しており重要な物理量であると考えられる。しかし、一般的にはモジュライ空間の計量を厳密に決定し、体積要素を構成することは困難である。我々は一次元上の有限区間におけるドメイン・ウォール解のモジュライ空間の体積をcohomologicalな場の理論の分配関数として実現し、適当な超対称電荷に関する完全項で変形することにより局所化公式を用いて解析を行った。太田和俊氏(明治学院大)と坂井典佑氏(東京女子大)との共同研究に基づいている。
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PM 2 (15:45-17:00) |
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木村 太郎 |
理研 |
Vortex counting from field theory (20) |
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The vortex partition function in 2d $\mathcal{N} = (2,2)$ $U(N)$ gauge theory is derived from the field theoretical point of view by using the moduli matrix approach. The character for the tangent space at each moduli space fixed point is written in terms of the moduli matrix, and then the vortex partition function is obtained by applying the localization formula. We find that dealing with the fermionic zero modes is crucial to obtain the vortex partition function with the anti-fundamental and adjoint matters in addition to the fundamental chiral multiplets. The orbifold vortex partition function is also investigated from the field theoretical point of view. This talk is based on the collaboration with T. Fujimori, M. Nitta, K. Ohashi [arXiv:1204.1968].
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藤森 俊明 |
国立台湾大学 |
Vortex counting and exact superpotential in
two-dimensional N=(2,2) theories (20) |
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2次元超対称ゲージ理論において厳密なeffective twisted supoerpotentialをvortex countingの方法を用いて導出する。また、それによって得られたvortex partition functionが満たすべき微分方程式を導出し、それがdeformation parameter $\epsilon \rightarrow 0$の極限でvector multiplet scalarに対するF-term conditionに一致することを示す。
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大橋 圭介 |
大阪市大 |
Higher Derivative Corrections to the Effective Theory
of an Non-Abelian Vortex (20) |
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一般にBPS方程式の解であるソリトンの運動を記述する有効理論はソリトン解のモジュライ空間をターゲットとする非線形シグマ模型となる。高エネルギーにおける運動を考える上で、この有効理論は高階の微分を含む補正項が必要となる。我々は$N$個のヒッグス場と相互作用している$U(N)$ゲージ理論におけるボーテックス解に対して有効理論の4次の微分補正項を求めた。
今回はこれに用いた系統的な手法と、それから得られた(ある定数を除く)厳密な結果を紹介する。
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PM 3 (17:15-18:05) |
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鈴木 博 |
理研 |
Supersymmetry, chiral symmetry and the generalized BRS transformation in lattice formulations of 4D N=1 SYM (20) |
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In the context of the lattice regularization of the four-dimensional $
\mathcal{N}=1$ supersymmetric Yang-Mills theory (4D $\mathcal{N}=1$ SYM),
we formulate a generalized BRS transformation that treats the gauge,
supersymmetry (SUSY), translation and axial U(1) ($U(1)_A$) transformations in
a unified way. A resultant Slavnov-Taylor identity or the Zinn-Justin equation
gives rise to a strong constraint on the quantum continuum limit of symmetry
breaking terms with the lattice regularization. By analyzing the implications of
the constraint on operator-mixing coefficients in the SUSY and the $U(1)_A$
Ward-Takahashi (WT) identities, we prove to all orders of perturbation theory in
the continuum limit that, (i) the chiral symmetric limit implies the
supersymmetric limit and, (ii) a three-fermion operator that might potentially
give rise to an exotic breaking of the SUSY WT identity does not emerge. Our
results provide a theoretical basis for lattice formulations of the 4D $
\mathcal{N}=1$ SYM.
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西垣 真祐 |
島根大総合理工 |
Universality crossover in the lattice Dirac spectrum
and parametric random matrix theory (20) |
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格子上のDirac固有値の統計的挙動は、反ユニタリ対称性に応じたランダム行列理論に
より記述されることが確立している。本発表ではSU(2)×U(1)の如く対称性の異なる
ゲージ群の直積表現に属するDirac演算子の準位統計が、スペクトル中央およびバルク
の双方において各々単独の場合の統計間を遷移することを示し、それが1パラメータを
含む遷移ランダム行列理論からFredholm Pfaffianに対するNystrom法を用いて算出さ
れた普遍的な準位間隔分布と一致することを精密検証する。この結果に基づき、カイラ
ル有効理論間の対応を通じたSU(2)×U(1)理論と有限密度SU(2)理論のε領域における関
連について述べる。
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July 25 (Wed) |
AM 1 (9:00-10:10) |
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花田 政範* |
KEK |
Numerical approaches to string theory (60) |
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モンテカルロシミュレーションを活用した超弦理論、M理論の研究の概要をレビューします。
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AM 2 (10:40-11:55) |
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森山 翔文 |
名大KMI |
ABJM行列模型の厳密な結果 (20) |
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弦理論に対して統一的な視点を与えるM理論において、基本的な励起であるM2膜上の理論が、超対称チャーン・サイモンズ理論で記述できることが近年わかってきた。その分配関数は超対称性のため無限次元経路積分から有限次元の行列模型に帰着され、さらには、フェルミガスの統計力学系の大分配関数に書き換えられた。このフェルミガス系の厳密な結果について議論する。
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本多 正純 |
総研大 |
Numerical studies of the ABJM theory for arbitrary N
at arbitrary coupling constant (20) |
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We show that the ABJM theory, which is an $\mathcal{N}=6$ superconformal $U(N)\times U(N)$ Chern-Simons gauge theory, can be studied for arbitrary N at arbitrary coupling constant by applying a simple Monte Carlo method to the matrix model that can be derived from the theory by using the localization technique. This opens up the possibility of probing the quantum aspects of M-theory and testing the $AdS_4/CFT_3$ duality at the quantum level. Here we calculate the free energy, and confirm the $N^{3/2}$ scaling in the M-theory limit predicted from the gravity side. We also find that our results nicely interpolate the analytical formulae proposed previously in the M-theory and type IIA regimes. Furthermore, we show that some results obtained by the Fermi gas approach can be clearly understood from the constant map contribution obtained by the genus expansion. The method can be easily generalized to the calculations of BPS operators and to other theories that reduce to matrix models.
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太田 和俊 |
明治学院大 |
Non-Abelian Localization for Supersymmetric
Yang-Mills-Chern-Simons Theories on Seifert Manifold (20) |
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We derive non-Abelian localization formulae for supersymmetric Yang-Mills-
Chern-Simons theory with matters on a Seifert manifold $M$, which is the
three-dimensional space of a circle bundle over a two-dimensional Riemann
surface $\Sigma$, by using the cohomological approach introduced by Kallen.
We find that the partition function and the vev of the supersymmetric Wilson
loop reduces to a finite dimensional integral and summation over classical flux
configurations labeled by discrete integers. We also find the partition function
reduces further to just a discrete sum over integers in some cases, and evaluate
the supersymmetric index (Witten index) exactly on $S^1\times\Sigma$. The
index completely agrees with the previous prediction from field theory and
branes. We discuss a vacuum structure of the ABJM theory deduced from the
localization.
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AM 3 (12:10-13:00) |
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杉野 文彦 |
岡山光量子研 |
A double-well SUSY matrix model as 2D type IIA superstrings in RR background (20) |
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我々は double-well ポテンシャルを持つ単純な超対称行列模型と RR 背景場中の
2次元タイプ IIA 超弦理論との新たな対応を議論する。
RR 背景場は Seiberg bound を満たさない nonlocal operator を含む vertex operator たち
による変形で与えられる。
行列模型の single trace operator たちとタイプ IIA 理論の vertex operator たちの間の
対応について、両側の理論で相関関数を直接計算して、それらの振る舞いが一致することで確認
できる。特に、RR sector の operator たちの相関関数には、非臨界弦においてこれまで見られ
なかった新たなスケーリングの破れが現われる。
この行列模型は target space SUSY のある超弦理論に対するもので、具体的に相関関数が
計算可能な興味深い例と思われる。
この講演は黒木経秀氏との共同研究に基づく。
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森田 健 |
KEK |
New multi-cut solutions in finite temperature large N gauge theories (20) |
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We study large N bosonic BFSS matrix theory in finite temperature.
We find new unstable solutions, which are characterized by multi-cuts of
the eigenvalue distribution of the Polyakov loop operator.
We predict that similar solutions would generally exist in finite
temperature
large N gauge theories, e.g. supersymmetric BFSS theory, N=4 SYM, pure
YM and so on.
Especially we numerically show that these solutions may appear as
intermediate states
in a decay process of an unstable confinement phase to a deconfinement
phase in a high temperature.
These solutions are also relevant in the gauge/gravity correspondence
for the following three reasons:
1) The corresponding unknown class of unstable solutions may exist in
supergravity.
2) They correspond to multi-center black hole solutions in KK theory
also.
3) Related to 2), we can explain the decay process of the unstable black
string.
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PM 1 (14:15-15:30) |
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岡田 崇 |
京大理 |
Localization and Large-N reduction on 3-sphere (20) |
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本講演では、3次元球面上のN=2超対称性をもつquiver Chern-Simons理論におけるlarge-N等価性を、局所化の手法を用いて証明する。具体的には、チャーン・サイモン理論を次元還元して得られる行列模型を考え、その行列模型を適切なfuzzy球面解のまわりで展開すると、large-N極限で元々の3次元の理論の分配関数やウィルソン・ループの期待値を完全に再現することを証明する。また、4次元のsuperconformal indexについても議論したい。
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浅野 侑磨 |
京大理 |
Factorization of the Effective Action in the IIB Matrix Model (20) |
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IIB行列模型における行列は座標と解釈するのが自然であるが、その解釈では一般座標変
換不変性があらわに見えない。
一方で、行列を共変微分とみなす解釈では、一般座標変換はあらわで運動方程式は
Einstein方程式を再現していた。
我々はこの微分解釈のもとで低エネルギー有効作用を計算し、それが一般座標変換不変
な作用の積の和の形$S =\sum_{i} c_is_i+\sum_{i,j}c_{ij}s_is_j +
\sum_{i,j,k}c_{ijk}s_is_js_k+\cdots .$になっていることを見いだした。
この形はマルチバースにおける宇宙同士のワームホールによる相互作用を表していると
解釈することができる。
本講演は、川合光氏(京都大)、土屋麻人氏(静岡大)との共同研究に基づく。
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黒木 経秀 |
立教大理 |
Renormalization group approach to matrix models via noncommutative space (20) |
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繰り込み群に基づく、行列模型のlarge-$N$極限の新しい解析法を開発する。$N\times N$行列に対し、1行1列を積分して$(N-1)\times (N-1)$行列を得る手続きを繰り込み群と見なし、その固定点の解析からlarge-$N$極限での臨界指数などが読み取れることはすでに知られているが、近年の弦理論における行列成分の時空解釈によれば、単に1行1列を積分するのではなく、行列成分にエネルギーの概念を付与し、それに基づき高エネルギー成分から積分するアプローチが自然である。我々はfuzzy sphereの構造を用いて$N\times N$行列成分に実際に高/低エネルギーの概念を付与し、高エネルギー成分を積分することにより$(N-1)\times (N-1)$行列を得る手続きを繰り込み群と見なす手法を提案する。これを
実際に行列模型に適用することにより、large-$N$極限で定義される2次元場の理論のGaussian fixed pointだけでなくnon-Gaussian fixed pointが記述できることを示す。さらに我々の繰り込み群でどのようにscaling次元を読み取るかも明らかにする。また、我々の繰り込み群が予言する2次元重力の臨界指数についても触れる。
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PM 2 [ポスター紹介] (15:45-16:00) |
PM 3 [ポスターセッション] (16:00-18:00) |
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一ノ瀬 祥一 |
静岡県立大 |
CMBパワースペクトルと天空のn点関数の場の理論定式化 |
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場の理論で確立している背景場の方法(Background-Field Method)
を用い、CMBパワースペクトルを定義する。特にインフレーション
起源のゆらぎの導入をPath-Integralを使って行う。通常の結果を
まずは導く。赤外発散の状況をQEDの場合と比較しながら吟味する
。紫外発散を含め、発散はすべて繰り込む。宇宙項のRenormali-
zation Group Flowを決定する。
参考
Prog.Theor.Phys.121(2009)727, arXiv:0801.3064(hep-th);
arXiv:0812.1263(hep-th);
Jour.Phys.:Conf.Scr.222(2010)012048, arXiv:1001.0222
(hep-th);
DSU2011 Proceedings: arXiv:1205.1316
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伊東 佑人 |
東大総文 |
Line operators on $S^1\times R^3$ |
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$S^1$x$R^3$ 上で$S^1$方向の周期性をツイストした理論でのループ演算子の期待値
を局所化の方法で計算し、Alday-Gaiotto-Tachikawa予想の通り、これらが2次元共形
場理論の一種であるLiouville理論や戸田理論の物理量と一致することを確かめる。また
これらがHitchinモジュライ空間の座標を非可換に変形したもので書けることを見る。
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稲冨 晶子 |
奈良女子大 |
マージナル変形された背景上のタキオン真空解 |
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弦の場の理論において、単位弦場に基づいたマージナル変形解のまわりで弦場を展開した理論について考察した。この理論は、ウィルソンライン背景などマージナル変形された背景上の弦の場の理論を与える。この理論におけるKBc代数を構成し、この代数に基づいてマージナル変形された背景上でのタキオン真空解について調べた。結果として、この解に対する真空エネルギーとオーバーラップが予想される値となることを確認した。
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長崎 晃一 |
阪大理 |
カイラルプライマリ演算子の期待値とホログラフィックインターフェースCFT |
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我々はN=4の超対称Yang-Mills理論についてインターフェースが存在する下でのカイラ
ルプライマリ演算子の期待値を計算した。このインターフェースはIIB型超弦理論におい
てD3-D5ブレーン系を考える事により導かれるものである。この期待値はゲージ理論に
おいて古典的な計算が出来る。一方で、このインターフェースはブローブとしてD5ブ
レーンを加えたAdS$_5\times$ S$^5$上のIIB型超弦理論のホログラフィック双対であ
る。そしてその期待値はGKPWの処方により計算される。この計算から我々はゲージ理
論と超弦理論の間に非自明な一致がある事を確かめた。
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中村 厚 |
北里大学理 |
On the construction of calorons with cyclic symmetry |
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Calorons are instanton solutions to anti-selfdual Yang-Mills
eqations on $\mathbb{R}^3\times S^1$. In this presentation,
the analytic Nahm data of calorons with cyclic symmetries are
obtained in terms of elliptic theta functions, by applying
Sutcllife's ansatz for cyclic monopoles. We find there exist
calorons which do not interpolate between monopoles and
instantons, in some cases.
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西尾 亮一 |
東大理 |
Generalized parton distribution with nonzero skewedness in holographic QCD |
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一般化されたパートン分布(Generalized Parton Distribution, GPD)はハドロンの立体的構造を表す物理量であり、摂動論的QCDの分野において興味を持たれているものである。GPDは非摂動的な物理量なので通常の方法では理論的に与えることはできない。本研究はゲージ/重力対応における重力側の記述によって、GPDを理論的に与えるというものである。
GPDは通常のパートン分布が持つパラメタに加えて、運動量移行$t$とskewedness $\eta$という二つのパラメタを持っている。運動量移行依存性については我々の過去の研究で解析したが、skewednessの効果の解析は困難であった。この問題の解決策と結果を報告する。
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野坂 朋生 |
京大基研 |
Multiple M5 solutions in ABJM theory |
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M5-braneの理解は、場の理論の非摂動論的理解等に本質的に重要であ
る。実際、M5-braneの存在からS双対性やAGT対応等が導かれるが、複
数のM5-brane上の理論は現在まで知られていない。これをM2-brane上
のABJM理論を使って考えたいが、そのためにはM2-M5束縛状態に対応
するBPS解がまず必要である。
我々は2枚のM5-braneを表す新しいBPS解をABJM理論で構成した。
今まで知られていたBPS解がDirac monopoleを表すNahm方程式の解のM
理論での対応物だったのに対し,この新しいBPS解は’t Hooft-
Polyakov monopoleを表す解に対応しており、複数のM5-braneの情報
を持っている。
本講演は寺嶋靖治氏(基研)との共同研究に基づく。
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馬場 隆行 |
筑波大数理 |
Relevant deformation解のエネルギーの計算 |
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Wittenのcubic string field theoryで、relevant deformation解のエネルギーを計算する。
Bonora-Maccaferri-Tollaによって構成されたBMT解のエネルギーが、Witten deformationの際にBonora-Giaccari-Tollaによって数値的に計算された。しかし、ここで得られたエネルギーの表式を解析的に計算する事は難しい。relevant deformation解のエネルギーを解析的に計算する事を考える。
(この結果は、石橋延幸氏との共同研究による)
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早坂 壮大 |
東京理科大理工 |
Non-axisymmetric baby-skyrmion branes |
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Baby-Skyrme模型には,多ソリトン解の非軸対称解のクラスが存在することが,Hen,Karlinerらのアニーリング法を用いた数値シミュレーションにより示された。本ポスターにおいて我々は,まず模型のオイラーラグランジュ方程式を解くことを通じて,これらの非軸対称解がどのような境界条件の下で発現するかについて議論する。さらには,得られた知見に基づいて,6次元時空における非軸対称なブレイン解を導出する。これらの解の幾何学的な性質が4次元時空上の物理量に与える影響についても述べる。
本研究は,Universite de MonsのTerence Delsateと,東京理科大理工の澤渡信之との共同研究である。
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堀田 健司 |
北大理 |
Correspondence between Cylinder Amplitude and Sphere Amplitude at the Hagedorn Temperature |
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以前、『閉弦の‘ハゲドロン相転移’により、D9ブレーン・反D9ブレーンが生成される。』という仮説を提唱したが、その時ブレーン上の開弦の1ループ自由エネルギーが、ある極限で閉弦の巻付きモードタキオンの伝播関数に近づくことについて述べた。この関係が、開弦の円筒世界面に(2n)個の閉弦の巻付きモードタキオンの作用素を入れた振幅と、閉弦の球世界面に(2n+2)個の閉弦の巻付きモードタキオンの作用素を入れた振幅でも成り立つこと等について述べる。
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松尾 善典 |
KEK |
Spacetime Structure of the Black Hole Evaporation |
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We study a self-consistent solution of the semi-classical Einstein equation
including the back reaction from the Hawking radiation.
Then, the geometry has neither horizon nor singularity,
and all matters inside the black hole finally come back to infinity.
Therefore, no information is lost by the black hole evaporation.
Furthermore, we construct a stationary solution for
a black hole in the heat bath and estimate the entropy.
The entropy-area law is reproduced by the volume integration
of the entropy density over the inside of the horizon,
and the black hole can be treated as an ordinary thermodynamic object.
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宗行 賢二 |
近大理工 |
高階微分を含む3次元重力理論のユニタリー性と繰り込み可能性 |
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New Massive Gravity(NMG)は高階微分を含む項(スカラー曲率及びRicciテンソルの2乗)があるにもかかわらず、ユニタリー性を保つ理論であるので、繰り込み可能な量子重力の候補の1つである。本発表では高階微分を含む3次元重力理論自体は、繰り込み可能であることを示す。しかしNMGを含むユニタリー性を保ついくつかの場合では、繰り込み可能でないことも示す。
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弓林 司 |
首都大理工 |
ひも理論の可積分性と導来圏 |
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本発表ではString theoryのderived categoryを用いた研究手法として可積分性の観点か
ら全く新しいものを与える。本研究は齋藤氏、脇本君との共同研究に基づく。
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July 26 (Thu) |
AM 1 (9:00-10:10) |
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藤 博之* |
名大理 |
体積予想とChern-Simons 理論 (60) |
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体積予想は,双曲幾何学と結び目不変量を関係づける興味深い予想である.この予想は,物理的には3次元Chern-Simons理論の半古典的解析として自然に解釈され,最近では3D/3D対応等において応用がなされている.本講演では,体積予想の主張である,色付きJones多項式の漸近解析と結び目補空間の双曲体積との関係を,具体例を通じて概観し,さらに一般化された体積予想やその量子版であるAJ予想などといった,体積予想周辺に生じた結び目不変量に関する予想を紹介したい.
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AM 2 (10:40-11:55) |
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西中 崇博 |
CQUeST |
Two-dimensional crystal melting and D4-D2-D0 on
toric Calabi-Yau singularities (20) |
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今回我々は、一般のtoric Calabi-Yau singularity上のD4-D2-D0束縛状態のBPS index
を計算する統計模型を考案した。数えているBPS状態は、toric divisorにwrapした1枚の
D4-braneに任意数のD2、D0-branesが束縛されたものである。我々の模型の構成法は
Calabi-Yauのtoric dataとD4-braneがwrapしているdivisorに依存し、既に知られてい
る幾つかの統計模型を正しく再現する。この講演は山口 哲 氏(阪大)および吉田 豊 氏
(KEK)との共同研究に基づく。
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酒井 一博 |
京大基研 |
E弦理論のSeiberg-Witten解とNekrasov型公式 (20) |
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弦理論の発展により、ラグランジアンに基づく従来の定式化では見えてこなかった非自
明な超対称場の量子論が多数存在することが明らかになっている。その中でもE弦理論は
6次元で最小の超対称性を持つもので最も構成の単純な理論である。E弦理論は空間2次
元分を$T^2$にコンパクト化することで、その低エネルギー理論をSeiberg-Witten理論
を用いて調べることができる。このときのSeiberg-Wittenプレポテンシャルは、低エネ
ルギー有効作用を与えるだけでなくBPS状態の分配関数にもなっており、理論を特徴づ
ける最も重要な関数である。本講演では、Nekrasov型の分割和を用いてこのプレポテン
シャルを陽に与える表式を構成した最近の成果について報告する。
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瀧 雅人 |
理研 |
インスタントンと共形場理論のホイタッカー状態 (20) |
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M理論における5ブレインの研究は、目下の最重要トピックスの一つである.M5ブレイン
のコンパクト化から得られるゲージ理論の量子論的なダイナミクスは、5ブレインのコ
ンパクト化空間内の共形場理論にエンコードされることが発見されている.本講演では、
この対応の一般的な様相を、いくつかの具体例を取り上げて議論したい.
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AM 3 (12:10-13:00) |
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中島 宏明 |
KIAS |
Topological Supersymmetry of \Omega-deformed Super Yang-Mills theory (20) |
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一般化された$\Omega$-background中の4次元N=4超対称Yang-Mills理論における
topologicalな超対称性を調べる。この理論は10次元のある重力及び捩率背景中の
超対称Yang-Mills理論を次元簡約したものとして表すことができる。
その背景上でのKilling spinorの存在条件を調べることで超対称性が
どれだけ保たれているかをみる。
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佐々 周平 |
東北大理 |
Dブレーンの新しい幾何学的解釈とDBI作用 (20) |
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ゆっくり変動する背景に対してDブレーンの低エネルギー有効理論はDBI作用によって
与えられることが知られている。これは弦の世界面の理論においてディスクの散乱振幅
を計算することによって求めることができる。しかし、なぜDBI作用でなければいけな
いのか明らかではない。もし、何らかの機構によってDブレーンの有効理論を特徴づけ
ることができ、それがDBI作用であることを説明できれば、弦理論の解析をしなくても
弦の高次補正を決めることができると期待される。そのような一つの方法として、DBI
作用はDブレーンをおくことで破れるローレンツ対称性を非線形実現するように決めら
れることが知られている。このとき、Dブレーンの垂直方向のずれを記述するスカラー
場は並進対称性の破れに対するNGボソンとなる。
この講演では、Hitchinによって提唱されたGeneralized Geometryの枠組みでDブ
レーンを考えることで、DBI作用の新しい解釈を提案する。特に、この枠組みではスカ
ラー場とDブレーン上のゲージ場を同等に扱うことができ、自発的に破れた対称性の非
線形実現の議論をB場とゲージ場を含めて拡張できることを示す。
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PM 1 (14:15-15:30) |
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丸 信人 |
慶應大日吉 |
D-term Dynamical SUSY Breaking (20) |
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Under a few mild assumptions, N=1 supersymmetry in four dimensions is
shown to be spontaneously broken in a self-consistent Hartree-Fock
approximation of BCS/NJL type to one-loop off-shell, in the gauge theory
specified by the gauge kinetic function and the superpotential of adjoint
chiral superfields. The gauginos receive mixed Majorana-Dirac masses and
are split. We derive an explicit form of the gap equation, showing the
existence of a nontrivial solution.
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藤本 教寛 |
神大理 |
Generation, Quark/Lepton Mass Hierarchy and Flavor Mixing from Point
Interactions in an Extra Dimension (20) |
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今回我々は5次元ゲージ理論の枠組みで、余剰次元に幅0の相互作用である点状相互作
用を複数導入することにより、1世代の5次元フェルミオンから任意の世代が導びけ、
さらに世代間に必然的に質量階層性が実現されうる事を見出した。この枠組ではFlavor
mixingは余剰次元の幾何学によって決定される。今回の発表ではこの枠組をクォーク・
レプトン両セクターに適応し、異なる質量階層性の構造とFlavor mixingの構造が同時
に実現できるかについて議論をする。
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近藤 慶一 |
千葉大理 |
Physical unitarity of a massive Yang-Mills theory without the Higgs field and low-energy QCD for color confinement (20) |
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ベクトル粒子が質量を持つような場の量子論の模型で,物理的ユニタリー性とくりこみ可能性が両立するのは,ゲージ対称性がHiggs場によって自発的に破れた場合に限られると信じられている。しかし,カラー閉じ込めと関連したQCD低エネルギー有効模型として,Higgs場を用いずに,Yang-Mills理論から正しい自由度を持つ有質量でスピン1の模型を構築する可能性を議論する。実際に,くりこみ可能なCurci-Ferrari模型から出発して,そのような模型を提案し,いくつかの性質を調べる。
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PM 2 [ポスター紹介] (15:45-16:00) |
PM 3 [ポスターセッション] (16:00-18:00) |
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礒野 裕 |
Tata Institute |
Wilsonian holographic renormalisation group and emergent fermions in extremal charged black holes |
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近年、重力理論を用いた現象論的計算モデルによる物性系の研究が注目されている。特
に重力理論によるフェルミ流体/非フェルミ流体の解析がさかんに行われている。我々
は、荷電ブラックホール上のフェルミオンに対応する、ゼロ温度有限密度系の低エネル
ギー作用を、ウィルソン流くりこみ群の重力双対を用いて導いた。この有効作用は、低
エネルギーでのスケール不変な理論に dynamical なフェルミオンが結合した形をしてい
る。
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小笠原 敦 |
京大理 |
Runaway and D term in gauge-mediated supersymmetry breaking |
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我々は、F項とU(1)のD項を用いた超対称性の破れを研究した。モデルを3つのクラスに分類し、それぞれの真空の性質を調べた。その結果、F項ポテンシャルがrunaway構造を持つクラスでは、runaway構造がD項ポテンシャルで解消され、超対称性が破れた真空が生じることが分かった。このクラスでは、古典的に安定な真空にpseudomoduliが存在しないため、ゲージ伝達機構においてゲージーノの質量が一次の量子効果で生成される。我々は、そのようなモデルの例として、Fayet-Iliopoulos項を持たないモデルを提案する。
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菅野 正一 |
東大理 |
Correlation function of W(1+∞) algebra and relation to AGT-W conjecture |
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W(1+∞)代数の相関関数について自由ボソン、自由フェルミオン等を用いた解析を行う。
特に表現空間の自然な基底であるシューア多項式基底による相関関数の展開がネクラソフ分配関数の表式を再現することを見る。
また代数の相関関数への作用をWard恒等式により議論する。
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菊地 健吾 |
阪大理 |
Restoration of Lorentz Symmetry for z=2, d=3+1 Lifshitz-Type Scalar Model |
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リフシッツ型理論は紫外領域での収束性が良いという利点を持つ一方で、ローレンツ対
称性を破っているという問題点がある。本研究では、厳密繰り込み群の1つである
Wegner-Houghton方程式を用いて、z=2, d=3+1スカラー場のリフシッツ型理論モデ
ルを解析した。その結果このモデルが、低エネルギーでローレンツ対称性を回復するこ
とを示した。これは4次元時空での$\phi^4$スカラー場の理論のトリビアリティ問題の
解決に繋がる結果である。
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小路田 俊子 |
京大理 |
弦の場の理論における多重ブレーン解と巻き付き数 |
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Cubic String Field Theory(CSFT)は作用の構造がChern-Simons(CS)理論との類似性に注目し、CS理論を特徴付けるWinding数がCSFTにおいても実現されていると考え、その構築を目指す。
現在までにWinding数が全微分の積分形で書けることに相当する表式をCSFT側でも得ている。CSFTには多様体という概念が無いため表面積分という概念は存在しないが、それに対応する概念と、多重ブレーン解の構成の関係について発表する。
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小林 秀太郎 |
首都大理工 |
Nonsupersymmertic D-branes modelでのgauge symmetry breaking |
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string phenomenologyを考える際に重要になる一つの要素としてgauge symmetry breakingがあげられる.
このgauge symmetry brakingを引き起こすD-brane modelとして,超対称性を持っていない物理系を考えるのは有用である.
その一つとして,$C^{3}/Z_{3}$ orbiford上のD3-D$\bar{7}$ brane系があげられる.
超対称性が存在しない物理系での非自明な結果の一つとして,例えば,open strignのone-loop効果による質量生成がある.
加えて,$Z_{3}$で割っていることから生じる,twisted closed stringの効果も存在する.
このtwisted closed stringは,$Z_{3}$ singularityを滑らかにすると考えられている.
これら非自明な効果により,どのようにgauge symmetry breakingが生じ,その結果として生じる幾何学的な構造を理解するために議論したい.
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酒谷 雄峰 |
京産大益川塾 |
Rotating string in doubled geometry with generalized isometries |
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我々は T-fold と呼ばれる種類の時空の解を構成した。そして、この時空上で回転する string 解を構成した。この時空は通常の意味では軸対称性を持たないが、この時空を doubled geometry として理解し直すと、これは軸方向の回転を生成する generalized Killing vector を持つという意味で軸対称であることが分かった。また、この string 解が持つ charge vector の発展方程式が、この generalized Killing vector に関する Lie 移動の方程式として理解できることを示した。本講演は菊池徹氏(KEK)と岡田崇氏(京大理)との共同研究に基づく。
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嶼田 健悟 |
総研大 |
Spacetime thermodynamics with a general null hypersurface |
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ブラックホール熱力学第一法則がEinstein方程式の結果として得られるのに対し、その論理を逆にすることでEinstein方程式を導出できることが知られている。そこでは、まず時空の熱力学的量が定義され、それらが満たすべき関係式としてClausiusの等式$\delta Q=T\delta S$を要請する。
しかしこの導出方法は、地平面の"向こう側"の観測者を必要とするような不自然なものとなっている。このような観測者を考えねばならない理由を、Einstein重力理論が持つ一般座標変換不変性の観点から理解し、より一般の重力理論への拡張を試みる。
またこのとき観測者依存する形での熱力学量の定義が必要になることをみる。
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田中 章詞 |
阪大理 |
Comments on knotted 1/2 BPS Wilson loops |
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3次元ゲージ理論において、Wilson loopは一般に「絡まって」しまうことがわかるが、
ゲージ理論としてChern-Simons理論をとった場合、このWilson loopの期待値は結び
目の不変量となることが知られている。
一方、近年発展した局所化の方法を用いればこれを直接計算することが可能である。計
算可能なWilson loopは1/2BPS条件を満たさねばならないので素朴な方法ではあまり面
白い結び目を得ることができないが、Squashed 3-sphere上の超対称性を用いることで
Torus結び目と呼ばれるクラスの結び目が1/2BPS条件を満たす結び目として発現するこ
とを発見した。
また、この方法で得られる1/2BPSループは$S^3$を過不足なく覆い、Seifert fibration
と呼ばれるファイバー束としての構造と関係があることを見出した。
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浜中 真志 |
名大多元数理 |
非可換インスタントンのADHM構成法 |
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Atiyah-Drinfeld-Hitchin-Manin (ADHM)構成法とは, 任意のインスタ
ントン解を与える強力な構成法の一つであり, インスタントン・バッ
クグラウンドでの経路積分の計算など様々な応用がある. この構成法
を非可換空間の設定に拡張すると, モジュライ空間の特異点が解消さ
れ,種々の議論が自然に進み, またU(1)インスタントンといった新し
い物理的対象も生み出される. (ゲージ理論においては,非可換空間
への拡張は背景フラックスの導入と理解できる.) この講演では,
ADHM構成法の非可換化について一通り詳しく議論する. 特にU(1)イン
スタントンの巻きつき数の起源をADHM構成法の枠組みから明らかにす
る.余力があれば,解構成やモジュライ空間への群作用についても触
れたい.この研究は中津了勇氏(摂南大学)との共同研究に基づく.
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深澤 裕一 |
中央大理工 |
高次元重力理論の量子効果と時空の4次元性 |
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全ての空間次元をコンパクト化した時間1次元+空間n次元における重力理論の
radionのeffective potential を用い、時空の4次元性を調べる。すなわち、空間3次
元のみが拡大し、余剰次元方向は小さくなる事を示す事により現在の4次元時空を部分
的に説明できるか議論する。特に1+4次元時空における重力+物質場の理論ではポテン
シャルの形が具体的にわかるので、 パラメータを調整して上述のような解が得られる
か研究中である。研究会までには答えが得られることを期待している。
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村中 大地 |
名大多元数理 |
Thermal Skyrmion configurations in Yang-Mills theory |
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近年Yang-Mills理論において,caloronと呼ばれるソリトン解が注目されている。caloronは簡単には周期インスタントンとして位置づけられるが,物理的には有限温度インスタントンと解釈され,インスタントンが応用される様々な分野に有限温度の知見を与えることが期待されている。特に,核子を記述するモデルの一つとして知られるスキルミオンをインスタントンから構成する手法が知られており,それにcaloronを応用することで有限温度の場の理論を議論することができる。
今回の発表では,上記の研究に関する数値的な解析により得られたいくつかの結果について報告する。
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横山 大輔 |
東工大理工 |
Orbifolded squashed S^3 上の超対称ゲージ理論の分配関数と関係する双対性に関して |
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我々は3次元球 $S^3$の1パラメータ変形であるsquashed $S^3$を更にorbifoldした背景空間上で超対称ゲージ理論の分配関数を求めた。通常のsquashed $S^3$上の分配関数と大きく異なるのは、orbifoldを考える時にはholonomyの効果が重要になってくる点であり、特に大域的対称性に対するholonomyは理論のパラメータになる。また、この分配関数のlarge N limitに関しても議論する。
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渡邉 夏輝 |
首都大理工 |
Dark energy function in modified gravity and supergravity |
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有効スカラーポテンシャルに、繰り込み可能であることと超対称性を持つことを要求し、$f(R)$重力及び$F(\mathcal R)$超重力理論におけるダークエネルギーモデルへのより理論的な制限を計算した。
また超対称性の自発的破れに関わる隠れたセクターのモデルも提案する。
なお本研究はSergei V. Ketov氏(首都大)との共同研究に基づいている。
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July 27 (Fri) |
AM 1 (9:00-10:10) |
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高柳 匡* |
京大基研 |
AdS/CFT対応と物性物理 (60) |
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超弦理論において発見されたAdS/CFT対応を用いると、強く相互作用する量子多体系を古典的な重力理論で解析することができると期待される。そこでAdS/CFT対応を用いて、物性物理に登場する強相関物質(例えば、高温超伝導や重い電子系などの非フェルミ流体)に類似した量子多体系を解析する研究が最近盛んに行われている。またAdS/CFT対応を用いて計算できる物理量も、電気伝導度、比熱、スペクトラル関数、量子エンタングルメント・エントロピーなど多岐にわたる。本講演では、これらの最近の進展をレビューしたい。
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AM 2 (10:40-11:55) |
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宇賀神 知紀 |
Kavli IPMU |
Soliton Stars as Holographic Confined Fermi Liquids (20) |
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We study a holographic dual of a confined fermi liquid state
by putting a charged fluid of fermions in the AdS soliton
geometry. This can be regarded as a confined analogue of
electron stars. Depending on the parameters such as the mass
and charge of the bulk fermion field, we found three
different phase structures when we change the values of
total charge density at zero temperature. In one of the
three cases, our confined solution (called soliton star) is
always stable and this solution approaches to the electron
star away from the tip. In both the second and third case,
we find a confinement/deconfinement phase transition.
Moreover, in the third one, there is a strong indication
that the soliton star decays into an inhomogeneous solution.
We also analyze the probe fermion equations (in the WKB
approximation) in the background of this soliton star
geometry to confirm the presence of many fermi-surfaces in
the system.
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石原 雅文 |
東北大 AIMR |
Refined Holographic Entanglement Entropy for the AdS Solitons and AdS black Holes (20) |
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$(2+1)$次元でのエンタングルメントエントロピー(EE)を、ギャップ
相に双対な時空($AdS_5 Soliton$時空)で調べた。EEそのものは紫外
発散するので、発散項およびUVカットオフに依存する項を適切に取
り除き、正則化したEEを調べた。この量は、ある与えられたスケー
ルRでの自由度の数に対応する考えられている。実際、この正則化し
たEEはスケールRが増大すると共に単調に減少することが分かっ
た。
また、有限温度に双対な時空(AdS-Black Hole時空)にて、正則化し
たEEを調べた。この量は、低温相では面積則に従い、高温相では体
積則に従うことが分かった。また、低温相から高温相へのEEの変化
はクロスオーバとなることが分かった。しかし、高階微分項で補正さ
れたAdS-black hole時空では、クロスオーバーではなく相転移となる
ことが分かった。
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野崎 雅弘 |
京大基研 |
Central Charges for BCFTs and Holography (20) |
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AdS/CFT対応において通常CFTは、境界のない空間上で定義され、そのセットアップで多くの研究がなされている。従って、円板や半平面のように境界のある空間上でCFTを考えた場合(BCFTと呼ばれる)にAdS/CFTがどのように構成されるかは、自然な疑問である。最近、その方法としてAdS/BCFT対応が提案された。そこで我々は、このAdS/BCFT対応の理解を進めるために、特に分配関数の対数発散の項に着目して研究を行った。AdS3時空の解析から分配関数の対数発散の項の係数が2次元BCFTの結果を再現することを確かめた。AdS4の場合は、対数発散の項の係数は、BCFTの自由度を表すセントラルチャージのような量になっており、それが繰り込み群で単調減少することがAdS/BCFTの解析から予想される。我々は、このBCFTに対するc定理を、場の理論の立場から調べ、その証拠をいくつか見出した。また、AdS/BCFTの解の構成が、境界が任意の曲がった曲面として与えられる場合にも無矛盾な重力双対の解が存在することを確かめた。
この発表は高柳匡氏(YITP)と宇賀神知紀氏(KavliIPMU)との共同研究(arXiv:1205.1573)に基づく。
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AM 3 (12:10-13:50) |
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石田 明 |
大同大 |
On open-closed extension of boundary string field theory (20) |
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開弦部分がboundary SFTであるようなclassical open-closed SFTを考える。まず、開弦と閉弦の相互作用をboundary stateと閉弦場とのoverlapにより導入し、Batalin-Vilkovisky形式を用いて必要な相互作用を加える。その結果、閉弦部分はHIKKO型closed SFTになることが分かった。さらに、このSFTが持つゲージ対称性についても議論する。
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増田 暢 |
東大総文 |
On the double-brane solution in open string field theory (20) |
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Witten の開弦の場の理論の古典解として、複数のD25ブレーンが重なって存在する背景を表すものは存在するかどうかという問題がある。最近 Murata-Schnabl によりそのような解が提案されているが、解は特異性を持っており、運動方程式を尊重する正則化は知られていなかった。我々は二重ブレーン解について運動方程式を満たすような正則化を構成し、期待されたエネルギーが再現されることを示した。しかし Ellwood 不変量は、期待された値が再現されなかった。
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野海 俊文 |
東大総文 |
Constraints on a class of classical solutions in open string field theory (20) |
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ボソン的開弦の場の理論において,KBc 部分空間と呼ばれるクラスの開弦の場の配位から構成可能な解の性質を議論する.我々ははじめに,Kiermaier-Okawa-Zwiebach によって提案された『古典解から境界状態を構成する方法』を KBc 部分空間における一般の場の配位に対して適用し,KBc 部分空間の境界状態を与える一般的な公式を導出した.この構成法では特に,『境界状態の性質が境界の長さを表すパラメータ s に依存しないこと…(♭)』が古典解の運動方程式から導かれるが,我々は(♭)を開弦の場が運動方程式を満たすための必要条件として要求することで,KBc 部分空間にはタキオン凝縮解,摂動真空解,負のエネルギーを持つ ghost brane 解の3種類しか存在し得ないことを示した.さらに,我々の結果からその存在が示唆される ghost brane 解の具体形についても議論する.(本講演は東京大学の増田暢氏と立教大学の高橋大輔氏との共同研究に基づく)
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鳥居 真吾 |
東大総文 |
The Universal Structure of Propagators in Open Superstring Field Theory (20) |
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We analyze the relation between gauge-fixing conditions and
the structure of propagators in the Wess-Zumino-Witten-type
open superstring field theory. Concentrating on the Neveu-
Schwarz sector, we manifest the underlying universal structure
and elucidate how the information about gauge-fixing
conditions is incorporated into the propagators. The result is
a natural extension of that in open bosonic string field
theory.
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