quantumespresso:金属
Differences
This shows you the differences between two versions of the page.
Next revision | Previous revision | ||
quantumespresso:金属 [2018/11/01 19:50] – 作成 koudai | quantumespresso:金属 [2021/06/27 22:04] (current) – external edit 127.0.0.1 | ||
---|---|---|---|
Line 15: | Line 15: | ||
====== SCF計算 ====== | ====== SCF計算 ====== | ||
- | Alというディレクトリを作成し、その中でAl.scf.inという入力ファイルを作ります。 | + | ===== 入力ファイル |
- | そして、QuantumESPRESSOのウェブサイトからAlの擬ポテンシャルのファイルをダウンロードしてきます。 | + | |
+ | QuantumESPRESSOのウェブサイトからAlの擬ポテンシャルのファイルをダウンロードしてきます。 | ||
今回はAl.pz-vbc.UPFをダウンロードしました。 | 今回はAl.pz-vbc.UPFをダウンロードしました。 | ||
Line 30: | Line 31: | ||
ibrav = 2, celldm(1) = 7.50, nat = 1, ntyp = 1, | ibrav = 2, celldm(1) = 7.50, nat = 1, ntyp = 1, | ||
ecutwfc =12.0, | ecutwfc =12.0, | ||
- | occupations=' | + | occupations=' |
/ | / | ||
& | & | ||
+ | conv_thr = 1.0d-8 | ||
/ | / | ||
ATOMIC_SPECIES | ATOMIC_SPECIES | ||
Line 42: | Line 44: | ||
</ | </ | ||
- | occupationsをsmearingとすることによって、状態を広がりを持ったものにすることができます。 | + | (注意)チュートリアル計算のため、k点数が非常に少ないです。Alの場合は本当は 16 16 16 くらいは必要です。 |
- | ここでsmearingに指定されているmvというのはM. Methfessel and A. T. Paxton, Phys. Rev. B 40, 3616 (1989)で提案された広がり方です。 | + | |
- | ほかにM. Methfessel and A. T. Paxton, Phys. Rev. B 40, 3616 (1989)で提案された広がりもあり、 この場合はmpと指定します。 | + | |
+ | ^変数^初期値^説明^ | ||
+ | |occupations|なし | ||
+ | |smearing | ||
+ | |degauss | ||
+ | |||
+ | ここでsmearingに指定されているmpというのは | ||
+ | * M. Methfessel and A. T. Paxton, Phys. Rev. B 40, 3616 (1989). | ||
+ | で提案された広がり方で、通常はこれを使います。 | ||
+ | ほかに | ||
+ | * N. Marzari, D. Vanderbilt, A. De Vita, and M. C. Payne, Phys. Rev. Lett. 82, 3296 (1999). | ||
+ | で提案された広がりもあり、 この場合はmvと指定します。 | ||
広がりを普通のガウシアンにしたければgaussianと指定しますが、これはmvやmpに比べて収束が非常に遅くなります。 | 広がりを普通のガウシアンにしたければgaussianと指定しますが、これはmvやmpに比べて収束が非常に遅くなります。 | ||
- | 広がりの幅はdegaussで指定しています(単位はリュードベリ)。 k点が多ければ広がりの幅は小さくできますが、k点が少ないと大きめにとる必要があります。 広がりを大きくした場合は計算の精度も落ちますが、mvやmpではそれらもある程度回避できます。 | + | |
+ | |||
+ | |||
+ | |||
+ | ===== 計算の実行 ===== | ||
それではPWscfを実行します。 | それではPWscfを実行します。 | ||
Line 61: | Line 77: | ||
the Fermi energy is 8.2893 ev | the Fermi energy is 8.2893 ev | ||
- | バンド構造の計算方法は前節のSiの場合と同じです。 フェルミ・エネルギーは上で得られた値を用います。 | + | バンド構造の計算方法は前節のSiの場合と同じです。 |
+ | **ただし occupations, | ||
+ | フェルミ・エネルギーはSCF計算で得られた値を用います。 | ||
- | Alの場合、電子配置は[Ne]3s23p1で価電子数が3なので、スピンの縮退も考慮して2本目のバンドの半分まで電子が詰まっています。 | + | Alの場合、電子配置は [Ne] 3s2 3p1 で価電子数が3なので、スピンの縮退も考慮して2本目のバンドの半分まで電子が詰まっています。 |
つまり、最低2本あればよいのですが、普通、バンドは伝導バンドと複雑に入り交じっているので、バンドの数を多めに見積もる必要があります。 | つまり、最低2本あればよいのですが、普通、バンドは伝導バンドと複雑に入り交じっているので、バンドの数を多めに見積もる必要があります。 | ||
もし金属であるにもかかわらず入力ファイルにnbndが指定されていなければ、価電子帯のバンド数に、それの20%(最低4)を足したものが nbnd に自動的に指定されます。 | もし金属であるにもかかわらず入力ファイルにnbndが指定されていなければ、価電子帯のバンド数に、それの20%(最低4)を足したものが nbnd に自動的に指定されます。 | ||
quantumespresso/金属.1541069406.txt.gz · Last modified: 2021/06/27 22:00 (external edit)