ポスドク実態調査第四回アンケート集計結果
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【その他寄せられたコメント】
研究に対して;(研究環境、成果)
- 当方は、地方の小規模大学であり、上記Q7の分類では教育職に
あたるので、授業のduty等が多く、研究環境は悪い。社会科学系
の大学でもあり、同僚・施設・書籍などの面でも恵まれないので、
他大学との共同研究が欠かせない。
- 大学院重点化のせいで院生は増えたがスタッフが増えないので教育に
問題が生じていると思う。
- 研究環境の大学間格差,大学と研究所の格差が非常に大きく,将来的な日本の
学術体制の足腰に不安を感じる。校費の削減により地方大などで基本的な雑誌の購
入が困難になりつつある点が,当面の大問題。
- 最低限研究環境として必要なことはすぐに論文などの資料が手に入ること
であると思う。そのためのコンピュータ環境など整備されているとなお良い。
- 元気のある院生がいないのは寂しいが,最悪という訳でもない
- 最近の当研究室の動向をお知らせいたします。当研究室は工学部の
応用物理学科の大学院研究科にある量子工学講座の中にあったのですが、昨年
よりこの学科が情報工学科に改組されました。当面我々の研究室は残りますが、
応用物理学科の学生がいなくなりますので、当研究室に来る学生は漸次いなくな
ることが予想されます。また、素粒子論研究室のような研究室の存立も次第に危う
くなっております。私学で、素粒子関係の研究室を持っているところでは、この
ような状況のところがあるのではないでしょうか。
- 環境は十分です。待遇に見合うだけの成果がだせていないことに
心苦しさを感じます。
- 質問の趣旨不明瞭のため回答不能
- 研究環境:学会、研究会等へ出席しても旅費などの補助が
ないので、経済的にかなり苦しい。
- 現在の研究環境は非常に素晴らしいものである。欲を言えば
海外からのビジターが常に滞在してくだされば、と思う。
- 環境については,論文と本がどこでも自由に読めるならば,それほど差
がないのではないかと思います。指導教官の専門分野と違うのが悩みです
が,メイルのやり取りなどでより適切な先生に指導していただければ、と
願っています。研究会は参加したいですがお金がかかるので,将来的にテ
レビ電話のようにできれば理想的だと思います。無駄な出費は参加しない
会員のためにも,控えるべきです。
- 成果について,先生方には自分と多少違う研究内容でも、客観的に評価
していただきたいです。発表の技術よりも論文の中身で評価していただき
たいです。出身校や年齢,性別等によって格差があるべきではないと思い
ます。私の叔父はトップの成績でしたが,子供のとき両親をなくし,貧乏
なので小卒で就職しました。税金を使っているのだから,当然私たちには
虚妄でなく物理的真実を可能な限り望む全ての人に公開する社会的義務が
あります。
- 研究環境:悪い 、 成果:論文は出てる
- 地方大学の研究環境は悪いので、もっと整備すべきだ。
またポスドクの研究環境も悪いので、もっと整備すべきだ。
しかし、この両者を安易に混同すべきではない。
- 私立なので学費が高くって大変。でも研究は楽しい。
理論は修士でなかなかまともな論文を書けない。
- 最近ドクターコースができたので、これから盛り上げていきた
いと思います。
- 研究環境は以前に比べて地方大と
大大学の格差は電子情報の発達など一面で小さくなったように見えるが、
予算の重点配分などを通して明確な格差づけが行われつつある。
そのような面も踏まえての成果の評価が適切に行われているのか疑問も
残る。この「重点化」は文部省指導のキーワードとして、いまや
「自主的」に各大学の内部予算配分に適用させられ始めている。もともとの
基本配分の少ない大学では、例えばこのような部分重点化によって経常予算が
1割減らされただけで、実際には、削減不可能な経常経費があるために、
研究・教育のために使える「自由」な予算がなくなってしまう。そして最初に
削減されるのは図書、次に非常勤職員。例えば、大大学を除いては、
オンラインジャーナルのサイトライセンスが取得できない状況に既になり
つつある。これらの状況は、理論物理学の分野では特に顕著な問題となる。
- 研究室の赤字で本が買ってもらいずらい。
また、それに関連して新しい論文がほとんどエレクトリック
になるのも、どうかと思う。
- 弦理論をやっている若手が多い。
- 研究環境は良い。願わくは、もう少し院生やポスドクが増えればなお良い。
- 私が所属している研究室は、プロパー素粒子ではありません。
工学部の中にあって、物性理論・計算機実験ぽいことをやっている研究室です。
私自身はこの研究室に招かれてやって来たものの、教授が腐れていて、とても一緒にやっていけず、
今では研究室の他のメンバーがやっている研究にはタッチしていません。
したがってこの研究室の状況は、
素粒子・原子核関係のポスドクにとって直接参考にはならないと思います。
ただ、どうやって工学部にポストを見つけたのか、工学部と理学部とはどんな違いがあるのか、
といったことについては、参考意見を出せるかもしれません。
- 研究室の広さで言えば十分満たされています。
- ポスドク及び学生の旅費が出るようにして欲しい。
- 目標や動機がはっきりした研究をする。
- 研究環境は良いと思います。
成果については満足しています。
- 机、ネット、パソコン等を使わせていただき、旅費もサポートして頂け、所属さ
せて頂けているという研究環境には大変満足し、有難いと思っています。成果も、自
分のテーマをこつこつと論文にしているという感じはあります。もちろん、まだまだ
修行が足りず、ヒットと呼べる成果が欲しい所です!
- 自分は理想的な研究環境にいると考えている。成果が出てないけど...
ポスドク問題について;(学振、COE)
- 大学院重点化とかの理由で人数を無理矢理ふやされてしまうと、
やはり受け皿の問題は大変ですよね。学振が増えたりCOEが始まっ
たりしたこの数年での変化は、無理矢理にでも研究職へ向けて
ポスドクをしたいという人たちの一定の部分の人の生活を改善
する事にはなっていると思うので、評価はできると思います。
- 採用状況や給与面などPD自体の状況は徐々に改善している(皆さんの努力の賜物)。
しかし,当面研究・教育ポストの増加は見込めない。結局は,30歳代前半〜半ばでの
転進先を考えていかないと本当の進展はないのではないか。
- 世間一般にCOEの評価が低すぎると思う。
- 大学以外へもっと飛び出していかないと状況は厳しい
- 我々の研究分野は基本的に学問的な関心に基づいて行なわれているもので、
実用的なものではないので、全然いらないとは決していいませんが、世の中の
労働人口のうちの大きな部分を占めるというのもかなり無理な話だと思い
ます。そう考えると、現在のスタッフの数はそこそこ適切で、学振、COEは
多過ぎ、給料も貰い過ぎで、半分の額で十分だと思います。
学振、COEを減らして、その分のお金でスタッフを僅かでも増やす方がいい
ように思います。
- 学振特別研究員について
制度の趣旨から、「広く薄く」よりも「狭く厚く」が適当だと思っている。現
在は、私自身が採用予定者になってしまったのであまり大きな声では言えなく
なったが、その前に4回連続で不採用になっていた頃から、そういう考えを強
く持っていた(制度の方向性を考えるときには、自分自身の利害を一応度外視
することが不可欠であると思われます)。
「広く薄く」という制度があることが望ましいことは確かであり、私自身も非
常に苦労した。しかし、それは学振特別研究員とは別の制度として検討される
べきだと思う。
- COEの制度について
「COEの制度」というものの全体像を把握していないので、この点について云
々することはできない。
一般論として、2〜3年の任期での有給の研究員の職が数多くあることは、現状
では絶対にス必要なことであると思われる。それは、上記の学振特別研究員の
趣旨に対する見解と、大学院重点化による学位取得者の増加という現状とから、
必然的に導かれる。この場合、若い研究者が不安定な身分をつないでいくこと
になる。
長期に渡る保障を全研究者に与えるのはもはや極めて困難だと思わざるを得な
い。それだけ、学位取得者が多いということだと思う。仮に能力があってさえ
も、運が悪ければ退場する覚悟が必要だということだと理解している。また、
そういう覚悟を常に持っていることを要求されていると思う。
このことは、今やアカデミックな職に特有の事情ではなくなりつつあるように
も思う。世の中のことをよく知っているわけではありませんが...。
- マイナーな研究にも学振をあててほしい。
- 私は博士学位取得後、2年間無給を経験しました。研究生活の継続を
心の底から念願している為、納得しておりましたが、
齢が上がれば周囲から結婚就職を求められますし、また自分としても
人並みでありたいと思う気持ちが年々強まっていきます。
そうした中で3年目に特別研究員として採用された学振の制度は大変
ありがたく、人並みに結婚することもでき、研究に必要なパソコンも購入
することができ、研究の成果も挙がっていると思います。
ただ根本的には、常勤研究職の数を現状の一桁以上の数に増やさないと
この問題は解決しないと思います。研究への夢をすてられずに学振が
切れた後に海外に出て行かざるをえなかった、先輩も二人知っております。
研究者はこうした状況を変えるために実際運動を起こすような時間を
持ちません。すべて納得済みで、この道を選んでおりますので、もとより
不満はありませんが、
- 1.日本は優秀な才能の多くをどぶに捨てている。
これは国家としての損失と思います。
多くの優れた才能を持つPDが研究をあきらめざるを得ない。
大学院の入学定員を増やすなら、就職口もつくってもらわなければ
こまります。私の知っている範囲内でPDが発狂し精神病院入院となったのも
出口の見えないPDの環境が原因の一つではなかろうかと思います。
- 2.あまりの就職難は独自の、独創的な研究活動をさまたげるおそれがある。
私個人が過去5回応募した内容は殆ど同じにもかかわらず研究成果が
人に知られはじめたら学振研究員に採用された、ような感じがしています。
応募書類には他人が好みそうな内容を書き、独自に進めている研究課題
については一切触れないように工夫しました。
独自の研究、独創的な研究は、その初期段階においては
同じ分野の研究者にも理解されないと思います。こうした研究の芽を育てていく
ためにはどうしても、ある程度無駄と思われる余裕が必要と思います。
今ぼくの所属する原子核理論分野の研究者は日本中で同じ事ばかりいって
いるような気がします。スタッフの数がすくなく、交流が密接なため、だれにきいて
も
同じ答えがかえってくるのです。こうした状況で独創的な研究が育つか大いに疑問で
す。
- サポートを受けることのできるポスドクの数があまりにも少ない。
その解決策として、学振、COEの採用数を増やすということが
まず頭に浮かぶが、
素粒子の分野だけ増やすのは、他分野との兼ね合いから不可能に近いであろうし、
給料の額を減らして採用数を増やすというのも、日本の制度上
難しいであろう。素粒子の分野で独自のサポート体制
(素粒子奨学金、教務補佐員など)を充実させていくというのが妥当であろう。
また、博士課程に進学する際、指導教官が、やる気も能力もなさそうな
学生に対しては、学生の進路について直接じっくり話し合うといった、
ささやかな対処も今後積極的に行うべきではなかろうか。
- 学振が5年に延長される計画があるという話を聞いたことがあるが、
これはやりすぎだと思う。それならば、2回目からは審査を厳しくして
複数回できた方がいいと思う。
- 私は学振に採用されておりません。したがって機会を増やしていただき
たい部類ですがそもそも研究だけで食べていこうなんて考えが甘いのでは
ないかと思います。本当に優秀なら,副業してでもやっていけるはずです
し,素粒子論のような役に立たず,明らかな成果も出難い研究を職業にし
て質素な生活に耐えられないのなら研究者に向かないのでは?また奨学金
は借金ですから当然返すべきものです。私の父もこの間まで返していまし
た。研究教育職なら返さなくていいこと自体,不公平です。
- このアンケートで学振採用の地方較差について有意な結果がでるとは
思いますが、それからどういうようにしていく方針なのか今一つ
見えてきません。あと、どこの大学が採用されやすいかというだけなら
「日本学術振興会特別研究員採用一覧」という冊子があるので
それを参照したらよいでしょう。
- 私の思う問題点:
ポスドクを受け入れる社会的基盤がないこと。
問題点の具体例:
1、ポスドクの地位が低いこと。
(保険がきかない、クレジットカードが作れない、
年金を払っている余裕がない。これじゃフリーターと同じ。)
2、ポストの数を増やすなどの基盤整備をする前に、
大学院拡張などを実行すること。
解決案:1、しかるべき機関に訴えるか、宣伝。
2、無意味な大学院拡張の中止。ポスドクを増やすだけ。
- 近年ポスドク問題が深刻になっている。
分野全体の問題として取り組む必要がある。
とりわけ、国内で2期以上ポスドクをするのが困難なのが問題である。
つまり、学振は制度上一期のみ、COEなどは少ないということである。
優秀な研究者をこの分野で育成、確保する上でも、またポスドクが他の分野
へ転向するにしても、2期以上の国内のポスドク制度を整えることが
とても重要だと思う。
- ドクターを出ても就職先がないということによって、
ドクターコースに進学しないで就職した方が良いのではと思えてしまいます。
- 地方大学の研究室にとって
学振、COEは出しても当たらないものとの認識が定着しつつある。
従って、「ポスドク問題」それ自身を日常的に体感することは、
地方大学ではできない。
この点についての突っ込んだ調査結果を返して欲しい。
- 学振の人に来てもらおうにも、売り物にすべき環境がない。
だいたい物理的な居住空間が無い。
- スタッフのポストの増加が見込めないとすれば、他分野への転向や、ポスドクの企業への就職などの情報交換が今後ますます重要になってくると思う。
- 深刻な問題であると認識しています。名案はありません。
- 職に就くのが難しく、また時間がかかる現状では、なるべく多くの形のポスドク
のポジションを
えられるようグループとして努力するべきだと思います。
- なにしろ先輩がいないので、今年から体験することになると思います。
問題はうちの大学には、公募その他の情報がはいってこないことです。
いまはWebなどでしらべることができますが、名大理学部で調べなけ
ればならないかもしれません。
- 学振はなかなか当らないが、当ると極端に支給が高く、落差が激しいと思う。
- 研究職の数には限りがあり、更に学生数の減少により
将来研究職の数が減ることが予想される。従って、ポ
スドクの数をやたら増やすのではなく、何度か「ふる
い」にかけるようにする必要がある。年齢を重ねると
研究職以外の職への就職も難しくなる。ただし「ふる
い」は学振のように画一的なものではないほうが望ま
しい。
- ポスドクばかり増やしても意味がない。
このアンケートがこれに当るのだろうが、現状況を知りたい。
どの程度の職があり、何割が生活できないのか。
どの方面・分野の人数が足りないのか又は多すぎるのか。)
- ポスドク問題は本当に深刻だと思います。大学院が重点化され、PD学振がある
程度拡充されている反面、大学等の職員が減らされている今の状況からすると更
に深刻化するのは目に見えていると思います。また上記のような政策は若手研究
者の夢を利用した詐欺的行為だと思います。若手研究者が結束してこのような状
況の改善を求める運動に結びつけられれば良いのですが、運動に不慣れ、あるい
はそういうことを思いつきもしない人が多いのが現状ではないかと思います。よ
り運動の盛り上がりを難しくしているのが、極度に競争的な環境であると思いま
す。つまり成功の保証のない運動に時間を費やすより、その分を研究に費やし業
績を増やす方が現実的である、と思わせるような環境です。
- 大学の組織としての違いがあるため一概に比較はできませんが、
独立行政法人に伴い、大学独自に研究員として受け入れる素地を
一層広げることが、多数の、そして今後も増えつづけるであろうPDを
救済する暫定措置になると思います。
- 学振の採用の決定はどうやっ
てるの?提出された書類に書かれた研究内容が正確にわかる人は日本学術振
興会にほんまにおるんやろか。
- よくは知りませんが、ポスドクの採用基準が
曖昧な気がします。海外からのポスドクの
採用は特にそう感じます。ある程度以上の水準
を満たしたポスドクを採用するシステムが
整えば多少はポスドク問題も軽減するのでは
ないでしょうか。
- 現在、協力研究員ですが、自分ではこのような、給料はなくとも研究環境を提供
していただける協力研究員と言う制度に大変助けられています。さまざまな事情と価
値観で(自分の場合は家族)、給料はなくとも研究環境さえあれば良い、という人も
いるかもしれません。そのような場合に、現行の協力研究員一応2,3年、と言う枠
を柔軟化して頂ければ助かります。(実は、私は3年目です。)
- 年度が変わってしばらく経って、誰が新しくPD学振に選ばれたかが
だいたいわかってきました。
例年にくらべて 今年度の新PD学振の特徴は、
ファーストポスドクとしての学振より、
セカンド、サードポスドクとしての学振の人数が目立つことだと思います。
僕の疑問は、(以前から指摘されてきたことでもあると思うのですが)
PD 学振を選考するにあたって、博士号を取ってからの年数は考慮されているか、
ということです。
今年度 新しくPD学振に選ばれた人の顔ぶれを思い浮かべると、
どうもファーストポスドクとセカンド、サードポスドクを
同じ判断基準で比べているかのような印象を受けます。
(あくまでも印象でしかない、というのが主張として弱い点ですが、、、)
もし本当にそういう選考方法をしているなら、
まったくアンフェアであるのみならず、
優秀な後継者を残すための制度としては致命的な欠陥です。
選考基準を開示せよ、とまでは言わないにしても、
ファーストポスドクとセカンド、サードポスドクを区別して選考すること、
そしてそのことを募集要項に明記するぐらいのことは、
後継者育成制度として学振が負っている責任を考えると、
当然 なされるべきことだと思います。
- 学振、COEの枠は、今無給の私としては増やして欲しいとも思うが、
それで数年食いつなげたとしても、そのあとのパーマネントポジションが
ないことを考えると、むしろ枠は減らす方がよほど健全だと思う。
海外との比較;
- あまり良く知らないので、ノーコメント。
- 基礎科学を続ける困難さは海外も同じ。ただし他分野や企業への転進の容易さが全然
違う。
- 長期滞在をしたことがないのでコメントはさしひかえます。
- ポスドクは海外が多いが,常勤職となると同じ様な状況だろう
- 海外事情を知りません。
- [海外の事情を全く知らないため回答不能]
- よく知らないが同じようなものだと思う。
- そこそこ良い仕事は非常に多いが、オリジナリティーの高い仕事
や新しい流れを生み出す仕事は極めて少ない。これは、
そのような野望を持った若手が結局論文を書けず消えていったこと、
hep-thなどで大量の情報が溢れ、いつしかhep-thを見て「何かできないかなあ」
と考える「のみ」になってしまったこと(もちろんこのことが良い仕事を
大量に生み出しているのは言うまでもない)、
日本人が伝統的、潜在的に他人と違ったことするのを
極めて恐れる民族であること、
などが原因としてあげられよう。
- 海外の事情を知りません。工業的価値のある研究はスポンサーをつけて
大規模に行うようです。大学を外部から評価する機構は重要だと思います。
例えばStanford大など,ノーベル賞が3人以上出ている大学もあるのでき
っと何かが違うのでしょう。
- 海外の状況はわかりませんが、就職の面で日本よりはましだと聞いたことがあります。
- 研究環境も、ポスドク制度も欧米の方が優れている。
日本も、もっとがんばるべきだ。
- 海外と比較する以前に国内と比較しても
レベルの低い研究室なの考えてもしかたがない。
- 海外事情は詳しく分かりません。
- 大学の研究室が一定数のポスドクを持ち得る海外と
ポスドク応募者が大きな大学・研究所を研究場所として選ぶ日本と
では比較のしようが無い。
- 実際に当研究室でも、近年海外に流出する人が多くなりました。
- 欧米では各大学ごとにポスドクを取っている。上の観
点からすれば、各大学毎に「ふるい」を持っていること
になる。
- 海外の方が優れていると思う。
- 海外の研究者の就職状況は興味がありますが、これと言った情報源がありません。
研究室のスタッフもよく把握はしていません。外国の共同研究者がその国の就職
事情の一番の情報源です。
- 海外から有力な研究者を招聘するなどして
コライダーの物理の方面を強化すべきだと
思います。
- 実はアメリカはもっとシビアではないかと思う。
海外への流出について;
- PD側からすると、海外に行きたい人が行ける環境のほうが良い。
- チャンスと健康と度胸があれば、やるのも良いのでは?
- 日本に比べて年齢とか回数とかに関係なく採用してもらえるポストが
多いので、流失しやすいのだと思う。日本も欧米式のシステムにしたら
いいと思う。
- 基本的には良いこと。
- 少しでもその機会があれば、出来る限り海外へ行くべきだと思う。
- 能力のある人は海外で揉まれれば伸びるだろう
- 行く人間は大変でしょうが、悪いことではないと思います。
- 中長期的には深刻な問題だと思うが、この問題の重要性を一般に理解してもら
うことは極めて困難だと思う。特に、工学系・生物系・環境系のように社会の
理解を得やすい分野と比較すると、理学系はあまり「科学立国」への寄与が大
きくないと見なされていると感じる。
- いた仕方ない。
- どんどん行くべき(かつ、迎えるべき)。
- 優秀な人材が海外に流出することは、たしかに一時的には日本のアクティ
ヴィティーが下がるかもしれないが、長い目で見れば日本にはない海外の
良い雰囲気などを吸収した人が(おそらく大体は)帰国し、将来の日本の
物理学をいい方向に導くものと期待している。
したがって、海外に行くことを積極的に支援していいと思う。
具体的には、海外学振の採用数を増やしたり、留学生用の奨学団体と交渉して、
ポスドクの採用枠を設けていただく、といったことが思い付く。
- 現在の学振のシステム、公募状況からいって海外に出て行くのは自然な
成行きだと思う。最近は、多くの日本人が海外の主要な大学、研究所に
ポスドクでわたっているようなので、どんどん外に出やすくなっていいと思う。
(日本人をたくさんとってもらえるようになるといい)
- 国内にない以上仕方がない。
海外に行くことは経験として良いと思うが
国内へ帰ることができない状況に問題がある。
- 最近海外へポスドクにいく人が多いが、
別に頭脳流出だとは思わない。
海外でパーマネントの職をとるのは難しいのからである。
むしろ、海外にいった彼らが、日本にも海外にも職をみつけられない
という事態が2,3年後に生じることが、さしずめ起こりうる、
大きな問題だと思う。
- 本気で研究するつもりがあるならば
海外に出るべきだと思う。
- いいこと
- 日本になければ海外に行くしかないと思います。
- 今の日本の大学を見ていると海外流出を
積極的に勧めたく思う。海外に出て力を発揮したほうが研究者と
して大いに成長できるかも知れない。
- 日本より海外の方が研究が活発なので流出は仕方がな
い。
- 海外への流出について;というのが何を指しているのか不明ですが、若い
ときに
今までと違った環境で、(特にアメリカなどそれなりに優れている環境で)研究
するのは
重要な事だと思います。
- 日本で職がないので流れて行くというしくみは解が、それをぬきにしても
海外に行くことはいいことだと思います。
- 武者修業の意味では良いと思う。
- 日本に研究場所がなければ、海外に求めて出ていくのは当然だと思う。海外
で経験を積むことによって、研究に関しても視野が広がるだろうと思う。
ただ、日本人の優秀な若手研究者がどんどん海外に流出していくと、あとに続
く大学院生達が優秀な先輩から良い刺激を受ける機会が奪われることになり、
後進の育成という面から見ると良くないと思う。
- それほど流出しているのでしょうか。スタッフの話では、昔の若手研究者の多く
はは、大学院を出るとすぐ海外に出たそうです。最近は行く気を持った人が減っ
ていること、ポスドクの受け入れ自体が減っていることの両方の効果から、海外
へ出る若手研究者は減っているのが現状のようです。
- 身近な人で、海外に行って帰ってこない人の例
なんか聞いたことがないから、海外流出というのがどういう状況なのかいま
いちわかりません。
- 国内で業績を評価するシステムが整わない以上
海外への流出は不可避だと思いますし、それが
研究分野全体にとってマイナスだとは考えられ
ません。
- よく言われていることだが、成果を評価する際、日本と(主に)アメリカとの評
価が異なる場合、アメリカで評価されても日本では評価されない場合に、やはり評価
してくれるアメリカに流出してしまうのは当然なので、日本における評価をもっと柔
軟に多少リスクを含んででも幅広い評価をするように改善して行く必要があると思
う。
- 行きたい人、行けるチャンスのある人は行けば良いと思う。
停年延長について;
- どちらかというと現在あらわれているPDの処理の仕方を考えるほうが先決。
- 停年間近の健康な人には深刻な問題かもしれませんが、
あまり感心しませんね。うちの様な私大では初めから停年
は70歳です。そういう所が国立大の優秀な停年者の受け皿
になっていて、それに拠って弱小私大も強化され、地方へ
も文化の浸透が計られるという役割があるわけですから。
もっとも、これからの少子化時代での生き残り策で、うち
では早期退職優遇制度が導入されましたから、今後はそんな
受け皿にもなれないかもしれませんが。
- 反対です。学問的にはマイナスしかないと思う。
能力のある人が若くして教授になって雑用に追われるのもよくないが、
下の方で同じ人が長く同じポストについたままになるのはもっと良くない。
- 延長の主旨が理解できない(特に東大のような一律・無条件の延長)。活力の低下に
つながらないか。
- 定年延長は必ずしも悪いとは思わないが、大学教官の給料はある程度
年俸性にしてもよいと思う。
- ?(うちは昔から65歳なので)
- 世の中の事情から考えると当然の流れかとも思いますが、停年間際まで全力で
仕事をしているスタッフがいる一方で、
全然研究していないどころか何にもしないでのうのうと暮らしているようにし
か見えない人もおり、現在の停年は、そういうスタッフを(遅まきながらも)
排除するフィルターとしての機能を少しはもっていると思います。彼らを更に
数年長くその業界で飼うということは、若いactiveな研究者がその分更にはじ
きだされるということなので、その業界の停滞を意味すると思います。
やはり何らかの方法で、研究活動を行なっているかどうかチェックすることが
必要で、それと停年延長をセットで考えなければならないのでは、と思います。
- 高齢化社会の一側面としてやむを得ない気もする。若手の就職難との対比に関
しては、優勝劣敗ということだと考えている。
- 勘弁してほしい。
- 教授の先生にも生活があります。大いに賛成です。
根本的に研究職を10倍増以上にしなければ解決しない問題ですので
こんな小さなことはきにしてもしょうがないと思います。
- これをやってしまっては、人事の流動はさらになくなり、どうしようもない。
全く現状を把握していないのが、腹立たしい。
- お世話になった先生が退官されてしまったので65歳くらいまでは良いか
とも思います。一方私の父は早期退職しましたが再就職は厳しいようです。
理学部の先生方も就職活動すれば,自分にどれだけの社会的価値があるの
かわかって良いかも知れません。気になるのは定年延長によって今まで無
かった種類の就職上の不利益が若手に生じることです。年齢による格差を
無くすという趣旨に背かないためには,同時にあらゆる年齢層に対して就
職機会を均等にし,全教官を任期制にする等の(過渡的?)処置が必要で
す。
- 老人は逝ってよし。
- 人事の流動性、若手研究員の登用という点を十分尊重し、
学問の進展を第一に考えた制度を作るべきだ。
- 延長するのはかまわないが、
その分のポストを用意して欲しい。
そうしないと若い人の就職先が
相対的になくなる。
- 延長しないでほしい。
- 後進に道をゆずる可能性を閉ざすべきではない。
経験豊富な研究者を生かす道は停年延長以外の方向に見い出すべきである。
- 研究を活性化させることを念頭において考えて欲しい。
- 慎重に審議すべき。高い研究活動を続けられる人には定年延長は歓迎だが、一律に全員
延長を認めるのはどうかと思う。
- 本質的には教授の再就職ポスト問題だと思います。
若手・中堅研究者を元気づけるためには、延長された教授は、教育と雑用に専念してもらって、
将来の計画や研究に関して影響力を待たないようにするべきだと思います。
教授の権限のそのままの延長には反対です。
- 最低大学院重点化大学の停年は原則55から60歳に
するべき。
定年後65歳までは希望者を現在の非常勤講師よりは良い待遇(保険、オフィ
ス、身分の呼称など)
で再雇用をすればよい。
少数の真に優れた人についてのみ、(外からも見える形での審議等を経て)停年
の延長を
認めるべき。
研究を続けている方については問題ないと思います。
- 65歳にはして欲しいと思っています
悪い事だと思う。実力がある人は関係なく残れるだろうから、
停年を早めても良いぐらい。
- 常勤職のポスト数が増えていない現状で定年延長を行えば、若手研究者のポス
トがますます減ることになり、問題だと思う。
- 60を超える方々の就職難のために定年延長を実施したと率直に認めれば
いいものを、言い訳がましく聴こえるのは私だけではないと思います。
- 研究面と教育面のどちらかに優れている先生方は延長して頂いて、そうではない
方々は延長せず、というように、定年時に慎重な審査を行って決めていただけるとい
いと思います。学生による評価も、もちろん大きなウェイトをしめるようにして。
- 年金制度なんかつぶしてしまえと言いたくなってしまう。
就職難について;
- 将来の見通しが無い中で研究を続けているのは精神的にも経済的にも厳しい。
- 国全体として、教育や基礎研究にもっと金と人と時間を
使うんだというコンセンサスが得られないと、いつまで
たっても研究職への就職難は続くと思います。小手先の
諸改革では変りません。でも残念ながら、今の日本国民の
平均的な関心事は、それよりも経済ですよね。そういった
社会であるという事を前提として、各自の人生設計を建てる
必要があると思います。
- もしも公平な自由競争が行われているのであれば、ポスドク数に対して
助手の数が極端に少くても問題は言えないと思う。
ただ、少しずつしぼりこんで行くような制度が必要だと思う。
- 全国のポスト数全体を増やすには、やはりそもそもの需要を増やすより他無い。
いまのままでは物理全体に志望学生が減る一方なので、物理科自体が潰される
可能性もある。
所詮ポスト数を決めるのは、受験生の人気であったり(特に私立は)、
国民の支援なのだから、高校生や一般の方にもっとアピールしていくことを
しないと抜本的には先細りになると思う。
定年延長になるような人には、職にしがみつくよりも日本の
物理全体に貢献するような(そういう)活動をしてもらいたい。
- もともと研究・教育ポストは増えていない。繰り返すが,転進先の確保がポイント。
例えばITの波に乗れないものか?
- 例えばドクター卒の企業就職の困難さは、例え景気が回復しても
依然として変らないと思う。企業の賃金体制に問題があると思う。
- 希望者全員が望む職に就けることが解決とは思わないが,今の状況は
とてもいいとは言えない.但し,「昔は良かった(はず)」とは思わ
ないで欲しい.我々(20年程度前)の時代も決して楽ではなかった.
- どんなに研究に一所懸命取り組んでいて
もそれ自体が食べものや着るものを生み出すわけではなく、社会的なニーズが
ある訳ではないので、皆がそればかりしていたら飢え死にしてしまいます。
許された小数の人間が社会全体に支えられて研究活動をするというのが本来の
形だと思うので、ある程度仕方ないことだと思います。その「小数」がどのぐ
らいで、他の分野との比率がどうなのかというのが問題なんでしょうが...
- 「特によくできるもの以外は退場」という制度になっているのであると理解し
ている。現状、「かなりよくできる」人でも就職できずに苦労しているのはわ
かるし、それには多少のポスト増で対応できるかもしれない。
しかし、それでも、ポスト不足の議論は永久に続くと思われる。大局的には、
よい成果を上げた人から就職していくのだから、ポストを増やして就職できる
人を増やせば、「さもなくば就職できなかった人」が就職することになる。よ
って、新たに作るポストは、極端にいえば「第二線の研究職」(第一線・最前
線で活躍できるほどでもない)ということになる。研究活動の底上げ、という
観点から、そのような研究職が正当化されるか、という議論が必要になると思
われる。しかし、そのような議論を聞いたことはない。
- 他分野(情報系など)への就職も考えざるをえないと思う。
- 研究職が狭い門なのは仕方がない面もあると思いますが、
教育職はもっと需要が多くあるのが、(国の政策として)
適正だと思います。初等・中等教育で理系の内容が
薄くなれば、大学にしわ寄せがくるはずで、
高等教育の場でも、手厚い指導が必要になるはずです。
それを担えるのは、教育内容が大学レベルである以上、
大学院修了者だと思います。
現在の状況は、有効かつ必要な人的資源を
ドブに捨てているようなものだと思います。
- すでに上にふれました。
- 魅力的な学問分野であり、やむを得ない面もあるが、やはりつらいものである。
しかし具体的解決法は思い付かない。
- 好きな研究をして地位や名声が得られ,レポートの返却や適切な指導も
せず,大学院では学生の論文を読み,話を座って聞いているだけが教育職
ならば,大変楽な職業であり人気があるのは当然です。つい,ほとんど休
みもとらずに立ち仕事をして育ててくれた親と比べてしまいます。私は中
学生のときに学部3年くらいまでの理論物理は自習していましたが,大学
の勉強は基本的に自分でするものであり,将来的に講義はテレビで事足り
ると思います。余った時間を演習や論文添削,質問,討論,通信教育など
の講義のみではできないきめ細かい教育にまわせば効率が良いと思います。
きめ細かな指導には手間がかかるので教育職の需要は充分あり,一方講義
の時間に拘束されなければ教育職の者が研究にまわす時間も増やせるでし
ょう。
- ポストに対して、大学院生の数が多すぎだから
大学院重点化を止めるべき(少なくとも物理学科に対しては。
工学部などは、博士に行く人が少ないので、博士を出てあっさり
研究職についている人が多い)。
- この分野への就職は困難である。
また、この分野のポスドクの他分野への就職も困難である。
両方とも対策をこうじるべきである。
- 仕方のないこと。
- 大学や研究機関のポストを減らさないでほしい。
- 分野によるが、やはり難しいと思う。
- 就職難はいつの時代にもある。ポスドク問題は
体制の上で人為的に生み出されて来たところに本質的問題がある。
- 当方のような弱小私大では、
修士課程進学希望の学生に対しては、他の”主流”大学へ進学するか、
あるいは修士終了後に一般企業などへ就職するよう指導せざるを得ない。
博士課程への進学を教員側から勧める事はとてもできない。
- 大学院重点化にも原因があると思う。きびしい。
- お気楽な考えですが、
我々自身が新しい研究教育機関を打ち上げるくらいのことをしなければいけないのかもしれません。
既存の大学・研究所の中では先細りする一方でしょう。
何か、こうした基礎科学研究者の価値を、世間にわかりやすい形で示すことが必要だと思います。
塾でも専門学校でも大学でもない、理科学校と呼べばいいようなものをイメージします。
ベンチャーでもスクールでもいいから、何か積極的な価値に訴えるものがほしいと思います。
漠然としてますが。
- こればかりは絶対数のポストが少ないので、(特に研究
環境の良いところは)
それぞれできるところで努力をしていかなければならないところです。このよう
なポスドクの活動は
現状の認識を広めるとともに、そういった努力を促す意味で大変重要だと思いま
す。優秀な人には
研究者として活躍できる場を確保したいものです。
- 状況が良くなるメドがあればまだ良いのですが、あまり希望が見えていない
ところが致命的です。
- (一般の方か、PD等の方か分からない)
- 民間企業辺の就職を考えた場合、「博士号を取得したほう就職の門を狭くす
る」という状況にあると思う。「博士を採用したい」と企業が思うにはどうし
たらよいかPDフォーラムでも議論を重ねたほうがいいのでないかと思う。
- 民間企業辺の就職を考えた場合、「博士号を取得したほう就職の門を狭くす
る」という状況にあると思う。「博士を採用したい」と企業が思うにはどうし
たらよいかPDフォーラムでも議論を重ねたほうがいいのでないかと思う。
- 研究職としての就職難については、現在非常に厳しい状況であると思います。アンケートの実際の数値を見てびっくりしました。しかし、色々と解決策があるとおもいます。PDフォーラムのHPなどで色々と議論がされていました。 自分も何が一番良い方法なのか、考えていきたいと思います。
もう一つ、企業などの就職難については、「Doctor」、「素粒子」というも
のが社会的にどう見られているのか、というのが問題だと思っています。もっ
と、素粒子という分野が何をしているのか、ということを皆に呼び掛けていっ
たらいいと思います。そうすれば、社会的な「Doctor」、「素粒子」に対する
認識が変化して、必要性(つまり、就職)という事に関して幾らか影響するの
ではないでしょうか。
- いたしかたないでしょう。
教育業界でも理科離れの影響でしょうか、物理の募集はほとんどありません。
経済状況もぱっとしない昨今の日本の情勢では、
今後もポストはおろか日銭を稼ぐことすらままならない研究生が続出するものと
思われます。
- 不景気だから。
- 早期の研究以外への転出を支援することは
必要だと思います。
- 就職難です。厳しいです。
教育職に関しては、少子化と基礎科学の重要性の認識が薄れてきて実学重視の傾
向にあるが、やはり基礎科学教育の重要性を物理の偉い先生が啓蒙して、初等教育か
ら各大学に物理の専任教員をきちんと配置することが望ましいのではないか。実際、
技術立国、IT立国を目指しているはずではないのでしょうか、日本は。
- どうしよう...って感じ。食いぶちがないのは致命的です。
研究者の流動性が少ないこと;
- ある程度良く研究できる環境の所は、それなりの流動性
がある気がしていますが。
- 各研究室がコンセプトを持ち、その分野で世界に対してしっかりした
アイデンティティーを持っているならば、人の入れ替わりは今の程度で
いいと思う。ただ、各研究室が特徴を持ち、学振研究員も地方に分散する
ようになれば、とてもいい流動性が生まれると思う。
- もちろん好ましくないが,終身雇用中心の社会のあり方とも関係する。無職の研究者
の年齢層が現在より高齢側にshiftするだけに終わると,問題がさらに深刻になるの
で注意すべき。
Institute間の格差が大きいことも流動性を妨げる要因である。(比較的)恵まれた
環境にある人は,そうでないところへ異動する気に通常はならないだろう。もう少し
均一化すれば異動しやすくなる。また,今は任期制など強制的に異動させる方法ばか
り議論されている気がするが,「異動すること自体がメリットになる制度」を作れな
いものか?
- このような傾向は研究者にとって致命的であると思う。他の研究者と
の議論を積み重ねるほど研究成果はより洗練されていくものなので、もっと
流動的に議論の機会を増やすべきと思う。また同時に共同研究の機会を
増やすことも大切に思う。
- 確かに感じるが,素Gだけ,あるいは物理学会だけではどうにもなら
ない.
- 流動性というのがよく分かりません。
- 大学や研究所の長期的な発展のためにはやむを得ない部分もある。流動的な研
究員職や、任期付の助手のポストを*増設*することで対処できれば、現実的に
は最善であろう。
- それほど少ないとは思えない。
- そんなことは少しも問題にならないと思います。良い研究環境でじっくりとやりたい
と
思います。まったく研究のできない教授がいる一方で、ばりばり仕事をする教授もい
る、
それが健全な状況と考えるからです。
- 引越しはそれだけで時間も費用もかかるので負担です。指導教官などの
壁にとらわれず,メイル等で居所にかかわらずやりとりできればいいので
はないでしょうか。ただそのような環境を作るために制度を変更したほう
が良いのではないかと思います。
- 日本にポスドクという制度が学振とCOE以外ないことや
任期制をきちんと導入していないことが問題。
- 大学と大学院は別のところにいくことを勧めるような制度
(学振、育英会など)にするべきだ。
また、ポスドクが一部の研究機関に集中しているのも問題である。
これはむしろ、ポスドクがこない研究機関の研究環境を整えることが重要だと思う。
そして、職についた者の間の流動性が少ないのが問題である。
人事の流動も少ない。
新たな共同研究者を見つけられる機会も少ない。
海外と比較しても少ないと思う。
制度の問題か、モラルの問題か知らないが、この点を改善することが、
職に就いたものの研究活動の向上につながると思う。
- 確かに問題だと最近納得してきた。
まずは自分から活発に外とのつながりをもてばいいと思う。
- 不満
- 研究者の流動性が少ないこと;研究者の流動性を阻害する様々な
レベルの要因が存在している。これらの要因を除いた上で生まれた
流動性でなければ研究の活性化に結び付くものになるとは思えない。
すなわち、現在のシステムでは、動いた方が現実的に「損」になる
要素が多くあり、「得」になるのは抽象的な評判だけ、ということ
になっている。
- 基研は比較的流動しているが、
その分グループ単位の研究がやりづらいかもしれない。
- 若手にとってはまったく残念な状況だと思います。
- 流動してない(できない)ような人は研究
者ではない、と規定してしまえば
by definitionで研究者の流動性は高くなるのですが、、、(笑)。
- 流動性が少ないので、活気がなくなってくるような気がします。
- 良くない。流動したほうがメリットが多くなるシステムにし、
流動するようにするべきだ。
- 流動性がある方が、研究者にとってはプラスであるとは思います。しかし、これ
を研究者をすべて任期制職員にしてしまうという方法にすり替えてしまうのは危
険だと思います。研究者を不安定な身分に追い込むことで、業績至上主義的環境
を作り出しかねないからです。独創的、長期的展望に立った研究は、そのような
状況の中からは生まれないでしょう。こうしたことに留意した上で、流動性がもっ
とあればと思います。欧米では、何年かに一度、何をしても、どこに行っても良
い時間が与えられるそうですが、そのような制度もひとつの方法でしょう。
- これは大学としての受け皿がない以上、
KEKか基研に偏らざるをえません。
まずは国公立・私立大学の(研究生に対する)授業料ゼロ実現を目指して
sg-lスタッフの方々に奮闘していただくことを切望いたします。
- それは大いに問題である。さっさと別の
場所に移動すべき。しかし、うちとこの研究室では、しょっちゅう人が入れ
替わっている。
- 研究者のみならず学生にしても流動性は
必須と思います。
- 流動的なほうがいいと思います。
- それぞれの研究者が自分に向いた研究場所に動きやすいようにな制度が
できてほしい。(例えば、事務手続きが簡単に済むとか。学振の科研費も
年度の途中に移動しても、移った先ですぐに使えるとか。)
大学院生の声;
- TA、RAなど、研究に差し障りのない形で現金収入がもたらされるのは非常にあ
りがたいことです。そのようなチャンスが多くの人に与えられるとよいと思わ
れます。
- みな研究者になりたくて博士過程に進学してくるのに、やめていくのはかわいそうで
す。
博士にきてしまえば、もう公務員も会社もとってくれません。
- 学振を取るための論文を書こうという不純な衝動に駆られることがある。
- 研究者として残りたいと考えている院生は少ない。
- 学生に対してもっと金銭的な援助をした方が良い。
- これらの意見を書いているのは一人の大学院生です。
研究室全体の意見ではないので勘違いしないでください。
- 大学院の授業料が高すぎる。
- これからドクターに進む院生のためにも重大な問題だと思いま
す。日本は研究の分野でも遅れをとってしまうことにもなります。私も厳しい現実を
見つめて、この問題について多くの人たちと議論していきたいと思います。
- PDフォーラムと大学院生とのつながりが感じられない。
研究室会議でこのアンケートのことを話題にしても、院生は知って
いない。院生には院生の連絡手段が備わっており、PDフォーラムが
なぜ院生のチャネルを無視しているのか理解できない。また、院生の
主要な行事である三者若手の夏の学校などへの働きかけがないとする
なら、それも理解できない。
- 学費の支出はデカイ。
TAの給料は安い。
- パソコンなどの設備は充実。スタッフとの共同研究は多くない。PDが多いのはありがたい。
- 私は素粒子の大学院生のナマの声を知りません。
うちの教室の大学院生の声は、また異質でしょうし。
こうしたポスドクの現状を大学院生たちは知っているのかな、と思います。
- 今年DCを卒業して来年から研究生として学校に残る事を希望している卒業生
が2名います。学振の援助は難しくしかし研究は続けたいのでせめて学費(
研究生としてなので年間30万円程)を払わなくて済む位の経済的援助が欲しいとの事。
- やはり職の少なさに関する将来の不安は精神衛生上良くないと思います。
- もう多くの人によって議論されていることかも知れないが、
常勤職のポストを増やして欲しいと訴えることだけではなく、
では素粒子論研究の職をなぜ増やさなければならないのかを社会に対して様々
な方法で訴えていくことも同時に必要だと思う。「日本の基礎科学の発展」と
いうのももっともな理由だが、抽象的で説得力を欠くのかもしれない。
- 自分もこの分野の研究職に就きたいと思っています。しかし、先行が分から
ないままやっていくのはもちろん不安です。さらに現時点でサポートが受けら
れないでPDを送っている人がいるのも事実です(PDフォーラムHP参考)。その
ために、抜本的な解決法がいくつか考えられていました。例えば、学振の採用
環境の改善、大学、研究所の職員の増員、など。もっと充実し、もっと質の高
い研究、もっと活発な活動、ができるために自分から色々と考えていきたいと
思います。
- よい研究をしたい。
その他何でも;
- これから弱小大学・三流大学では、少子化の影響を大きく
受けて、経営難に向っているところです。当然、スタッフ
の文部省規定(当然学生定員削減をした後での)ぎりぎり
までの絞り込みが行われます。こういった危機的状況から
早目に抜け出たいという者は、もっと環境の良い大学へと
転出して行こうと努力しますが、それが上手く行っても、
後任を採用しない場合が増えています。定年後・早期退職後
の後任も、文部省規定を割り込まない限り採用しません。
規定人数を割り込んで採用しなければならない場合も、
数年後に定員削減をするのであれば、若い者を補充するので
なくて、国立大や高校校長の停年者を70歳まで雇うという
戦法に出ます。そういった状況では、「教育職でも」という
希望もますます薄まって行っています。
幸か不幸か、地方には未だに新大学を作れば地元が活性化
するとか、過疎化に歯止めがかかるとか、若者の県外流出を
食い止められるとか、それで選挙の票が集まるとかを、本気で
考えている所があるので、(県立を中心に)新大学設立の
動きはまだ消えていません。作った後でいろいろ苦労しそう
ですが、とりあえずはそれが教育職へのチャンスといえそう
です。
- (誤字)Q7.1 博士過程終了 ---> 博士課程修了
- アンケート係の方々、おつかれ様です。
- これまで書いてきたことは、
「現状は厳しい優勝劣敗であり、それを変えていくとしたら、『第二線の研究
職の正当化』という議論が必要である」
とまとめられます。
なお、自分が勝者たりうると考えて/信じて言っているのではありません。
「制度の方向性を考えるときには、自分自身の利害を一応度外視することが不
可欠であると思っている」
のです。自分も、いつか退場するのではないか?...と常に思っています。そし
て、許されている間だけ、物理をやっていると考えています。
- こうした活動をして下さる方がいらっしゃるなど今までしりませんでした。
ありがとうございます。
何か政治家にでも訴えるしか、状況を変える方法は
ないのではないかと思っています。
- ポスドクの現状についての私見
ポストを争いに残れない人は自然淘汰されていくものだから、
ポストの数が少ないということが問題とは思いません
(ポスト争いをより厳しくする大学院重点化は反対ですが)。
むしろ、やめるときの進路変更がやりにくいことや、
PDの社会的地位の低さが問題だと思います。
- こちらでは、来年度ドクターコース設置に向けて動いているところですが、地方大学
の理学分野のドクターコースの設置についてはかなり厳しい状況になっているようで
す。先行大学のドクター修得率、修了後の就職率の悪さが跳ね返ってきているように
思われます。
- 独立法人化反対!
- 過去のPDフォーラムのアンケート結果は、確かに美しい
グラフとしてWeb上に公開され、アナウンスもされたりした。しかし、
各研究グループへの悉皆調査をへての結果の利用としては、はなはだ
不充分といわざるを得ない。アンケートをする以上、その結果を用いて、
現状の鋭い分析、未来の予想、それらにもとづくPDフォーラムの新しい
見解や主張の展開、が行われ、素粒子論グループ内へのフィードバックは
もちろん、外部への主張につなげられるべきである。そのような有効利用は、
全くといってよいほど見えてこない。こんなやり方を繰り返せば、アン
ケートが単なる年中行事になってしまい、各研究グループの回答もいいかげん
なものになっていくだろうし、協力する気力もなくなるだろう。
結果をWeb においておけばよい、と思っているのなら大間違いである。
- 言葉が悪くてすみませんが、
「おねだり」以上のことを、中堅・若手人間が考えて、動かなきゃいけない、
と思っています。いま自分にはそれだけのバイタリティとアイディアがないのが悔しいです。
- 単に物理をやっていたくても、食べていくためには職を得なければならない
ので、就職難がとても問題になります。新入生に現実を知らせるのが辛いと
いう状況が悲しいです。
- 理科系の行き付く所がこれなのだから、理科離れは進んで当たり前と思う。
- 何にも具体的な事が言えなくて すいませんでした。自分のなかで こうだっ!
という考えがまだ無いのです。
- ポスドクフォーラムのような活動は、規模などまだ不十分な面もあるかと思いま
すが、重要であると思います。
- 育英会免除規定が緩和されつつある現状は好ましいと思えます。
しかし、非常勤などで研究だけでなく若者の教育にも貢献している方々が、
ただ常勤でないという理由で免除されないという現状を変えないかぎり
多数のPDが、経済的事由によって己の信じる道を突き進めなくなることが
残念でなりません。