wien2k:tb-mbj交換ポテンシャル
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wien2k:tb-mbj交換ポテンシャル [2020/07/02 18:52] – 作成 koudai | wien2k:tb-mbj交換ポテンシャル [2024/11/19 22:22] (current) – [計算方法] koudai | ||
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Line 3: | Line 3: | ||
バンド計算では一般にバンドギャップを過小評価してしまう、あるいは半導体なのに金属と見積もってしまうという問題がある。 | バンド計算では一般にバンドギャップを過小評価してしまう、あるいは半導体なのに金属と見積もってしまうという問題がある。 | ||
これを回避するためにいくつかの手法が考案されているが(例えばLDA+U法やハイブリッド汎関数法など)、現在もっとも精度よく値が出るのがGW近似と呼ばれるものである。 | これを回避するためにいくつかの手法が考案されているが(例えばLDA+U法やハイブリッド汎関数法など)、現在もっとも精度よく値が出るのがGW近似と呼ばれるものである。 | ||
- | しかし、この手法はかなりの計算時間が必要で、極めて単純な構造の物質を除いてあまり実用的ではない。 | + | しかし、この手法は多くの計算コストが必要で、単純な構造の物質を除いてあまり実用的ではない。 |
そこで、GW近似の結果をお手軽に再現できるのが、手でポテンシャルを入れてバンドギャップを適正な値にする[[http:// | そこで、GW近似の結果をお手軽に再現できるのが、手でポテンシャルを入れてバンドギャップを適正な値にする[[http:// | ||
- | WIEN2kではTB-mBJポテンシャルを公式にサポートしているので、簡単に計算をすることができる。 | ||
Line 17: | Line 16: | ||
$ init_mbj_lapw | $ init_mbj_lapw | ||
</ | </ | ||
- | - 一度だけSCF計算を再実行する< | + | - 一度だけSCF計算を再実行し、ブロイデン法の履歴を削除する< |
$ run_lapw -p -i 1 -NI | $ run_lapw -p -i 1 -NI | ||
+ | $ rm *.broyd* | ||
</ | </ | ||
- | - ブロイデン法の履歴を削除し、再度mBJの初期設定を行う< | + | - mBJの設定を完了させる< |
- | $ rm *.broyd* | + | |
$ init_mbj_lapw | $ init_mbj_lapw | ||
</ | </ | ||
Line 30: | Line 29: | ||
0.5 | 0.5 | ||
</ | </ | ||
- | * $\bar{g}$の定義や$A$, | ||
- | * 特に設定がなければcは元のTB-mBJの論文に出てくる値[[http:// | ||
- | - | ||
- | |||
- | - [Utils. >> init_mbj_lapw] 二回クリックしたらダメになるので注意 | ||
- | - [Execution >> run SCF] -> [Remove the files case.broyd[1|2]] | ||
- | - [Execution >> run SCF] It-numberを1にして[Start SCF cycle] | ||
- | - [Utils. >> init_mbj_lapw] -> [Remove the files case.broyd[1|2]] | ||
- | - [Utils. >> init_mbj_lapw]を再びクリック | ||
- | - [Files >> input_files]から// | ||
- | * 例えば$A=−0.012$, | ||
- | -0.012 | ||
- | 1.023 | ||
- | 0.5 | ||
- | </ | ||
* $\bar{g}$の定義や$A$, | * $\bar{g}$の定義や$A$, | ||
* 特に設定がなければcは元のTB-mBJの論文に出てくる値[[http:// | * 特に設定がなければcは元のTB-mBJの論文に出てくる値[[http:// | ||
Line 50: | Line 34: | ||
$ run_lapw -p -i 1000 -ec 0.00001 -cc 0.0001 | $ run_lapw -p -i 1000 -ec 0.00001 -cc 0.0001 | ||
</ | </ | ||
- | * なかなか収束しないので通常の10倍くらいにする。 | + | * なかなか収束しないので、SCF計算の回数は通常の10倍くらいにする。 |
これでTB-mBJポテンシャルを使った計算は終わり。 | これでTB-mBJポテンシャルを使った計算は終わり。 | ||
あとは状態密度やバンドを描いて、電子状態の変化を確認する。 | あとは状態密度やバンドを描いて、電子状態の変化を確認する。 | ||
+ | x_lapwの実行時に特になにかフラグをつけなくても、自動的にmBJポテンシャルを考慮した計算になる。 | ||
- | 適切なTB-mBJポテンシャルの選び方は、上で書いた論文の値をそのまま使うのも一つであるが、光学伝導度測定などの実験で得られたバンドギャップを再現する大きさに合わせるのが手っ取り早い。 | + | 適切なTB-mBJポテンシャルの選び方は、上で書いた論文の値をそのまま使うのも一つであるが、光学測定などの実験で得られたバンドギャップを再現する大きさに合わせるのが手っ取り早い。 |
< | < | ||
$ grep ": | $ grep ": | ||
Line 63: | Line 48: | ||
===== 収束しない場合 | ===== 収束しない場合 | ||
- | - case.inmを以下のように書き換える。<file - case.inm> | + | - case.inm を開いて MSR1 -> PRATT にして、mixing factorを0.1にする<file - case.inm> |
PRATT | PRATT | ||
0.10 mixing FACTOR for BROYD/PRATT scheme | 0.10 mixing FACTOR for BROYD/PRATT scheme |
wien2k/tb-mbj交換ポテンシャル.1593683548.txt.gz · Last modified: 2021/06/27 22:01 (external edit)