quantumespresso:wannier90:srvo3
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quantumespresso:wannier90:srvo3 [2019/02/08 18:42] – [概要] koudai | quantumespresso:wannier90:srvo3 [2024/02/03 18:33] (current) – [Wannier90による計算] koudai | ||
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Line 2: | Line 2: | ||
* 遷移金属酸化物SrVO3を例に、d電子系の強束縛模型を作成します。 | * 遷移金属酸化物SrVO3を例に、d電子系の強束縛模型を作成します。 | ||
- | * フェルミ面付近の3本のバンドは3つのt2g軌道 (xy,yz,zx) に由来します。 | + | * フェルミ面付近の3本のバンドはt2g軌道 (xy,yz,zx) に由来します。 |
* 結晶構造は以下のサイトのものを使いました。 | * 結晶構造は以下のサイトのものを使いました。 | ||
* http:// | * http:// | ||
Line 98: | Line 98: | ||
バンドはplotband.xなどを使用して描きます。 | バンドはplotband.xなどを使用して描きます。 | ||
- | 本当は部分状態密度の計算を通してフェルミ準位近傍の軌道がなんの軌道であるか調べる必要がありますが、今回はt2g軌道とすでにわかっているので省略します。 | ||
{{: | {{: | ||
Line 105: | Line 104: | ||
下の方にある9本のバンドは酸素のp軌道です(酸素原子は単位胞に3つ含まれています)。 | 下の方にある9本のバンドは酸素のp軌道です(酸素原子は単位胞に3つ含まれています)。 | ||
- | ====== ワニエ・フィッティング | + | ====== ワニエ化 ====== |
Line 114: | Line 113: | ||
kmesh.plは / | kmesh.plは / | ||
- | $ kmesh.pl 4 4 4 > kmesh.out | + | SrVO3.scf.inをコピーしてSrVO3.nscf.inという名前にして、次のように編集してください。 |
+ | * calculation=' | ||
+ | * occupationsを削除 | ||
+ | * K_POINTS以下を削除 | ||
- | SrVO3.scf.inをコピーしてSrVO3.nscf.inという名前にして、calculation=' | ||
- | occupationsは削除しましょう。 | ||
<file - SrVO3.nscf.in> | <file - SrVO3.nscf.in> | ||
& | & | ||
Line 147: | Line 147: | ||
O 0.500000000000000 | O 0.500000000000000 | ||
O 0.500000000000000 | O 0.500000000000000 | ||
- | K_POINTS crystal | ||
- | 64 | ||
- | 0.00000000 | ||
- | 0.00000000 | ||
- | 0.00000000 | ||
- | (以下略) | ||
</ | </ | ||
+ | $ kmesh.pl 4 4 4 >> SrVO3.nscf.in | ||
$ mpirun -n 8 pw.x < SrVO3.nscf.in > SrVO3.nscf.out | $ mpirun -n 8 pw.x < SrVO3.nscf.in > SrVO3.nscf.out | ||
Line 220: | Line 215: | ||
|num_bands|密度汎関数理論計算で使ったすべての軌道の数。SrVO3.nscf.out内のnumber of Kohn-Sham statesがそれに対応します。| | |num_bands|密度汎関数理論計算で使ったすべての軌道の数。SrVO3.nscf.out内のnumber of Kohn-Sham statesがそれに対応します。| | ||
|mp_grid|k点のメッシュ。kmesh.plで指定したものをそのまま入力します。| | |mp_grid|k点のメッシュ。kmesh.plで指定したものをそのまま入力します。| | ||
- | |dis_win_min|フィッティングするバンドが含まれているエネルギーの下限。| | + | |dis_win_min|ワニエ化するバンドが含まれているエネルギーの下限。| |
- | |dis_win_max|フィッティングするバンドが含まれているエネルギーの上限。| | + | |dis_win_max|ワニエ化するバンドが含まれているエネルギーの上限。| |
- | |dis_froz_min|フィッティングするバンドが含まれ、かつ他のバンドが含まれないエネルギーの下限。| | + | |dis_froz_min|ワニエ化するバンドが含まれ、かつ他のバンドが含まれないエネルギーの下限。| |
- | |dis_froz_max|フィッティングするバンドが含まれ、かつ他のバンドが含まれないエネルギーの上限。| | + | |dis_froz_max|ワニエ化するバンドが含まれ、かつ他のバンドが含まれないエネルギーの上限。| |
|write_hr|飛び移り積分を出力するかどうか。.true.にするとSrVO3_hr.datに出力されます| | |write_hr|飛び移り積分を出力するかどうか。.true.にするとSrVO3_hr.datに出力されます| | ||
|bands_plot|ワニエ関数によりできたハミルトニアンのバンドを出力するかどうか。| | |bands_plot|ワニエ関数によりできたハミルトニアンのバンドを出力するかどうか。| | ||
Line 232: | Line 227: | ||
^変数^説明^ | ^変数^説明^ | ||
|Unit_Cell_Cart|デカルト座標による結晶の基本並進ベクトル。SrVO3.nscf.outのcrystal axesを見ながら入力します。単位はオングストローム(Ang)あるいはボーア半径(Bohr)のどちらかを指定します。| | |Unit_Cell_Cart|デカルト座標による結晶の基本並進ベクトル。SrVO3.nscf.outのcrystal axesを見ながら入力します。単位はオングストローム(Ang)あるいはボーア半径(Bohr)のどちらかを指定します。| | ||
- | |Atoms_Cart|デカルト座標による結晶の原子位置。こちらもSrVO3.nscf.outを見ながら入力します。単位はオングストローム(Ang)あるいはボーア半径(Bohr)のどちらかを指定します。| | + | |Atoms_Cart|デカルト座標による結晶の原子位置。こちらもSrVO3.nscf.outを見ながら入力します。単位はオングストローム(Ang)あるいはボーア半径(Bohr)のどちらかを指定します。結晶の基本並進ベクトルの分率座標を使いたければ< |
- | |Kpoint_path|フィッティング後に出力するバンドの経路。bands_plot=.true.としたときに使用します。逆格子ベクトルの分率座標で指定します。| | + | |Kpoint_path|ワニエ化後に出力するバンドの経路。bands_plot=.true.としたときに使用します。逆格子ベクトルの分率座標で指定します。| |
|Projections|どの軌道でフィッテイングするか指定します。今回はt2g軌道の3つの軌道(xz, | |Projections|どの軌道でフィッテイングするか指定します。今回はt2g軌道の3つの軌道(xz, | ||
- | |Kpoints|ウィッティングを行うk点。kmesh.outのものをそのまま使用します。| | + | |Kpoints|ワニエ化に使うブロッホ関数のk点。SrVO3.nscf.inのものをそのまま使用します。| |
できたらWannier90を実行し、計算に必要なファイルを生成します。 | できたらWannier90を実行し、計算に必要なファイルを生成します。 | ||
Line 260: | Line 255: | ||
$ mpirun -n 8 pw2wannier90.x < SrVO3.pw2wan.in > SrVO3.pw2wan.out | $ mpirun -n 8 pw2wannier90.x < SrVO3.pw2wan.in > SrVO3.pw2wan.out | ||
- | これで準備が完了したので、実際にワニエフィッティングを行います。 | + | これで準備が完了したので、実際にワニエ化を行います。 |
$ wannier90.x SrVO3 | $ wannier90.x SrVO3 | ||
Line 281: | Line 276: | ||
単位胞の位置をr、単位胞内の軌道のインデックスをα, | 単位胞の位置をr、単位胞内の軌道のインデックスをα, | ||
\begin{equation} | \begin{equation} | ||
- | H = \sum_{\mathbf{r}, | + | H = \sum_{\mathbf{r}, |
\end{equation} | \end{equation} | ||
と書けるとします。 | と書けるとします。 | ||
Line 303: | Line 298: | ||
// | // | ||
- | プロットするにはXCrsyDenを使用します。 | + | プロットするにはXCrysDenを使用します。 |
例えば上で計算したSrVO3の軌道1のワニエ軌道が見たい場合は | 例えば上で計算したSrVO3の軌道1のワニエ軌道が見たい場合は | ||
- | $ xcrysden | + | $ xcrysden --xsf SrVO3_00001.xsf |
- [Modify] -> [Atomic Radius] -> SpaceFill/ | - [Modify] -> [Atomic Radius] -> SpaceFill/ |
quantumespresso/wannier90/srvo3.1549618931.txt.gz · Last modified: 2021/06/27 21:59 (external edit)