研究会趣旨

2008年に日本で発見された鉄系高温超伝導体は、従来の高温超伝導体である銅酸化物系に次ぐ高い超伝導転移温度(55K)を有し、現在世界中で盛んに研究されている。本研究会では、日本国内で鉄系高温超伝導の理論研究で成果を挙げている第一線の研究者を集め、最近の成果について討論するとともに、実験研究者の講演も織り交ぜて今後の鉄系高温超伝導研究の方向性について議論する。2011年6月に基研研究会「鉄系高温超伝導の物理」を開催したが、その後の研究の発展に基づいて、「スピン・軌道・格子」の3者の関連に関して焦点を当てていく。具体的には、「スピン・軌道・格子」の競合・協力という観点から、第一原理計算による電子状態研究、反強磁性金属相の磁気的・電子的性質、ネマティック状態の起源、反強磁性・超伝導共存相の物性と起源、超伝導ペアリング対称性、三次元性の効果、量子臨界点・非フェルミ液体的振る舞いの研究など幅広い問題を取り上げる予定である。

招待講演者による口頭発表に加えて、一般申し込み者による口頭発表と、一般申し込み者によるポスター発表を行う。暫定的なスケジュールとして6月21日9:00開始、22日17:00頃終了を予定。

世話人

招待講演者(敬称略)


問い合わせ先

E-mail : fesuper@yukawa.kyoto-u.ac.jp