Volume 39-3修士論文
フラクトン系における場の理論と双対性
島村 洲太朗 (東京大学大学院 理学系研究科物理学専攻)
素粒子論研究・電子版 Vol. 39 (2023) No. 3
2023年2月13日受理
[PDF]
概要
フラクトン系は移動が制限された励起を持つような理論であり,部分系対称性と呼ばれる新たなタイプの大域的対称性を持つ.本論文では,フラクトン系の格子模型・場の量子論についてレビューする.後半部分では,2+1次元及び3+1次元において,フラクトン系の場の理論の2つの記述である foliated BF 理論と exotic BF 理論の双対性について論じる.これら2つの BF 理論は等価であると信じられていたものであるが,実際にゲージ不変演算子を同一視することによって,ゲージ場とゲージパラメーターの顕わな対応が得られることを示す.
キーワード
fracton、subsystem symmetry、BF theory