Date: 2015年10月20日 11:08
Subject: [Sg-l:1472] 素粒子メダル奨励賞選考結果

素粒子論グループの皆様、

2015年度(第10回)素粒子メダル奨励賞

に関して、素粒子メダル奨励賞選考委員会から選考結果報告書を戴きました
ので報告させていただきます。受賞理由については添付 PDF をご覧ください。

よろしくお願いいたします。

2015年度 素粒子論委員会 
委員長  小林達夫

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第10回(2015年度) 素粒子メダル奨励賞選考結果報告書

第10回素粒子メダル奨励賞は次の2件、5名の方に授与することになりましたので、
報告いたします。

2015年度素粒子メダル奨励賞選考委員会
九後 太一(委員長)、野尻 伸一、杉本 茂樹、
磯 暁(副委員長)、今村 洋介、尾田 欣也



受賞論文:

1. 阿部智広(Tomohiro Abe)、佐藤亮介(Ryosuke Sato)、柳生慶(Kei Yagyu)
"Lepton-Specific Two Higgs Doublet Model as a Solution of Muon g−2 Anomaly”,
Journal of High Energy Physics 1507 (2015) 064 .


2. 丸吉一暢(Kazunobu Maruyoshi)、瀧 雅人(Masato Taki)
"Deformed Prepotential, Quantum Integrable System and Liouville Field Theory”,
Nuclear Physics B841 (2010) 388.


受賞者所属・身分:
阿部智広(KEK、研究員)
佐藤亮介(KEK、学振特別研究員(PD))
柳生 慶(Southampton University、日本学術振興会海外特別研究員)
丸吉一暢(Department of Physics, Imperial College London, Research Associate)
瀧 雅人(理化学研究所 理論科学研究推進グループiTHES 研究員)


総評:

今回は11 件(自薦10件、他薦1件)の応募がありましたが、うち1名の若手の方からの
自薦論文2件に関しては「2015年4月1日現在、著者全員が博士の学位を未取得または
取得後10年未満であること」という応募資格を満たさないので選考対象から外し、
9件の応募論文を審査しました。

選考委員会では、各応募論文に対して複数人の査読によるレポートを作成し、
その後委員が集まってレポートをふまえた議論を行い今回の受賞者を全員一致で
決定しました。

今回、数学的・技術的側面で高い技量を発揮した応募論文が多くありましたが、
委員会では、その物理的な動機や受賞者、惜しくも選に漏れた方々を含め、
全ての若い研究者の皆さんには、どんな物理を創造したいのか大局観と大志を持って、
より一層の優れた研究に邁進されることを期待します。