Volume 18-2
Instantons and monopoles in terms of ADHM/Nahm construction
村中 大地
素粒子論研究・電子版 Vol. 18 (2014) No. 2
2014年4月25日受理
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概要
Yang-Mills理論のラグランジアンからはインスタントンやモノポールといった様々なソリトン解が導かれる.それらは当初,自己双対/Bogomolny方程式にアンザッツを課すことで場当たり的に解かれていたが,後に発表されたADHM/Nahm構成法によって系統的に求められるようになった.ADHM/Nahm構成法ではインスタントンやモノポールの持つ情報はすべてADHM/Nahmデータに集約される.また,特にNahm構成法からはTP_1と呼ばれる空間に住むスペクトル曲線の概念が導かれ,それらの対称性を考察することで正多面体の対称性を持つ高度なモノポールを構成することもできる.さらに,ADHM/Nahm構成法は周期性を持つインスタントンであるcaloronにも応用され,いくつかの新たな解が発見されつつある.この記事では,そのようなADHM/Nahm構成法に関する基礎的な知識について,初学者向けに解説する.
キーワード
インスタントン、モノポール、caloron、ADHM構成法、Nahm構成法