いろいろな方に聞かれる事を整理してみました.
参考:2007年4月 早稲田大学理論物理学研究室 オリエンテーションの発表資料から引用
参考:2006年1月 非平衡系の統計物理シンポジウム(@筑波大)の発表資料から引用
参考文献:
T.Tatekawa and S.Mizuno, JCAP 0712 (2007) 014
参考文献:
T.Tatekawa, F.Bouchet, T.Dauxois, S.Ruffo, Phys. Rev. E71 (2005) 016102 (専門家向け)
立川 崇之, 物性研究 vol.87 No.4 (2007.1) 510-534(学部4年以上向け)
宇宙物理学と統計物理学の接点は専門として扱っている事で述べた通りです.
「物理学と情報セキュリティの接点は?」と聞かれると,少々説明が長くなります.理論物理学の分野は「紙と鉛筆」で事が足りると言われてきました.しかし近年は大規模なシミュレーションが出来るほどに,個人レベルで利用可能なコンピューターの性能が高まった事,論文の執筆や投稿が電子的に行なわれる様になった事等から,「紙と鉛筆とコンピューター」が必要になっています.
このために最初に所属した研究室で,コンピューターを複数組み合わせたシステムの構築にも従事しました.電子メールの中身が漏洩したり,情報を公開しているサーバーが侵入されたり,シミュレーションの結果がいじられたり消されたりしたら大変です.そこで,システム構築の際には利用しやすく防御もなされた,セキュリティを意識して構築を行ないました.システムを自分で構築して,物理におけるシミュレーションを実行したり,電子メールを送受信したり,Web ページを公開したりしてきました.
物理学の分野も情報セキュリティの分野も日進月歩の世界です.常に新しい情報を入手しながら取り組んでいたところ,幸いにも情報セキュリティ教育の職を得る機会があったために,情報セキュリティの教育に従事する事になったという次第です.この職に従事する事に依り,今までいびつだった知識を整理し,さらに大局的に情報セキュリティについて考える事が出来る様になったのではと思います.