★ 8月
朝一の高田さんの発表を興味深く聴く。しかし既に分かっていることしか シミュレーションできないのであれば方法論を変更する道を探る必要がある かもしれない。多体効果が大事だと思う。後は東辻さんの発表位。
ポスターでもめぼしいのはあまりなかったと感じた。鵜川さんと議論したり、 東北大の4年に研究紹介をしたり。その他は古川、和田あたりと雑談する時間が 長かった。
午前は議論の続き。いろいろ方策を考えるが弱散逸の極限でしかうまくいきそうも ない。それより発表の当日になって土曜に計算した安定性が正しくないことが分かって 焦る。
午後は研究会。自分の発表は予想通り受けない。物理学会ではシミュレーションの絵 でも用意しておくか。質問への回答はよくなかった。他の発表は(既によく知っている ものを除くと)つまらなかった。
午前は笹本さんと御手洗さんに自分の研究の概略を紹介。
午後は御手洗セミナー。第1部は斜面流の線形安定解析に関するもの。非常に注意深い 緻密な解析でどのように不安定性が起こるのかを詳細に調べていた。更に1次元モデル に強引に近似したときに最適速度関数に境界条件の効果等を繰り込むこと等、多次元 の効果を取り入れて安定性の概要を再現できた。余人の追随を許さない素晴らしいもの であった。第2部での分子モーターでのフィラメント揺らぎの話はまだ何でこんな ことをやるのかが伝わらない状態。(彼女がこんなことをやるのはちょっと勿体無い 感じがするが)、そのうちにやりたいことが見えてくるだろう。
夕食後、議論。早速、固有値、固有関数の議論に穴が見つかり、速攻で沈没した。 やはり難しい。
午前は試験監督。
昼からセミナーシリーズが始まる。本日は笹本さんのASEPの解説とASEPと関連した PNGモデルの解析の話。前半は知っている話だがやはり容易ではない。PNG modelの 解析でrandom matrixを使うあたりの繁雑な数学で沈没。セミナー後、光藤君と 武末さんが最近の研究を紹介。光藤君はまだ他人に話す経験が不足しており、 自分の中で整理できていないようだ。
その後夕食。
朝に虫取をし、図書館に行って子供と河原で石の採集。京大総合博物館にも行く。
図書館で借りた本の中から大鵬の自叙伝である「巨人・大鵬・卵焼き」とグリーン の「エレガントな宇宙」を読む。
ちょっと気になったので熱浴のある系での線形安定性解析を行なう。結果は shear modeには変更がなく常に不安定化する。一方、残りのモードは場合によっては 不安定化しない。つまりその場合は渦だけ生じるが構造が出来ないことになる。 ちょっと面白いかな。
応用数理学会の原稿を書き、送る。
掃除をして学会の振込。
研究会の発表の準備。Tex pointではなくpdfから切り貼りをする。しかしあまり 魅力的な話ではない。イントロで場繋ぎをするか。
原稿は明日書こう。
金君の論文(その2)がようやくacceptされたので投稿中の論文は皆はけた。
進まないのでpaper workを一つ済ます。明日は発表の準備でもするかな。 (応用数理学会の原稿も書かないと)。
スケーリングをしないで摂動論を構成するとCE法とのマッチングはだいぶ よくなった。固有値も求めることが可能になりつつある。そうすると希薄ではあるが 相関の効果の入ったガスの統計力学が明らかになるのだが。もうちょっと。
原田セミナー:光ピンセットでポテンシャルを作り、それを動かすことで粒子の 動きを1次元的に制限する実験。Rachetでも何でもないというのが味噌か。 (その意味ではイントロとafter conclusionは不要かも)。拡散係数が大きい というのはポテンシャルに散乱されている効果とのことで興味深い。 現時点では理論解析が違う方向を向いていたようで今後に期待したい。
非弾性衝突に関する議論。Hillsの理論を使うと簡単になるのはいいのだが そうした話が全然関係ない結論になるかもしれない。だいぶクリアになった。
どうもスケーリングがよくない。固有関数が3つしかみつからない。CH法と整合 しない。
中学の説明会に参加。灘のブースは閑古鳥が鳴いていた。京都からはあまり 行かないだろう。
どうもbendingの話は煮詰まっているので問題設定がwell-definedな 多体論に取り組み始める。やっぱり目論みは甘い。ちゃんと固有関数になっていない。
午前の会議はともかく、午後の2つの会議はだらだらと長かった。会議だけで 潰れたという感じ。
どうも逃げ道が見つからない。
連続体の本のことで電話がかかってくる。
教授会。
理学部の学生が来る。要領を得ない。五月雨的に予告なしに来るのはちょっと かなわん。
論文がacceptされる。一回マイナーコメントがあっただけにしては時間がかかった。
理学部の4回生が見学に来る。
岡山の宿を取る。確かに残り少ないようだ。
セミナーは北村さん。プラズマのバックグラウンドと小貫研の相転移ダイナミックスの 手法を組み合わせたもの。
セミナー後、古川と雑談と研究の議論。
あるレビューを見るが人によって評価がばらばらなのが面白い。面白がってばかりも いられず、更にこっちも総括報告をしないといけない。
家で採点。出来が悪いので配点を変えてそれらしい点数になるようにした。
未明に次男が熱を出したが朝には熱が収まっていた。
熱力学の試験。午前は試験監督のみ。皆真面目に試験をしていたので特に2コマ目 は暇だった。結局難しい問題をそのまま出したので出来が心配だが、それほど壊滅的 ではない感じである。(特に熱心だった2コマ目の方が出来ているようだ)。
とはいえ採点は気が重くちょっとやり始めたらすぐ中断した。
河原田君の修論に関連して金君を交えて議論しているうちにどんどん問題が明確に なり、手に届くいい問題設定が出来た。 トライアル関数から相関を求めて、相関から 分布関数の補正及びSonine多項式を求めるという手続きを収束するまで行なう。 更に時間発展も議論できる道筋も示した ので、非一様状態まで適用範囲が広がるところまで プロジェクトが遂行できればなかなかのものであろう。
昨日の結果と実験データの比較。高モードでは大体一致。低モードでは誤差も大きい がずれも大きい。
最後の授業。結局力学はコリオリ力を紹介しNeil曲線までで時間切れ。電磁気は 多重極輻射でちょうど時間になった。
金君の2次元の分布関数の摂動解についての現状報告。1次では系統的に計算でき、 複雑ではない。2次は面倒。
振動解の波長を決めるためにちょっとした計算をする。
諦めずに考えてみるが堂々巡りばかり。問題がwell-definedではない。
東大の4年生が訪ねて来るがこちらの指定時間から5時間もずれていた。
圧縮したときに弾性体で膨張したときにばらばらになるようにモデル化するか。 これはDEMそのままではないか。難しい。DEMで留めておくというのもありか。
そういう訳もあって接触弾性論のお勉強。2次元は複素関数論を使ってきれいな議論が可能である。だいぶ進んだ。
ソフトマターの原稿を書く。短いので尻切れとんぼになった。
午前は弾性論で陽な解を作ってJanssenと整合させようとしたが無理な様だ。昔 できるかできないか議論になったがやはりできないようだ。境界近傍で塑性域を 考える必要があるのか。でもできてもいいような気がするのだが。
山本さんのセミナー。(粉体から例を取った)イントロが冗長かなという感じだったが 後半は面白かった。FDTが破れるのはある意味自明であるがきれいな統計則FDT'の存在を 示唆している。またshearによって等方性が全く失われないという結果には驚いた。 (MCTでもそういう結果になっているのか)。 しかしずりを入れてもエネルギーを一定に保つMDは問題がある。 ちゃんと(極めて小さい散逸を入れて)シミュレーションをすると本質的に違う 結果(等方的になるとは考えにくい)になるだろうし、 FDTのやぶれはより明白になるだろう。Lee-Edwards boundary conditionもかなり特殊である。またshear rate一定というのも考えてみると あり得ない状況である。この種の理想化のためにshear induced meltingしか 見えず、shear induced freezingとの絡みというより面白い話が見えて来なく なったのはちょっと残念である。(イントロの意図とは異なり粉体と全く違うこと ばかりが強調されていた)。
熱力学は予定を変更してレポートの解説をした。急にやったせいか(特に1コマ目)は しまりがなかった。それから物性研究の編集会議に参加。北部キャンパスは遠い。
予稿を書く。
電磁気学続論はこの進み具合だと加速度を受けた荷電粒子の輻射はできない。 昨日の準備は無駄になったが、どう考えても式がややこしいのでまあよかったかな。 基礎論Aは減衰振動と強制振動。次回をどうするか悩むが、やはりカオスを一回 やっても仕方がないのでコリオリ力にしようという方に傾きつつある。
グループミーティング。先週見つけた2次元弾性論に基づいた摩擦があるときの 圧縮力を衝突問題に応用する話。道は遠い。
長男のための説明会。授業準備。
試験問題を4つ作る。熱力学はいい問題のような気がするがちょっと難しい気が するのでTAにモルモットになってもらうことにしよう。電磁気はともかく力学は 変わり映えがしない。
そろそろ試験問題を作らないといけない。まだ固まらない。レポートに出した 問題はカンニングされる危険性があるからちょっとひねらないといけない。
undulationは解決せず。しかし矛盾が一杯あるということはいいことだ。解決 しないと意味がないが。
前期最終の卒研。お疲れ様。後期はいよいよ卒論だ。テーマをどうするのか 考えておこう。後期は10/3から再開の予定。 会議をさぼる口実に使うとまずそうなので午前 中にシフトしておく。
昨晩、ノートに書いた結果から物質によらない普遍的な関係式が出て悦に入っていた が、朝見ると実験と矛盾していることに気がつき、あえなく轟沈した。それにしても 妙な関係式だ。
午後、基研の研究部員会議に出席。研究会の趣旨説明と予算の獲得のためである。 昔一度趣旨説明をしたことがあるだけで詳細は忘れていたが、皆は7分の説明用に トラペとパワーポイントを用意しており手ぶらだったのは私だけであった。とも かく説明。人数が集まりすぎたらどうするのかという質問が来る。普通に研究会を すれば70-80人は集まりそうだがそうはしないであえて小規模でじっくりと話し合う と返す。
今回は物性関係の研究計画が多く、研究部員の中で物性関係者が少なく(また固体論 に偏っていたので)物性関係は苦戦した研究会が多かった。基研自身が厳しい状況に あり、旅費は半年で380万しかないこともあって他財源を混ぜている研究会に風当たり が強かった。質問に要領を得ない答えをしていることも余計に研究部員を苛立たせた のかもしれない。
もっとも我々の研究計画は評判がよく、摩擦の研究会共々サポートをもっとしろという 意見が出たのには安堵した。しかし午後一杯が完全に潰れたのは痛い。こんなに時間 がかかったという記憶がなかったのだが。
弾性率の起源と見積もりについて思い付くところがありノートにまとめる。 一応昨日のような矛盾はないすっきりした議論だが、まだいろいろと不備がある。
試験監督は理学部側で用意するという風に制度が変わり混乱があるようだ。
熱力学。やはり普通通りG=F+PVを使う方が教えやすい。相転移点で微係数が 不連続になるのはそれぞれの相での極限を取ればいい。
午後は振動層のundulationについて考える。 現況は矛盾だらけということはよく理解できそれらを整理した。では次の一歩 はどうするか。
★ 6月