ポスドク実態調査第四回アンケート集計結果
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主要な意見(実際は、非常に多様な意見が集まっているので、このようなまとめは非常に恣意的にならざる得ないということをご理解下さい。集まった意見を直接ご覧下さる方が良いと思います。)
Q9.1 研究に対して;(研究環境、成果)
- 研究環境の大学間格差,大学と研究所の格差が非常に大きい。大きな大学では研究環境が良いと考えている人が多いが、小規模な大学では、予算、教育の負担、雑誌の購入、旅費の補助、などの点で問題があると考えている人が多い。
Q9.2 ポスドク問題について;(学振、COE)
- 採用状況や給与面などPD自体の状況は徐々に改善しているしかし,当面研究・教育ポストの増加は見込めない。結局は,30歳代前半〜半ばでの転進先を考えていかないと本当の進展はないのではないか、というような意見と、サポートを受けることのできるポスドクの数があまりにも少なく、どうにかして増やすべきだとの意見がある。また、博士課程に進学する際、指導教官が、やる気も能力もなさそうな
学生に対しては、学生の進路について直接じっくり話し合うべき等の声があった。さらに、学振等の選考基準に対する疑問が目立つ。
Q9.3 海外との比較;
- 基礎科学を続ける困難さは海外も同じ。ただし他分野や企業への転進の容易さが全然違うということ、そして、制度に関しては、大学の研究室が一定数のポスドクを持ち得る海外とポスドク応募者が大きな大学・研究所を研究場所として選ぶ日本とでは比較のしようが無い、のような意見がありました。
Q9.4 海外への流出について;
Q9.5 停年延長について;
- 慎重に審議すべき。高い研究活動を続けられる人には定年延長は歓迎だが、一律に全員延長を認めるのはどうかと思うというようなもの、さらに、活力の低下に
つながらないか、というような反対意見が多い。
Q9.6 就職難について;
- 他分野(情報系など)への就職も考えざるをえないと思うというもの、基礎科学研究者の価値を、世間にわかりやすい形で示すことが必要、のような意見がありました。
Q9.7 研究者の流動性が少ないこと;
- PDから教授まで、様々なレベルの流動性についての意見がありました。様々なレベルの流動性を保つことが必要であり、ある程度良く研究できる環境の所は、それなりの流動性があるというような意見が多いです。また、具体的に意見もたくさんあります。
Q9.8 大学院生の声;
- 学費が高すぎるという意見が(当然ながら)多いです。また、PDフォーラムと大学院生とのつながりが感じられない。研究室会議でこのアンケートのことを話題にしても、院生は知っていない。院生には院生の連絡手段が備わっており、PDフォラムがなぜ院生のチャネルを無視しているのか理解できない。また、院生の主要な行事である三者若手の夏の学校などへの働きかけがないとするなら、それも理解できない、という意見がありました。これは、もちろんその通りであり、できる限り改善したいと考えています。(ただ、今回のアンケートに関しては研究室の院生、PDの全員に知らせて欲しいと考えており、特に、メーリングリストsg-pdへの参加を進めて欲しいという主旨のことをアンケートの前文で書いています。もちろん、もっと有効的に、院生、PDを通したつながりができるような方法を考えるべきだと思っています。)
Q9.9 その他何でも;
- 様々な意見があるが、特に、「おねだり」以上のことを、中堅・若手人間が考えて、動かなきゃいけないというものと、せっかく多くの方の努力で集められたアンケートの実際の利用が不十分である、という意見は考慮するべきだと感じています。