SPWG-News 号外(00/4/26 

発行元:後継研究者育成問題検討WG
(Succession Planning Working Group)

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   % 続続・日本育英会奨学金・返還免除職について %
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今回も日本育英会奨学金・返還免除職に関連する情報です.

春の学会の素粒子論懇談会におきまして,学振やCOE研究員として免除職認定
された後,任期が終了してからはどうなるのかという質問があり,それについて
お答えしないまま時間が経過してしまいました.

また,前回の号外で「複数大学で30時間以上の講義を担当している非常勤講師
についての免除職認定はなされなかった」との報告に対し,その問題点を指摘す
るメールも頂きました.

そこで,SPWGとして日本育英会理事長宛に上記の件につき善処をお願いする
手紙を送りましたところ,昨日育英会の返還免除課長から電話を頂き,「免除職
を一旦退職し,再び免除職に就くことを望む場合の返還猶予(中断)の条件の中
には非常勤講師も含まれる」との説明を受けました.従いまして,例えば学振研
究員として免除職認定を受けた後に任期が終了しても,非常勤講師をしていれば
最長5年まで返還が猶予されることになります.但し,この「中断」は合計5年
という規定なので,例えば学振終了後2年間の返還猶予を受けた後にCOE研究
員に採用され,その任期が切れた場合には3年間の猶予しか得られないことにな
ります.

なお,ここで再度注意を喚起したいと思いますが,学振研究員やCOE研究員な
どに採用された場合でも「自動的に免除職となる訳ではありません」.所定の手
続き(所属長による研究・教育時間の証明など)を行い,審査を受ける必要があ
ります.必要書類は日本育英会から取り寄せることになります.

以下,育英会理事長宛の手紙の全文を掲載します.一部頂いたメールから表現を
借用致しました.

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日本育英会 理事長 川村恒明 様

 突然のお手紙ご容赦下さい.徳島大学の日置(ひおき)と申します.昨年4月
にお茶の水大の菅本晶夫他数名がお訪ね致しましたが,私は今年3月よりそのグ
ループの責任者を菅本より引き継いだ者でございます.その折には,お忙しい中
お時間を割いて頂き有難うございました.また,その後,返還免除規定施行細則
を制定され,幅広い研究者を免除職として認定頂けました事,大変感謝致してお
ります。同じグループに属する者と致しまして私の方からも御礼申し上げます.
また,先日お電話でこの返還免除規定施行細則につきお尋ね致しましたところ,
新しい返還免除課長様が,ご着任早々でお忙しい中,当方の質問に丁寧にお答え
頂きました.これにつきましても改めて御礼申し上げます.

 この返還免除規定施行細則に関連致しまして,是非とも理事長の川村様はじめ
育英会の皆様にご理解・ご検討頂きたいことがございまして,このようなお手紙
を認めておりますが,それに先立ちまして,すでに菅本の方からも説明致したと
は存じますが,まず私の立場から簡単に説明させて頂きます.我が国の素粒子・
原子核関係の研究者約千名が集まり,「素粒子論グループ」という団体を構成し
ておりますが,この中には我々が直面致します様々な教育・研究上の問題の解決
を目指し,投票で選ばれた者を中心とする数名の委員からなるワーキンググルー
プが幾つか設置されております.私は,その中の「後継研究者育成問題検討ワー
キンググループ」の責任者を前述のようにこの3月より務めております.

 さて,今回,返還に関する細則が制定され,学振特別研究員やCOE研究員な
どが返還免除職に認定されましたことは,若手研究者の大きな励みとなるところ
であり一同大変に感謝致しておりますが,一方で,我々のところには多くの大学
の非常勤講師についての問題を指摘する声も多く寄せられております.中には本
務校をもちながら他大学で週に1〜2コマの講義を行う場合もございますが,本
務校がないままに複数の大学で十数コマにもおよぶ激務をこなし,しかも第一線
での研究を続けている若手研究者も数多く存在しております.日本の多くの大学,
特に私立大学の教育が実際にこのような非常勤講師に大きく依存し,彼等抜きに
は教育が成立しない現状を考慮致しますと,彼等は何ら常勤の教員と変わらぬ教
育・研究上の役割を果たしていると申せましょう.

 このようなことから是非ご検討頂きたいことの一つは『複数大学での担当講義
がある基準を超えるような非常勤講師の免除職認定』でございます.一つの大学
であれ複数大学であれ,週十数コマという講義は大変な回数であり,何年もかけ
て大学との信頼関係を築き,時間を毎年少しずつ調整していってやっと達成でき
る数字であろうかと思われます.従いまして,このようなケースは学振特別研究
員などと同様に日本の大学教育研究に大きく貢献していると判断致す次第でござ
います.もう一点は,例えば学振特別研究員の期間が終了し,中断としての特別
猶予が受けられる条件の中に,是非とも非常勤講師を加えて頂きたいということ
でございます.これも基礎科学分野では優秀な若手研究者といえども常勤職に就
くのは容易ではない現状を考慮するとともに,上述の非常勤講師の役割も考え併
せてのお願いでございます.

我々のお願いのみを書き連ね大変に恐縮でございますが,我々のお願いは,単に
非常勤講師の窮状から出たものではございません.前述のように,日本の大学教
育の中で非常勤講師が果たす大きな役割を考えてのことでございます.このよう
な事情をご理解頂き,是非とも前向きにご検討頂けましたら大変幸いに存じます.
どうぞ宜しくお願い致します.

                        素粒子論グループ
                        後継研究者育成問題検討
                        ワーキンググループ責任者

                        徳島大学・教授 日置 善郎

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                    SPWG責任者 日置 善郎(徳島大学)