基礎物理学研究所 市民講演会

「The Higgs Particle」

2015年4月6日(月曜日)15:00〜16:00
京都大学北部総合教育研究棟 益川ホール
京都市左京区北白川追分町(京都大学北部キャンパス内)


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(北部総合教育研究棟は基礎物理学研究所研究棟北隣の建物です。)


基礎物理学研究所が主催する市民の方々に向けての講演会です。 理論物理学の最新の話題を、できるだけわかりやすく解説します。 皆さまのご参加をお待ちしております。


「The Higgs Particle」

ユトレヒト大学 教授 Gerard 't Hooft

講演概要:(講演は英語ですが、日本語のスライドの同時上映を行います。)
Some 40 years ago, theoretical physicists found a new description of the world of sub-atomic particles that could be used to calculate behaviour very precisely. This description, which was refined over the years, was called the "Standart Model". It had to assume the existence of a very special sub-atomic particle that eluded direct observations for a long time: the Higgs particle. Only recently, in 2012, a particle was detected that closely matches the characteristics of the Higgs particle. In the lecture, it is explained why this particle was so important and so special. What does it have to do with mass, and with spin?

訳:
およそ40年前、理論物理学者は原子より小さな粒子、「素粒子」の世界を記述し、 その挙動を精密に計算することができる新しい方法を見つけました。その後 長年にわたって洗練されてきた、この記述法は、現在「標準模型」と呼ばれています。 そこでは非常に特殊な粒子「ヒッグス粒子」の存在が仮定されていました。 この粒子は長い間直接的な観測から逃れ続けていましたが、ようやく最近(2012年)に なって、特徴が非常によく一致する粒子が見つかりました。この講演では、この粒子が 何故そんなに重要で、何故そんなに特別なのかを解説します。この粒子はどんな質量を 持ち、どんなスピンを持つのでしょうか?


講演者紹介:
Gerard 't Hoof 教授は、素粒子の標準模型において中心的な役割を果たす 非可換ゲージ理論において、理論の整合性に不可欠となる繰り込み可能性の 証明を初めとして、具体的な摂動計算には欠かせない次元正則化の方法の考案や、 近年急速に発展を遂げている超対称なゲージ理論における双対性において 主役を務めるモノポール解の発見など多くの重要な業績を上げ、 「物理学における電弱相互作用の量子構造の解明」に対して Martinus Veltman 教授と共に1999年ノーベル物理学賞を受賞されています。また、量子重力的な効果を 取り入れたブラックホールの性質に関しても先駆的な研究を行い、近年広く 注目を浴びているホログラフィック原理を最初に提案したことでも知られています。


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