quantumespresso:スピン軌道相互作用
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quantumespresso:スピン軌道相互作用 [2019/01/26 05:12] – [非磁性体Ptのスピン軌道相互作用] koudai | quantumespresso:スピン軌道相互作用 [2024/03/31 00:01] (current) – koudai | ||
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スピン軌道相互作用を含めた電子状態を計算する場合、相対論的効果を含んだ擬ポテンシャルをダウンロードします。 | スピン軌道相互作用を含めた電子状態を計算する場合、相対論的効果を含んだ擬ポテンシャルをダウンロードします。 | ||
擬ポテンシャルに相対論的効果が含まれて、スピン軌道相互作用の計算に使えるかどうかは、擬ポテンシャルの説明に「full relativistic」という説明があるかどうかで判断できます。 | 擬ポテンシャルに相対論的効果が含まれて、スピン軌道相互作用の計算に使えるかどうかは、擬ポテンシャルの説明に「full relativistic」という説明があるかどうかで判断できます。 | ||
- | scalar relativisticですと、擬ポテンシャルの作成にスピン軌道相互作用は入っていますが、電子状態計算にスピン軌道相互作用を入れることができません。 | + | scalar relativisticですと、擬ポテンシャルの作成にスピン軌道相互作用は入っていますが、SCF計算にスピン軌道相互作用を入れることができません。 |
ここではPt.rel-pz-n-rrkjus.UPFという擬ポテンシャルを使うことにします。 | ここではPt.rel-pz-n-rrkjus.UPFという擬ポテンシャルを使うことにします。 | ||
単体のプラチナの結晶構造は面心立方格子です。 次の入力ファイルを作成します。 | 単体のプラチナの結晶構造は面心立方格子です。 次の入力ファイルを作成します。 | ||
+ | systemのところにlspinorb, | ||
<file - Pt.scf.in> | <file - Pt.scf.in> | ||
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- | スピン軌道結合の計算では、磁化を必ず指定しないといけませんが、プラチナは磁性体ではないので starting_magnetization(1) = 0.0 としておきます。 | + | スピン軌道結合の計算では磁化を必ず指定しないといけませんが、プラチナは磁性体ではないので starting_magnetization(1) = 0.0 としておきます。 |
また lspinorb と noncolin を .true. にしておく必要があります。 | また lspinorb と noncolin を .true. にしておく必要があります。 | ||
それぞれ次を意味します。 | それぞれ次を意味します。 | ||
^変数^説明^ | ^変数^説明^ | ||
- | |lspinorb|.true.にするとスピン軌道相互作用を入れた計算を実行する。full relativisticの擬ポテンシャルを使う場合、これがないとエラーになる| | + | |noncolin|デフォルトでは、スピンはz軸方向に向くもののみしか考慮されない。これを.true.にすることで様々な方向にスピンを向けることができるようになる(ノンコリニア)。ただし計算時間が増大する。| |
- | |noncolin|デフォルトでは、スピンはz軸方向に向くもののみしか考慮されない。これを.true.にすることで任意の方向にスピンを向けることができるようになる。ただし計算時間が増大する。| | + | |lspinorb|.true.にするとスピン軌道相互作用を入れた計算を実行する。noncolin=.true. のときのみ指定可能。full relativisticの擬ポテンシャルを使う場合は.true.にしておかないと正しい結果が得られない| |
実行は次のようにします | 実行は次のようにします |
quantumespresso/スピン軌道相互作用.1548447179.txt.gz · Last modified: 2021/06/27 22:00 (external edit)