★ 12月
原稿書き。とりあえず大学1年でわかるHertzの接触理論と長くない摂動による 1-eが速度の1/5乗に比例するところは書けた。しかし家に置いている Windows95で Mathematicaが使えなく なっている。有効期限があるのか?
授業。電磁気は火曜より遅い。2次元の例題に触れる時間がなくなった。文系物理は 飛翔について翼面荷重と巡航速度の関係や鳥、昆虫の例を出す。あまりのってこない。 4年の卒研は最初に戻って考え直す。遂に進度はマイナスになった。だいぶクリアに なったがまだちょっと曖昧な所が残っている。やっぱり難しい。
レフェリー数保存則があるな。また来た。まあ今度はすぐ終わるだろう。
シラバスは終了。やれやれ。
はねかえり係数の部分の解説を書こうとしてつまる。1-eが衝突速度の1/5乗に比例する というのを学部生に分からそうというのは難しい。次元解析だけでうまくいかんかと あれこれいじったが結局普通に摂動をしないといけないようだ。
12月10日あたりに〆切の原稿が4つに岩波の本は年越しをさせないという制約を課すと ちょっと苦しいものがある。Reviewerになっても意味がないのだが。
昨日の昼飯でも話が出たがつまらん本を本屋が出版するから良書が本棚から消えて 学生のレベルがとめどもなく下がる。そのつまらん本の出版に加胆したくない思いと 本屋のつまらん本しか認めないという戦略のせめぎあいかな。
朝にレフェリーを一つ済ます。それから川崎さんの講義を聴きに行く。いつもの調子 ではないですか。7月の研究会のときに分からなかったvan der Waals glassの 考え方が分かった。昼食は川崎、蔵本、小貫の3人と取る。
セミナーは坪田さんが量子渦(超流動乱流とBECの渦糸格子の形成)の話をする。 hot topicをvisualに発表したので楽しいものだった。セミナー後ちょっと話す。
応用力学連合会の原稿〆切が間近であることに気がつきSOSを出してformatの作り方 を教えて貰い原稿を書き上げる。明日はシラバスを書かないといけないな。
授業をしてから名古屋へ。まず名工大へ。助手になった礒部君を訪問。彼のボスである 杉山さんや川崎研の先輩である榎本さんと話す。
その後、名大へ。土井さんは忙しそうだ。もともとセミナーの設定は彼の都合にあう ように設定したのだがセミナー開始前に石橋さんと相談してセミナーの途中から会議 で抜けた。セミナーは無難にこなしたが土井さんが途中で抜けたので食いつきがもう 一つだったかも。皆で食事を食べて第2ラウンドは九大の原さん(甲斐研の助教授)の 話。昔懐かしい卵白のガラス化の話。それから帰宅。
雨なので翌日の準備をしたり粉体ガスのmode couplingについて考える。学生には 川崎さんの講義は不評だったようだ。
発表準備に時間がかかってしまった。式が書きづらい制約があるとガスでやった 事は殆んど発表するに値しないことが良く分かる。國仲君の非弾性衝突を中心に 据えよう。
11月祭で授業は休み。4年のセミナーはやった。学生が省略せず全て式をフォロー し頑張っているが道は遠い。
そろそろ学会に向けて腰を据えないといけないのでring kineticsを考えるが よく分からず。
火曜の発表の準備を少しやるが気が乗らない上にやはりパワーポイント初心者は 至る所でつまづく。
午前は摩擦を考えていたが昔のことで思いだせず。
セミナー:古川の熱対流と乱流の話。この話はChicago groupが宣伝してはやったが 彼らの話はなっていないというもの。ピストン効果が非常に重要でReynolds数は乱流 という程高くないという事を数値的にも示している。アイデアは小貫さんにあったの かもしれないが古川がうまくまとめた感じである。
推薦書を1通書く。
楽器の物理学を買う。文系物理で楽器のことについて教えるのはもう終わってしまった が、この本はよりレベルが高くプロが見ても楽しめる。
授業やってぼぉーとして昼にガイダンスで説明してぼぉーととして教務の仕事を して会議に出て帰る。うーん。
最近の解説2篇をWebにアップ。ここから ダウンロードできます。混相流学会のは応用数理にプラスα、粉体工学会誌のは 書き下ろしです。
寝不足で眠かった。朝8時半からの発表というのはちょっと記憶にない。 パワーポイントファイル. 中身は空っぽだが映像としてはインパクトがある。レビューをして欲しい のだろうから無重力実験の可能性を示唆するだけのつもりだったが実際に地上実験から やってみろというコメントがだいぶ出た。休憩時間には 「筋のいいテーマだと言われた」たし、昼飯時には皆が弁当を食べている間に NASDAの人が僕の名前を出して、「もし実験をするならこのモジュールは何時頃に 打ち上げて」等と話をしていた。実験家に転向しようかしら。(親父も40過ぎに 観測家に転向していたし)。 もっとも金と場所と 人がいないと実験は出来ないのだが。NASDAの人が京都に来ると言っていたので もうちょっとその時に具体化できるかを考えよう。
他の発表:会長さんの話は場違いな気もしたが皆受け入れるのは人徳か。 三村さんの反応拡散系の解析からLiesegang band(ring)を理解できるというのは 驚きだった。西浦さんの去年2月の発表からも感じたが数学屋は執念深い。 物理屋のようにはやりのテーマを求めてあまりころころ研究テーマを 変えるのは良くないという事かもしれない。ところで僕以外は自分の研究を喋って いたことからすると研究会の趣旨を誤解したかな。それで太田さんが撫然として いたのかもしれない。
帰って早く寝る。
午前は家でゆっくりしてから広島へ。広島大へ広島経由を避けるとマイダイヤでは 使えない。家にある時刻表は古い。結局福山から鈍行で行く。不便な所だ。
甲斐さんの「ゾルゲル転移点での弾性波」の話は割と面白かった。高木さんの話は 2年前から進歩していたがもう少し定量化する必要がある。
夕食は席が固定されていた。太田さんらと話す。
結局國仲さんに助けて貰った。理由はよくわからんまま。
授業。1コマ目は火曜と同じ内容だからだいぶこなれた説明になった。2コマ目は 飛行機が何故飛ぶか、ボールが何故曲がるか。説明しているうちにすごく当り前に 思えて来た。毎年あれっとなるのだが。ついでにボールが軽いとはどういうことか (何故江川がホームラン配給王だった)かも説明した。
4年は頑張っているが進度は漸近的に止まりそう。卒論はどうなるか。
会議。
Power Pointに挑戦。他人の図やアニメーションばかりでは芸がないので自作のアニメ を作るところでつまづく。画面で流す分には問題ないのだが。結局うまくいかんな。 再現性がないのは理解不能。
古沢さんのセミナーを午前、午後と出る。経路積分の複雑液体への応用。一番知りたい ことまでは計算してくれていなかった。 そして夕食会。レフェリーにいじめられて 大変とか東大助手の肩叩きがすごいとかいった話が出る。
授業してレポート問題を考えていたら日が暮れた。効率悪し。
疲れたので週末を休養にあてた。とりあえず粉体工学会誌の解説を仕上げる。 引用した論文のタイトルや終わりのページまで必要なので無駄に時間がかかる。
授業2つをして4年のセミナーを見たら疲れてしまった。
駒場行き。東京駅の隣に引っ越してくれんかな。
生産研は初めて行ったが同じデザイナーの作品だけに京都駅みたいな建物だった。 セミナーでは式を一切出さなかったので好評だった。今回はそういうレビューを して欲しいとのことだったのだが写真とか動画を見せているといろいろ聴いて来て 大抵式を出すと聴衆が寝るのは何とかならんかと思う。まあそれだけ理論はスカ という事なのだが。そもそも工学的なレビューをしてくれと言われたせいもあって 「粉体はDEMしかない」と言い切ってしまった。まあその通りなのだが自分で言い切る と複雑な気分である。
阪口さんを連れて足早に佐々研へ。佐々研の大勢の学生となごやかに粉体ネタを 雑談。Q6は見落としていたな。雰囲気も良くすぐ帰るのは勿体無かった。佐々も これまでに苦労はあったにせよいい研究室を作ったと思う。
論文のコメントが返って来る。予想通り Santosの仕事があるので大幅に書き換えないといけない。頭が痛い。
明日のセミナーの準備。性格のよく分からんセミナーだから準備がしにくい。 とりあえず今書いている解説の補集合を取って準備した。
大木谷さんのセミナー。補助場を使うことで見えて来ることはあるかどうか微妙。 しかしこうした考えの積み重ねで発展していくのだろう。
1コマ目の講義で何故か暖房が入らず大変寒かった。
原稿書きは大体終了。図を描いたり挿入したりした後に引用文献を入れれば完成か。 土曜にちらと考えたウェットな解説とは違い普通の解説になった。(大体僕のもっている リルケの詩集に「ドォイノの悲歌」が殆んど入っていなかった)。
Wada-Sasaの草稿を見る。まだ詳細を見ていないがオーソドックスな手続きを踏んでいる 印象で好感が持てる。ああいうのを長距離相関というのかは疑問がない訳ではない。 粉体ガスの長距離相関の方がそれらしい。
時間割編成会議。時間割そのものは文句も出尽くしていたのでそれほど波乱もなかった が、来年以降どうなるかは不透明なために議論になった。
原稿書きに集中する。といっても速度相関に現われる長距離相関のことを書こうと 思ったが釈然としないのでErnst and Britoを読む。その結果かなり改善の余地が あるということが分かった。何でfluctuation hydrodynamicsと同じ結果を出している のかについてはしっくりこないが、長距離相関は保存則の破れに関連して出たことは 良く分かった。
松ヶ崎祭のため小学校に行く。松ヶ崎に越してから毎年参加しているが子供の成長が 分かって面白い。その後、子供の楽園へ。
先月末〆切の原稿を書こうとしたが筆は進まず。粉体工学会誌でリルケや キャベンディッシュの話が出るのも悪くはなかろう。
昨日迄の研究会で甲斐さんが某研究会で講演者として呼ぶ筈だというので、 捨てた封筒に依頼状があったのではないかと主催者側に連絡を取ったらまだ 連絡をしていなかったというのがおちであった。甲斐さんに会わなかったら 2週後は平穏な週末を送っていたのかもしれないので薮蛇だったのかも。 まあ旅費は出るのだから「宇宙環境で粉体を研究しない手はない」と一席 ぶって来る。誰か実験家が乗ってくれないとも限らない。
研究会3日目。一番面白そうな講演が並んでいる。遠藤さんのバルハンの実験は きれいで成因がよく分かるものだった。後藤さんのシミュレーションでは流体と 粒子をそれぞれ混相流でモデル化した上にLagrange的に解くということを行ない 面白い結果を出していた。地震の液状化の絡みで時間があればやってみたい。細田 さんの話も楽しいものであった。しかしながら工学的モデリングのみでは不満が 残る。仕方がないのかもしれないがその先が欲しい。
古川と昼飯。気体論でOsmotic pressureがないのはその需要がなかったせいではないか という意見。Navier-Stokes orderでそういう項を出すのに確かに線形応答だけ見て いたら駄目というのは事実。Mazenkoの論文が参考になるがMazenkoそのものが granular gasではそういう項を導入していない。Mode-couplingよりもっともらしい 導出ができるのか。
そもそも多体相関(ring collision)を考慮した非弾性気体論と fluctuation hydrodynamicsが等価な長距離相関を出している。もうちょっと多体効果 を真面目に調べる必要はある。
研究会後、4年セミナー。笹本さんの講義ノートは難解でDerridaの論文とかを 読み始める。その方が明確に書いてある部分もある。いずれにせよ進み方は亀の ようになってきた。 彼はくじけずに卒論を書けるか。
★ 10月