研究1:フレーバー対称性の破れの効果

従来のカイラルユニタリー法では、ループ積分の発散を除去するために現象論的なパラメータを導入する必要があった。本研究では、単純に実験結果を再現するだけでなく、予言能力をもった統一的な模型を構築することを目標に、自由なパラメータを使うかわりに、既知の情報から決められるもの、特にフレーバー対称性の破れの効果に注目して模型の改良を試みた。フレーバー対称性のあからさまな破れは、観測される粒子の質量差にみられるように、現実には大きな効果があると期待されるにもかかわらず、これまで相互作用の部分には取り入れられてこなかった。

本研究ではフレーバー対称性の破れの効果を相互作用の部分にとりこみ、現象論的なfittingなしでの記述を目指した。新しく取り入れる相互作用は既知の情報から決定できるので、不定なパラメータなしで導入できるという利点がある。結果として、統一的な枠組みは得られなかったが、解析を通してこれまでの現象論的パラメータの物理的意味や重要性が明らかになった。結論の要約は以下のとおりである。

参考文献:論文[1][2]、紀要[1][2][3][4][5]、発表[1][2][3]


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